【ホワイトハッカーなんでも相談室】(18) 問題になっている“GPS捜査”とはどんなものですか?

大阪府警が2013年に窃盗団と思われる数名の車やバイク等19台に、裁判所の検証令状を受けずにGPS端末を設置して追尾捜査をしたことが違法捜査になるのか、この審理が大法廷に回付されたそうです。GPS捜査は明確な取り決めが無く、各県警や地裁の判断によるところがありましたが、この審理の結果によって明確なルール化がなされそうです。犯人側が「プライバシーの侵害だ!」と言い出したことで、GPS捜査に違法性があるのかが争点となったのですが、GPSの設置やバッテリー交換の為に私有地に許可無く立ち入ったとすれば、たとえ捜査の為であっても住居侵入罪となります。これは、取り締まりの最中であってもパトカーが駐停車禁止場所に車を止めたら違反になるのと同様で、住民に通報されたパトカーがキップを切られた珍事も過去には実際にありました。証拠を掴む為に、これまで存在しなかった新しいテクノロジーを導入するのは、事件後に行う鑑識の世界ではよくあることです。しかし、捜査段階ではその捜査の必要性が問われるので、違法かどうかの判断がとても難しくなります。「GPS装置を仕掛けるのがプライバシー権の侵害であれば、刑事が尾行や張り込みをするのもプライバシー権の侵害だ」と言い出す輩がいるかもしれません。僕らが大好きな『ルパン三世』でも、“発信機”という名前の謎のテクノロジーで居場所がわかるような描写がよくありました。それが現実となって身近になった今、明確なルール化が必要です。例えば、捜査員ではなく、我々が勝手にGPS装置を仕掛けた場合はどうなるのでしょうか。自分の所有する車・バイク・自転車の盗難を防ぐ為にGPS装置を使うことは違法ではありませんし、子供や高齢者の安否確認の為に本人の許可の下でGPSを持たせることも違法にはなりません。しかし、浮気調査の為に他人の所有物に取り付けようと住居等に侵入すると住居侵入罪です。装置を改造すると電気通信事業法違反、許可無く他人の車から電源を取る工作をしたら器物損壊罪です。ただ、技術の進歩でGPS装置がより小さく、バッテリー持続時間も長くなっているおかげで、どのような状態で仕掛けられたのかがわかり難くなっていて、これらの罪に分類することも難しくなってきているのです。今年、埼玉県で45歳の会社員が、17歳の女子生徒の自転車のサドル裏にGPSを取り付けて行動を見張ったということで、ストーカー規制法違反容疑で逮捕された事件もありました。新しいテクノロジーだからこそ、早急なルール化が待たれています。


石川英治(いしかわ・ひではる) 『東日本インターネット事業協同組合』理事。1969年、埼玉県生まれ。『西武鉄道』退社後、弁護士秘書・外車販売・訪問販売等の職を経て起業。1998年までハッカーグループ『UGTOP』の主催者として活動。1998年に実業家として、日本初のインターネットセキュリティー専門会社『アルテミス』を起業。2000年から2011年まで携帯電話公式コンテンツを運営する『サイバーエデン』を起業。著書に『まるわかりカジノ読本』(廣済堂ベストムック)・『子どもたちが危ない!スマホの現実』(ロングセラーズ)等。


キャプチャ  2016年10月31日号掲載
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