「私たちのファン、マジでヤバいんです」――現役アイドルが本音で座談会!

夢に直向きな女性を傷付けたのは、彼女を支える筈の“ファン”だった――。現役アイドルたちが、日本中を震撼させた冨田真由さん刺傷事件についてや、自分たちのファンへの想いを告白する。 (聞き手/本誌編集部)

今年5月21日、シンガーソングライターの冨田真由さん(20)が、イベント出演前に男に刺され重体というニュースが世間を賑わせた。現行犯逮捕された岩埼友宏容疑者は、冨田さんに送ったプレゼントを突き返されたことに逆上。執拗なストーキング行為の後、事件に至った。今回のような大事件に繋がるケースは稀だが、確実に存在する“ヤバいファン”が身近にいるアイドルたちは、彼らとどのように接しているのだろうか。そこで、現役アイドルの皆さんに、ファンとの接触イベントの実態やヤバいファン対策について語り合ってもらった。

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――今回のニュースを聞いた時の、率直な感想をお願いします。
美川「私自身、この事件を受けて、『自分もアイドルだから怖い!』という感覚はあまり無かったんです。普通に生きていてもストーカーに遭ったり、通り魔に遭うのと同じくらいの確率という印象。彼女は警察にも相談していたし、ちゃんと気をつけていたのに起きてしまったことなので、『どうしようもなかったのかも…』と思っちゃいましたね。でも、私がアイドル活動をしていることを知っている人全員から『気をつけたほうがいいよ』って言われました」
丸山「私のファンは皆がいい方ばかりなので、今まで何の危機管理もしていなかったんですよ。でも、シンガーソングライターだったり、フリーでグラドルや地下アイドルをしている人の場合、マネージャーもいないし行き帰りは1人なんです。そう考えると、『いつ岩埼容疑者みたいな人が私に目をつけるかもわからないな』と思いました」

――皆さんのファンの中には、今回のような騒ぎを起こしそうな人はいますか?
美川「ブチギレるポイントがおかしいファンは沢山います。地下アイドル界隈では、ファン同士の喧嘩で流血騒ぎになることも日常茶飯事! カメラ小僧とオタ芸師のバトルとか、どっちも喧嘩したことがないオタクだから、血が出ちゃうんですよ」
丸山「私も、ファン同士の喧嘩で警察沙汰になったことある! ライブハウスに5人しかいなかったお客さんが喧嘩しちゃったんだけど、激し過ぎて他のユニットのファンが警察を呼んだの(笑)。その内の1人が私が所属していたユニットのファンだったから、私たちまでヤバいグループっていうレッテルを貼られた時期があるんだよね」
真田「確かに、地下アイドルの間では、『あのユニットが出ると、あのファンたちが来るから、同じイベントには出たくない』とかはあるよね。折角ユニットとしてクオリティーが高くても、常連のファンがイタかったり、『俺たち以外のファンはいらない』みたいに排他的だと、新規のファンがつかなくて、結局、人気が出なかったりする」

丸山「直接会ってはいないんだけど、ツイッターで『俺は慶応大出身で身長178㎝。しかも金持ちだから、お前のことを嫁にもらってやる』みたいな謎のリプを飛ばしてきた人がいて、『は?』って思ったことはあったな。ある時から、撮影会にいつも来てくれる熱心なファンに私が片思いをしているみたいな妄想ツイートを、名指しで垂れ流し続けたんだよね。その他にも、いきなり自宅の住所を送りつけてきて、『ここに会いに来い』とか言ってきたり…。最終的には、パスポートの顔写真まで送ってきたんだけど、結構イケメンだったの(笑)。多分、その写真は他人のものだと思うんだけど、『本当にコイツが慶応大で、この顔で178㎝の身長だとしたら、私なんか態々追いかけなくても、周りの女が放っておかないでしょ!』って私の周りで俄かに話題になりましたよ。3ヵ月くらいしたらいなくなったけど、凄く気味が悪かったな…」
美川「ヤバい人は、コミュニケーション能力はかなり低めですよね。話をする時とか、異常に距離が近かったりする人ばっかり」
真田「フリーで仕事を受けていると、明らかに怪しい仕事依頼とかあるよね。数年前に、フリーモデルの女の子が依頼主に殺された事件があってからは、1対1の撮影会の時は絶対にマネージャーさんを雇うようにしている」
美川「フリーのアイドルは色々と楽だけど、全部自己判断で仕事する必要がありますからね…」
真田「ちょっとヤバそうな依頼は、当日、マネージャーがついてくるかを確認してくるかどうか。普通の仕事だったら、そんなこと気にしない筈だからね」
丸山「わかる! しかも、そういう仕事に限ってギャラが超高額なんだよね! “1日拘束で20万”っていう依頼が来た時は、『私、一体何やらされるの!?』と思って、お断りしました」
真田「私の友だちは、念の為、事前に身分証を送ってもらっていたにも関わらず、当日に現れたのが全然違う人だったらしいよ」
美川「凄く危ない!」
真田「その子は何度もそういう経験をしているのに、呑気に『触られた~』とか言っているから、『現場にマネージャーを連れて行ったほうがいいよ』ってアドバイスしているのに、今でも1人で撮影会に行っちゃうんだよね。しかも、ホテルの一室で1対1で撮影したりしていて、本当に危ない」
丸山「確かに、警戒心が薄い子っているよね」
美川「私は、ライブ後の出待ちからずっと後を着けられたりしますね」
丸山「あるある!」

――どうやってファンを撤くんですか?
丸山「タクシーに乗って全然違うところに行くか、近くにいる知り合いと合流して撤きます。その他にも、撮影会やイベント終了後、1時間くらい経過してから会場を出た筈なのに、未だファンが駅にいる時がある。『あれ? この電車?』みたいに、偶然を装って白々しく話しかけてくるんだよね(笑)」
美川「『“あれ?”じゃねぇよ。お前、絶対待っていただろ』って感じですね(笑)」

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――身の危険を感じるほどの“ヤバいファン”を見分ける方法ってありますか?
美川「現場では大人しいのに、SNSになるとキャラが激変するヤバいファンが多いです。SNSではダメ出しとかグイグイ書いてくるのに、会ったらほぼ無言…みたいな人は要注意です。そういう人ほどツイッターでブチギレたり、他のファンと喧嘩したりとかするんですよ」
丸山「全然キャラが違う人いるよね。直接会った時の対人スキルが低いのかな」
美川「対人スキルは低い人が多いですね。大体、対人スキルが高かったらアイドルなんて追っかけていないですよ」
真田「本当に応援したい気持ちが強い人は、SNSに書き込まないで、イベントの時に直接ダメ出ししてくれるよね。そういう人は、アイドルを恋愛対象として見ずに、自分の中で線引きができているんですよね。しかも、そういう“いいファン”はガチ恋のファンと対立しがち」

――本当に“ガチ恋”って存在しているんですか?
美川「好きなアイドルと“ヤレる”と本気で思っているガチ恋の人は多いですね。冨田さんを刺した犯人とかはその典型的な例で、『時計をあげたから、あの子を口説けた』くらい思っていた筈ですよ」
丸山「あ~、ガチ恋の人とかは全く理解できない…。最近、知り合いのアイドルの子もガチ恋オタに目を付けられているんだよね。一番よくわからないのが、私がその子と一緒に仕事をしたことがあるとかいう理由で、私が出ているイベントに態々来て、『どうやったら○○ちゃんと付き合えるだろう?』みたいな相談をしてくるんだよね。私、全く関係ないからね」
真田「迷惑な人だね」
丸山「その子とどうにもなれないと気付いたからか、最近は『僕は駄目だから、ファンの中の○○さんと結婚してくれたら安心』みたいなことを言い出して、更にそれを私にまで言ってくるから、意味不明なんだよね」
真田「『そんなことないよ、頑張りなよ』って言ってほしいってこと?」
丸山「もう、訳がわからないから、その子はシカトしているらしい(笑)。でも、あの事件があってからファンへの対応を改善しようと思いました。このまま塩対応していたら刺されるかも」

美川「いや、あっさり対応しているほうがガチ恋のヤバい人が離れていくから、最終的にはいいファンだけが残ると思いますよ! ガチ恋の人みたいに、一気に熱を上げて全部のイベントに来てお金を使うファンは“直ぐに離れる人”って思いながら接しています。10年以上アイドルしていればかわるんですけど、金銭的に無理なくアイドルを応援できて、尚且つガチ恋じゃない人が、ずっと応援していてくれているんですよね」
真田「ガチ恋は3年くらい経つと諦めるからね。『連絡先も知らないし、この子とはどうにもならない』と気付いて、他のアイドルに流れる! 結局は、更にお手軽な地下アイドルとかキャバ嬢にハマったりするんだよね」
美川「今って、昔と違ってアイドルとファンの関係が男と女になっているんですよね」
真田「ただ、ファンだけが悪い訳じゃなくて、ファンと付き合うアイドルがいる事実にも問題があるんだよね。中には、『ファンと付き合ったアイドルを解雇した』なんて事務所が公表したりするから、ガチ恋が余計に期待しちゃうんだよ」
丸山「アイドル側にも問題があるんだよね。プロ意識が低い子ほど、ガチ恋ファンに神対応して勘違いさせているかも」
美川「私は“ファンの人は自分のことが好き”という前提があるから、何でも言えるんですよ。危ないファンには『私はファンの人と絶対に付き合ったり結婚したりしないよ。そういう目的なら、もう来なくていいよ』ってハッキリ伝えて、排除しまくってきました。今いるヤバい奴は、接触イベントの時に婚姻届を胸ポケットに忍ばせてくる人くらい(笑)。『今日も渡せなかったけど、また持ってくるね』みたいな感じで、最後にチラ見せして帰っていくんです」
丸山「可愛い(笑)」

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――時計だったり婚姻届だったり、ドン引きしたプレゼントはありますか?
美川「手作りの官能小説を貰った時は、流石に引きました。ホチキスで留めた原稿用紙を手渡ししてきて、『一生懸命作ったので、よかったら読んで下さい…!』って、目も見ずに渡されたんですよ」
真田「手書きで…?」
美川「勿論、手書きです。私は当時17歳だったので、それを読もうとしたら、先輩に止められて、『これは官能小説だから読まないほうがいいよ』ってアドバイスしてくれたので、読まずに処分しました(笑)。地下アイドルの先輩とかはヤバい人を察知する能力が高いから、私が貰った官能小説もチェックしてくれたんですよね」
丸山「17歳の女の子に手作りの官能小説を渡したってこと? それヤバいね」
真田「そういえばこの前、あるアイドルの子が貰った差し入れの中に使用済みのTENGAが入っていて、ショックで1日中泣いたっていうツイートを見たよ…」
丸山「気持ち悪~い!」
美川「でも、そうやって反応したらしたで、犯人は喜んでいるでしょうね。『俺のことだ! 中を見たんだ、やったー!』みたいな。自分のことで1日中泣いてくれたなんて、最高の気分だったかもしれない」
丸山「そういう奴には無反応しか対処法が無いよね。どんどん勘違いしていく一方なんだよね」

美川「私が“モテないキャラ”を売りにしているのも悪いんですけど、それをメディアで知ったファンの人たちでも落とせると思っちゃうから、本気で来られたら『無理だよ』ってハッキリ言います」
丸山「モテないキャラを作っているだけなのに、そのまま受け取っちゃうんだ」
美川「そうなんです。『俺だったらいつでも結婚してあげるよ』みたいなこと言うんですけど、こっちにも選ぶ権利があるし、実際はそこそこモテるし(笑)。でも、清純派アイドルとかになると、モテないキャラをつけたりはしないけど、ファンの人にハッキリ言えなかったりするから、そういうアイドルのほうがやっぱり危ないんですよね。今回、事件の被害者になったシンガーソングライターの女の子には会ったことないけど、恐らく、ちゃんとしたファン対応をしていただけだったんじゃないかな」
丸山「一生懸命ファン対応とか歌手活動をした結果、あんなことになっちゃったのかもね」
真田「私もステージ上で結婚話を振られたら、『今は結婚願望も無いし、彼氏もいらない』って言うようにしている。お客さんが少なくて、もっと集客が欲しい子だと、『オタクの人と恋愛ってありですか?』っていう質問をファンにされたら、『男と女だから、無いとは言い切れないですよね』って答えちゃうの。お客さんの中には『若しかして、俺に向かって言っている?』って思う人もいるから、やっぱり気をつけたほうがいいですよね」

丸山「あと、今回の件で警察がどれだけ当てにならないかってこともよくわかった。フリーで活動しているから、あの状況でもイベントに出た冨田さんの気持ちがわかるんだよね。フリーは仕事を断ると、その後の仕事に響いたり、もうイベントに呼んでもらえなかったりするから、私が同じ状況でも行っていたと思う」
真田「1回の仕事が凄く大事だからね」
丸山「『あれだけちゃんと警察に相談していたにも関わらず、たった1人でもあのライブハウスに警察官を置くことはできなかったの?』っていう疑問はあるよね」
真田「アイドル好きな人って、普段の会社とかでは女の子から話しかけられるようなことは皆無なのに、アイドルの現場に行けば『○○さん、来てくれて有難う!』って話かけてもらえるし、ファンが少ない地下アイドルなら名前まで覚えてもらえるし、かなり嬉しいよね。自分の好みの女の子と楽しくお話ができるっていうのは、相当なメリットだと思う」
美川「確かに、10代の可愛い女の子が『来てくれて有難う~♡』なんて、どこに行っても言ってもらえないですよね!」
真田「しかも、コミュニケーション能力が低いと、普通の女の子に塩対応されちゃうじゃん。若し自分がそういう男の人で、彼女もいなくて、会社でも女の子に冷たくされているけど、土日にアイドルの現場に行ってキラキラした女の子に歓迎してもらえたら、『今日は来てよかった』って思う気がする」
丸山「アイドルはめっちゃ歓迎するからね(笑)」
美川「そういう“女の子と話す喜び”が純粋な第一段階なんですけど、次は『もっと仲良くなりたい』『近付きたい』っていう感情に変わっていくんですよね。私は元々、女の子のアイドルの追っかけをしていたんですけど、女同士でもそう感じるんだから、男の人だったらよりその気持ちは強いかもしれないですね」

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丸山「初見から『付き合いたい!』みたいなスタンスのファンはあまりいなくて、応援していく中で見返りを求めるようになる感じはあるね」
真田「好きなアイドルのライブがあったら、グッズを買って、Tシャツを着て、サイリウム振って応援すること自体が楽しいと思える人が少なくなってきてる気はするね。ファンとの距離が近くなった結果、アイドルに認識されることが楽しいと思う人の2種類に分かれちゃったよね。特に、後者はガチ恋になったり、面倒なファンになる確率が高いよね」
丸山「今って、何でもかんでも『お客さんの応援が仕事に繋がる』みたいな風潮がある。業者にお金が無いから、数字が見込めないと何もさせてくれないんだよね。ファンの投票で雑誌のグラビアが決まるような企画が山ほどあるから、ファンの存在がかなり大きいとは思う。たとえ人間的にヤバい人だったとしても、大切な1票を持っていることになると、アイドル側も無碍にはできないんだよね」
美川「自分の1票がアイドルにとって大切ということをファンの人も理解しているから、要求がどんどんエスカレートしていくんですよね。アイドルが変なファンを追い払えないのは勿論だし、良心的なファンの人は『1人でもファンが減ったら、この子が困るかもしれない』と思って、ヤバいファンでも受け入れちゃうところがあるんです」
丸山「コミュ障だったり、空気が読めない人ほど伸び伸びしちゃうのが、アイドルの現場なんだよね」
真田「今回の事件があったことで警備が厳しくなったり、現場の危機管理が強まったとしても、半年くらいしたらまた元通りになると思う。結局、根本的なところは改善されないから、また同じような事件が起こるんだろうな…」


キャプチャ  第14号掲載

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