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【水曜スペシャル】(54) 「寝たきり以外は解約させない」…現役郵便局員が暴露した『かんぽ生命』のヤバい営業

20190731 02
「民営化後の郵便局は、商品を血眼で売るゴリゴリの営業会社です。過剰なノルマに苛まれ、“数字が全て”の風潮の中でヤバい営業に走る人も少なからずいるのです」――。東京で働く郵便局員は、溜め息混じりに打ち明けた。『かんぽ生命』と保険を販売する『日本郵便』は今月10日、約9万3000件の保険販売について「不適切営業があった」と会見で謝罪。その直後から本誌には情報が相次いで寄せられた。香川県の60代男性が話す。「80代の母親は年金支給額は2ヵ月で23万円なのに、かんぽに月額10万円の保険を組まされていました。半年程前、デイサービスの利用料が引き落とせないと連絡があり、口座を調べてみて発覚しました」。どのように高齢者を喰いものにしてきたのか。「営業活動の殆どは、既契約の高齢者への保険の乗り換え勧誘でした」。こう明かすのは、新潟で保険を取り扱っていた日本郵便の元渉外部員。顧客に「緊急時に保険金の請求を本人以外ができるようにする“指定代理請求”の手続きが必要」等と些末な手続きを口実にアポをとり、営業していたという。「乗り換え時に旧契約を解約せず、6ヵ月間残す手法は常套手段。新契約直後に旧契約を解約されると、獲得金額のノルマへの反映が半減する。『直ぐには解約できない』と言い、新契約と旧契約の保険料を二重に支払わせるのです」(同)。

秋田の元渉外部員が言う。「保険契約が満期を迎えた高齢者がターゲット。200万円の保険金が手元に戻っていれば、それを元手に新契約を組ませます。“寝たきり以外は解約させるな”という感じ。高齢で保険に入れない場合でも、契約者を本人、被保険者を20代の孫とする契約を提案します」。「郵便局員の口車に乗せられてはいけません」と、東京の渉外部員は注意を促す。「『相続税対策になる』と言う人もいますが、真っ赤な嘘です。保険の受取人がご本人である限り、税金はかかります」。強引な営業の背景にあるのが、「東京の場合、1人あたり年間300万弱」(同)というノルマ。営業成績が振るわなければ、上司から圧力がかかることも。「部長から『お前なんていらない』『仕事する意味あるのか』と怒鳴られた。利率がよかったバブル期の幻想から脱せず、『俺の頃はもっと売れた』『根性を出せ』と公言していました」(前出の新潟の元渉外部員)。優秀な営業成績を収めると“優績者”として表彰されるが、問題もあるという。「歩合制なので1000万プレイヤーもいますが、1人の顧客に沢山の保険を契約させる等、問題がある場合も多い。でも、数字を出している人には何も言えない」(前出の東京の渉外部員)。郵便局の窓口で働いている局員も、かんぽの勧誘をさせられているという。「かんぽは1人当たり20万から30万のノルマがあり、窓口で対応をしながら、お客様に声かけします。更に、かもめ~る、お中元、お歳暮のノルマもあります。営業実績も常にランキング化され、悪いと圧力がかかります。人事評価を上げようと、自腹でお中元やお歳暮を購入する自爆営業を数十万単位でやっている人もいます」(東京の窓口部員)。かんぽに詳しい元郵政省郵務局長の早田利雄氏は、「既加入者重視と、老人層に偏り過ぎた結果が今回の事件。未加入者や青壮年の開拓に取り組まなければ、将来性はないでしょう」と話す。日本郵便は本誌に、「営業実績を重視するあまり、お客様本位の営業が実践できていませんでした」と反省の弁を述べた。体質改善が急務だ。


キャプチャ  2019年7月25日号掲載
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テーマ : 経済ニュース
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Author:George Clooney

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