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【儲かる農業2019】(12) 新センサーがトマトの常識を変える…元競り人が挑む生産革命

新進気鋭の農業ベンチャー2社が農産物の“美味しさ&品質の見える化”に挑んでいる。テクノロジーの進化は、従来信じられてきた農業業界の常識を覆すほどのインパクトがある。

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異色のキャリアを持つ農業ベンチャー社長が、テックの力で農業界に新風を吹き込もうとしている。農産物の卸売りや農業支援を手掛ける『Happy Quality(ハッピークオリティー)』(静岡県袋井市)の宮地誠社長は、青果市場に21年間を捧げた元競り人である。5年前に起業してからも、「私は農家ではなくて八百屋です」(宮地社長)という自己紹介が、すっかり定着している。実際には、農業生産法人の『サンファーム中山』を傘下に持つ、れっきとした農家でもある。「日本の農家には、消費者や市場のニーズを酌むマーケットインの発想がない。こうした農業業界の常識を覆し、高品質・高単価の稼げる農業を目指したい」と言う宮地社長。農家の枠に囚われない、壮大な将来ビジョンを掲げている。現在、夢の実現に一歩近付く為の一大プロジェクトが進行している。『産業技術総合研究所』と組んで、トマトの品質を正確に測定できる新センサーを開発中なのだ。一般的な糖度計では、糖と酸を明確に区別できない。その為、たとえトマトであろうがレモンであろうが、同じ数値が計測されてしまう。糖度計が示す“糖度の高さ”が、必ずしも人が味覚として感じる甘味とは一致していないということだ。小売りのバイヤーも消費者も、この糖度計の数字を拠り所にトマトを選別してきた。

この常識が一変する。新センサーを使えば、“美味しさ”を決める糖度や酸度、“機能性”を決めるリコピン等の成分を正確に測定できるからだ。ある農業ベンチャー社長は、「技術革新が遅れた農業業界では、正しい、品質が良い、安全だと消費者が信じてきたことが、実は間違っていたり、根拠に乏しかったりすることはよくある」と言い切る。農作物の売り手と買い手との間に、「情報の非対称性(=情報格差)が生じている」(同)ことも多い。寧ろ、その非対称性を解消するところにビジネスチャンスがある。ハッピークオリティーによるトマト評価の新基準もまた、情報の非対称性を解消するツールであると言える。瑞々しさ、甘味と酸味のバランス、加熱処理した時の美味しさ――。本当に顧客が望むトマトができたのかどうか、農家は正確な基準や情報を使って証明できるからだ。そうすれば、トマトは高値で売れる筈だ。そして、面白いのは次の展開だ。新センサーはトマトの品質を可視化するだけではなく、生育方法のデータ取得にも利用できる。将来的に、高品質なトマトを栽培するマニュアルを確立。「農家をフランチャイズ方式で組織化し、誰でも簡単に高単価トマトを作れる環境を整えたい」(宮地社長)とのこと。ハッピークオリティーは、評価基準と栽培方法を刷新し、トマトの生産革命を起こそうとしている。機器で測定したり、実際に味見したりしなくても、野菜や果物の味がわかる――。業界で“神アプリ”の異名を取る斬新なスマートフォンアプリがある。農業ベンチャーの『マクタアメニティ』(福島県伊達市)が開発した。スマホで撮影した農産物の画像をクラウドへ送れば、AIがデータベースに蓄積された過去データと照合し、味を判定する。僅か数秒程で解析結果が得られるという。あるトマトの有力産地では、店頭に並ぶ時に丁度赤く熟すよう、未熟な青いトマトを収穫している。だが、美味しそうに見えるのは外見だけということも少なくない。美味しさの見える化に成功した神アプリは、外見偏重の農産物流通に一石を投じることになりそうだ。


キャプチャ  2019年3月9日号掲載
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テーマ : 農政
ジャンル : 政治・経済

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