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【寝言は寝て言え!】(108) 雨に濡れた三里塚Tシャツ

3年連続で、6月23日に沖縄へ行ってきました。軍民合わせて20万人が亡くなった沖縄戦における組織的な戦闘が終了した日を『慰霊の日』として、沖縄で重要な一日になっています。この日は全国各地から多くの人が訪れますが、今年は生憎の雨模様で、慰霊碑へ向かう人の出足が鈍かった気がします。慰霊の形は様々です。しかし、「明らかに慰霊の為ではないだろ」とツッコミたくなる人が、今年も押し寄せていました。平和祈念公園内の慰霊碑を回ってから公園入り口付近に行くと、“沖縄に基地を押しつける安倍政権 沖縄慰霊の日に参加する資格なし”と横断幕を掲げつつ、拡声器を使って「安倍政権は帰れ!」等と意味のわからない主張を叫んでいました。付近には安倍晋三総理をアドルフ・ヒトラーに見立てたプラカードを掲げる人もいて、慰霊そっちのけで政治主張を展開しています。横断歩道を渡って反対側を見ると、“沖縄人民解放 天皇上陸阻止 青年実行委員会”と書かれた大きな赤い旗を持っている人がいました。近くには“三里塚”と書かれたTシャツを着ているお爺さんも見受けられます。宛ら偏った学生運動を忘れられない人々の同窓会のようになっています。慰霊の日に政治的なものを持ち込んでいるという点で、知事が率先していると言えるかもしれません。

翁長雄志前知事もそうでしたし、今回、就任後初めての慰霊の日に臨んだ玉城デニー知事も、平和宣言の中でアメリカ軍普天間飛行場の辺野古移設について言及しており、声援が飛んでいます。一方で、安倍総理の演説中には一部から野次が飛んでいました。ここ3年で一番多かったかもしれません。近くで聞いているとそれは酷いもので、僕の近くにいたおじさんは大声で何度も「帰れ!」と叫んでいました。思い詰めて呼んでいるというより、ニヤニヤしながら言っているので、「何だこの人…」という感じで、その様子を映像付きでツイートしたところ、動画は50万回以上再生され、1万を超えるリツイートがありました。反応を見ると、概ね「慰霊の日にそぐわない行動だ」と批判的に見る方が多いのですが、中には「誰も好きこのんで自分の国の総理大臣にヤジを飛ばしたい人はいないですよね。慰霊の日に声を上げざるを得なかった気持ちを察してあげてください」と、野次を擁護する声も見られます。しかし、それは言い訳としては苦しいです。「察してくれ」と言えば、極端な話、何でも正当化できてしまいます。悪い総理にはどこで何を言っても許されると思っているのか…。しかし、考えて頂きたいのは、それが慰霊の日だったとい うことです。時の総理大臣を罵倒したところで、沖縄戦に斃れた戦死者たちが報われるのか? 彼らは、慰霊の日を口実に政治主張をしたいだけではないでしょうか。年々政治的な傾向が強くなっていることを危惧します。主張は結構ですが、空気読め。


KAZUYA YouTuber。1988年、北海道生まれ。2012年、『YouTube』に『KAZUYA Channel』を開設。著書に『日本一わかりやすい保守の本』(青林堂)・『バカの国 国民がバカだと国家もバカになる』(アイバス出版)等。近著に『日本人が知っておくべき“日本国憲法”の話』(ベストセラーズ)。


キャプチャ  2019年7月11日号掲載
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