【アメリカ大統領選2016・激戦の現場】(06) バージニア州…若者の熱、民主追い風

20161102 06
バージニア州アーリントンの住宅街で今月15日、マギー・デービスさん(28)が戸別訪問で、民主党候補であるヒラリー・クリントン氏(69)への投票を呼びかけていた。好天に恵まれた週末で、留守宅も多かったが、「直接会って呼びかけるのが、票を確実にする最も効率的なやり方なの」と、2時間余りをかけて約60軒を回った。デービスさんは、“ミレニアル”と呼ばれる18~35歳の若者世代。幼い頃からインターネットや携帯電話に親しみ、友人らとの交流はソーシャルメディアが専ら。“デジタルネイティブ”とも呼ばれる。だがデービスさんは、選挙活動となれば伝統的な手法も受け入れ、政治意識も高い。大統領選の第2回テレビ討論会が行われた今月9日夜。デービスさんは、自宅から車で約15分のレストランに仲間約100人と集まり、討論を観戦。クリントン氏が「私たちは多様性を大事にする」等と訴えると、会場は拍手に包まれた。同州は2004年までは、1968年から共和党候補が10連勝した“レッドステート(赤い州)”だった。だが、2008年と2012年にはバラク・オバマ大統領が2連勝し、“スイングステート(揺れる州)”と呼ばれるようになった。

背景には、ミレニアル世代の政治参加の高まりがあると指摘される。同州の南西部は共和党の地盤。一方、ワシントンに近い都市部には各地から若者が集まり、20~34歳の人口比は、同州全体やアメリカ全体の約21%を大きく上回る27~33%だ。そして、「ローンを借りて大学を出たのに、卒業後には仕事が無かった」(デービスさん)と就職難に苦しむ世代は、社会保障政策を重視する民主党を支持する傾向にある。クリントン氏は民主党指名候補争いで、若者に寄り添う政策を掲げたバーニー・サンダース上院議員に猛追された経緯がある。その後、党内一本化が進んだこともあり、クリストファーニューポート大学による今月中旬の調査では、同州のミレニアル世代のクリントン氏支持は、共和党候補であるドナルド・トランプ氏(70)の倍以上という結果が出た。一方、同州バージニアビーチに住むスコット・プレスラーさん(28)は、「国の安全を守り、仕事を中国に奪われない為」とトランプ氏支持だ。多くの若者が民主党寄りという情勢は「共和党が働きかけを怠ってきたからだ」と、週2回、地域の大学に足を運び、支持を呼びかける。ただ、クリストファーニューポート大学のクィンテン・キッド教授(アメリカ政治学)は、共和党が掲げる人工妊娠中絶反対等、宗教色の濃い政策は「個人の権利を尊重する傾向がある若者に支持を広げ難い」と指摘する。独自の政策主張や選挙運動を進めるトランプ氏もやはり共和党の候補で、その影響を受けているようだ。ミレニアル世代は昨年、全米で7500万人を超え、戦後直ぐに生まれた“べビーブーマー世代”(52~70歳)を上回って、最も人口の多い世代となっている。キッド教授は、バージニアで鮮明となった政治の変化について、「今後、他州でも起きる可能性がある」と指摘している。 (三井誠) =おわり


⦿読売新聞 2016年10月29日付掲載⦿
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