【アメリカ大統領選2016・激戦の現場】(01) フロリダ州…キューバ系、共和離れ

来月8日投開票のアメリカ大統領選は、最終盤に入った。その結果を左右する“激戦州”や、民主党のヒラリー・クリントン氏(68)、共和党のドナルド・トランプ氏(70)の両候補が重視する重要州を訪ね、変化する情勢を探る。

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「祖父の時代は共和党支持者が多かったが、若い世代はヒラリーだよ」――。フロリダ州マイアミにあるフロリダ国際大学。学生の6割をヒスパニック(中南米)系が占めるキャンパスで、クリントン氏を応援する学生団体の代表を務めるアレックス・フロレスさん(21)は、そう語った。フロレスさんの祖父は、キューバで政治犯として収監された後、アメリカに渡った移民だ。こうした第1世代は伝統的に、カストロ政権に強硬姿勢を取る共和党を支持してきた。バラク・オバマ政権が実現したキューバとの国交回復にも、反発する声が多かった。だが、2世・3世に拘りは薄く、フロレスさんも「より開かれた国になったキューバにいつか行ってみたい」と目を輝かせる。選挙人29人を抱える大票田のフロリダ州は、人口の24%を占めるヒスパニック系が勝敗のカギを握る。その内の3割はキューバ系だ。トランプ氏のヒスパニック系移民への差別的な発言を機に、キューバ系の間でも共和党離れが起きている。フロレスさんの祖父もトランプ氏に嫌気が差し、今回初めて無党派として有権者登録をしたという。

クリントン陣営は、キューバ系の切り崩しを狙う。「一緒にやろう」。マイアミ市街地の事務所を訪れると、壁にはスペイン語の貼り紙。スタッフたちの会話もスペイン語だ。キューバ系に加え、経済危機を受けて急増しているアメリカ領プエルトリコからの移民の囲い込みにも力を入れる。「キューバとの国交回復を撤回する」。繋ぎ留めに懸命なトランプ氏は今月12日、自身のツイッターでこう強調した。ただ、共和党予備選で、同州選出でキューバ系のマルコ・ルビオ上院議員を破ったシコリが残り、トランプ氏と距離を置くキューバ系議員も少なくない。マイアミから約100km北にあるウェストパームビーチ。トランプ氏が今月13日に開いた集会では、ホールをぎっしり埋めた聴衆の殆どが白人だった。その内の1人で、弁護士業を引退したジョン・ライアンさん(69)は、「次の大統領は何人かの最高裁判事を選ぶことになり、今後30~40年の国の将来を決めてしまう」とトランプ氏支持の理由を語った。オバマ大統領の下、最高裁は同性婚容認判決等の新たな判断を示した。保守系の白人には、リベラルな政権が続くことへの危機感が強い。トランプ氏は白人、特に高齢者層からの支持で優位に立つ。温暖な気候から多くの退職者が移り住むフロリダは、高齢者の割合が全米一高く、有権者の4分の1を占めるとされる。別の参加者であるカール・コリーさん(62)は、「IS(イスラミックステート)等の過激主義が増長する中、女性の大統領では駄目。あいつらを更に増長させるだけだ」と話した。フロリダ大西洋大学のケビン・ワグナー准教授(政治学)は、「フロリダでは、候補者が誰であれ、政党で選ぶ傾向が特に強い」と指摘し、「トランプ氏は大卒未満の労働者層に強く、過去の共和党候補を凌ぐ得票もあり得る」と予想する。共和党では過去90年以上、フロリダで敗北して大統領になった候補はいない。フロリダの勝敗が全米の大勢を決めると言っても、過言ではない。 (水野哲也)


⦿読売新聞 2016年10月19日付掲載⦿
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