【変見自在】 男もワクチン

妊娠した女性が感染すると、かなりの確率で『小頭症』の子供が生まれる『ジカ熱』。恐ろしい病の元が最初に見つかったのは、ウガンダ共和国ジカ地方の森だった。それがポリネシアに飛び火し、ブラジルに渡って、今はフロリダにまで入り込んできた。ポリネシアからは北にも上がってきて、シンガポールやマレー半島でも大流行している。ジカ熱は、ウイルスを持つ蚊に刺されて感染する。感染者が日本にきてヤブ蚊に血を吸われると、そのヤブ蚊が次の感染者を生む。その辺は『日本脳炎』や『デング熱』に似るが、ジカ熱はそれだけではない。デング熱は人には感染しないのに対し、ジカ熱は感染患者から人に感染する。パリの『国立保健医学研究所』が、その恐ろしい実態について報告している。46歳の男性は今年2月、ブラジルから帰国した。帰る前に微熱・発熱等ジカ感染の症状が出たが、帰国前には消えていた。パリに戻り、24歳の愛人と10日間で7回の性交渉を持った後、女性はジカ熱を発症した。2人は普通に性交したが、避妊の為にオーラルセックスで終えていた。国立保健医学研は、「女性はウイルスに感染した精液を口にしたことで感染した」と推定した。ただ、「性交の際に感染した可能性も捨て切れない」という。性交を介して人から人に移る症例は、ドイツやイタリア等でも確認されている。最早、蚊はいらない。HIVと同じ性感染症ウイルスに格上げされたようだ。その展開でまたぞろ注目されてきたのが、子宮頸癌ワクチンだ。子宮頸癌は、『ヒトパピローマウイルス(HPV)』を持つ感染者と長期間、性交渉を持つことで子宮頸部に発症する。日本では、女性の80%が羅患する。大方はHPVが体外に排出されるが、それでも年間1万人が癌を発症し、その3分の1が死ぬ。怖い病気だし、患者の低年齢化も進んでいる。

『世界保健機関(WHO)』の勧告もあり、日本では数年前から女子中高生を中心 に定期接種が始まった。接種率は70%近かった。そんないい話があれば、必ず因縁をつけるのが『朝日新聞』だ。厚生労働省が患者の要望に応えて、肺癌の特効薬『イレッサ』を早めに認可した時もそうだった。朝日は「強い副作用がある」と因縁をつけ、早過ぎた認可を責め、「薬害だ」と騒いで遺族を煽って、最高裁まで争わせた。結果は敗訴。重篤な肺癌で死ぬか、副作用覚悟で治る薬に縋るか。最高裁判所は、“こんなことで正義ヅラして騒ぐ馬鹿新聞”を批判していた。その馬鹿新聞が、今度は子宮頸癌ワクチンで騒いでいる。「投与で自己免疫が狂い、脳障害を起こす」と言うのだ。それで不調を覚える女性たちが心配になって、訴えを起こした。対して、「朝日の主張に根拠は無い」と言う学者もいる。「『私、歩けなくなった』と言う人がいる。『私も同じくらい繊細』と思う心理が働き、被害者の輪が広がった可能性も指摘される。“アルプスの少女ハイジ”に、歩けない少女・クララが出てくる。でも、思い込みが解けて歩き出す。あれと同じ。クララ症候群だ」と。しかし、厚労省は朝日に配慮して、接種の勧めを止めた。今は、接種率が殆どゼロまで落ち込んでいる。これにWHOが怒った。「大体、そんな症状は世界のどの国にも例が無い。ワクチンが原因という説は疑わしい」と、厚労省の対応を痛罵する。でも何故、WHOがここまで怒るのか。実はジカ熱同様、子宮頸癌は世界の男を戦々恐々とさせているのだ。何故なら、男性の口腔癌・咽頭癌が急増し、バイの人には肛門癌も増えてきた。組織検査の結果、多くのケースでHPVのDNAが検出された。だから、世界中が子宮頸癌ワクチンを普及させてきた。アメリカでは女性だけでなく、男性にもワクチン接種を始めている。ただ、朝日の愚かさはワクチンでも治りそうもない。


高山正之(たかやま・まさゆき) ジャーナリスト・コラムニスト・元産経新聞記者・元帝京大学教授。1942年、東京都生まれ。東京都立大学法経学部法学科卒業後、産経新聞社に入社。警視庁クラブ・羽田クラブ詰・夕刊フジ記者を経て、産経新聞社会部次長(デスク)。1985~1987年までテヘラン支局長。1992~1996年までロサンゼルス支局長。産経新聞社を定年退職後、2001~2007年3月まで帝京大学教授を務める。『高山正之が米国・支那・韓国・朝日を斬る 日本人をますます元気にする本』(テーミス)・『アジアの解放、本当は日本軍のお陰だった!』(ワック)等著書多数。


キャプチャ  2016年11月3日号掲載
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