“絶対に儲かる極秘情報”にカモがどんどん集まった――“ニセ八百長”で億を稼ぐ競馬必勝法詐欺の手口

20161027 02
黒のビジネスバッグにクールビズのスーツ、人当たりのいい営業マン姿の篠原翔さん(仮名・29)は、僅か1年で4億円の被害を出した“競馬必勝法詐欺”の実行犯である。一体、どんな詐欺なのか? 篠原さんは、営業トークのような軽快さで説明を始める。「どんな詐欺でも基本となるのは、“絶対に儲かる極秘情報”の設定です。ギャンブルの必勝法でいえば八百長です。競馬の場合、馬主にアラブの大富豪やヨーロッパの貴族や王族等、世界のスーパーセレブが名を連ねています。『彼らが八百長レースを行っている』というリアルな設定ができる分、競馬は都合がよかったんです」。カモを集める“撤き餌”は、従来のようなスポーツ紙の広告や携帯電話のスパムメールではなく、「インターネットサイトを使ったのも新しかった」という。先ず、2万円を払ったサイトの有料会員に、“勝ち馬券の2割をサイト運営会社の成功報酬”という条件で、お試しの八百長レースを教える。この時、「情報漏洩しないよう、レース直前に結果をインターネット上にアップロードする」と伝えておくが、当然、情報はアップしない。レース後に結果を見てアップして、サイト上でアップした時間の表示を操作して、レース直前にアップしたようにしておけばいいのだという。「レース後、こちらから電話をして『成功報酬を払って下さい』と言う訳ですが、勿論、お客さんと揉めることになります。ここで、『正規の会員さんは、事前に八百長レースの結果を教えているので、今回も数百万円勝っていますよ』と話す。そうして、『事前に八百長の結果を教える場合には、情報料30万円を先払いして下さい』と誘導するのです」。

言うまでもないが、指定したレースは外れる。「逆に、『馬主から、“情報が漏れているから八百長を中止する”という連絡が入った。貴方に教えた途端、漏れたのはどういうことか!』とガンガン客を責めるんですよ。その後、『貴方も損をしたでしょうから、次のレースで巻き返しませんか?』と優しく誘導する。次の八百長レースの情報を100万円→300万円→500万円と、額を吊り上げながら紹介する訳です」。この詐欺のキモとなるのが、客と揉めた時の対処法だ。「きちんとマニュアルがあった」と篠原さんが言うように、八百長が中断になった言い訳も各種パターンが揃っており、怒った客の対処方法も“宥め賺す”・“威圧する”・“泣き落とす”等、きめ細かくマニュアル化されていた。「何レース目かの段階になると、客の性格・個人情報や、どのくらい可処分所得があるのか、ある程度は把握しているんです。そして、カモから絞れるだけ絞り取るんです」。最大のカモからは、9回騙して4000万円毟り取ったというから恐れ入る。「1クール3ヵ月で一旦、会社もサイトもクローズしていました。それを4クール、約1年やったのかな。1クール当たり売り上げで言えば、億は超えていましたね」。篠原さんによれば、この競馬必勝法詐欺は、詐欺としてはそれほど儲かる手法ではないという。ダミー会社の登記や足の付かない口座、更に手間暇がかかる為、必然的にスタッフの数が増えるからだ。「実際、うちで言えば、現場のメンバーが最低でも5人、1クール当たり経費が1000万円以上かかっていました。僕は雇われスタッフというか営業マンみたいなもので、給料も歩合制になっていて、1クール平均すれば300万円、年収で1000万円ぐらいでした」。割は良くないが、それでも“逮捕リスクの低さ”が、この詐欺の魅力だという。「競馬の予想をして、その情報と引き換えにカネを貰う。要するに、競馬の予想紙と一緒なんです。有料の予想紙を買って、それで外れたからと詐欺で訴える人はいないでしょ? 客とも直には接触せず、追跡できないようにしていた。ローリスクの詐欺として開発された最新の手法だったんですよ」。今は詐欺から手を引いている篠原さんだが、最後にこうも言った。「でも、元手として500万円、あと仲間が2人いれば、自分が親になってまたやってもいいですね。リスクは少ないんですから」。 (取材・文/フリーライター 西本頑司)


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