【小池流の行方】(02) 簡単には収まらない

20161026 12
「よく読んでおきます」――。先月29日夕、東京都庁。都知事の小池百合子(64)は、素っ気なく引き取った。目を通したのは、『豊洲市場』(東京都江東区)の建物の地下に盛り土をしなかった経緯の庁内検証。政策企画局長の長谷川明(57)を中心にした特別チームが纏めた。8日前、リオデジャネイロパラリンピックから帰国したばかりの小池に報告した時は、「これではよくわからない」と突き返されている。盛り土問題が発覚したのが同月10日の土曜日。週明け、小池は副知事の安藤立美(64)ら幹部の前で声を張り上げ、経緯の検証を命じた。「情報公開の観点で大きな瑕疵がある」。歴代担当者への聞き取りに膨大な資料の突き合わせ…。未明になっても、都庁の照明は煌々と点いたまま。ある幹部は、「毎日19時間は職場にいる」と呻いた。小池は同月28日の都議会で、「誰が、いつ、どこで何を決めたのか。原因を探求する義務がある」とぶち上げた。

ただ、翌29日の報告でも政策決定の責任者は特定できなかった。翌30日になっても特に指示は無く、記者会見で小池は報告内容を公表した。「流れの中・空気の中で進んでいった」と説明し、「ガバナンスの欠如」と都政改革を急ぐ構えを強調した。同月29日午後、小池は豊洲に関するもう1つの報告を受けている。地下水のモニタリング調査で、環境基準を上回るベンゼンと砒素を検出した。2年間かけて201地点を計9回調査する予定で、過去7回は全て環境基準を下回っていたが、8回目で初めて“クロ”となった。小池は、「モニタリング調査で安全性が確認できないと移転を決定できない」としてきた。調査は土壌汚染対策法の指針に基づいて行う。法律上の義務ではないが、都は「食の安全安心の為」と実施してきた。同じ調査をやり直せば2年かかる。『築地市場』(東京都中央区)の移転が大幅に遅れれば、選手村と都心を結ぶ環状2号線の開通が、2020年の東京オリンピックに間に合わない。同月29日の退庁時、普段は報道陣の呼びかけに応じる小池が、都庁のロビーを無言で通り過ぎた。「専門家の見地から判断頂く」。翌30日の記者会見では、小池は努めて冷静な言葉を並べ、調査のやり直しには言及しなかった。これを聞いた都議は漏らす。「モニタリング調査を錦の御旗に、移転を延期したのは小池。もう簡単には収まらない」 《敬称略》


⦿日本経済新聞 2016年10月6日付掲載⦿
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