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【2020年アメリカ大統領選始動】(03) 「どちらが勝っても…」

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「革命的な案だ」――。2020年アメリカ大統領選で、前回に続き民主党候補の指名を争うバーニー・サンダース(77、左画像)は先月24日、総額1兆6000億ドル(※約170兆円)の学生ローンを帳消しにする法案を公表した。アメリカ景気は史上最長の拡大期に入ったが、学費や医療費の高騰で格差も広がる。民主社会主義者を標榜するサンダースは、若者や低所得者の支持を集める。問題は財源だ。「MMT(※現代貨幣理論)は良い経済を生み出す」。先月28日、サンダースのブレーンであるニューヨーク州立大学教授のステファニー・ケルトン(49)は、メディアのインタビューで語った。MMTは“インフレにならなければ自国通貨建ての借金をいくら増やしても構わない”との説。若者の支持を集める女性下院議員のアレクサンドリア・オカシオ=コルテス(29)が「我々の議論の土台になる」と述べ、脚光を浴びた。

当局者や市場関係者は一斉に批判した。『連邦準備理事会(FRB)』議長のジェローム・パウエル(66)は「全くの誤りだ」と強調した。『欧州中央銀行(ECB)』次期総裁に指名されたクリスティーヌ・ラガルド(63)は「極めて限られた状況でないと機能しない」と距離を置く。財政赤字を放置すれば、何れ高いインフレや金利急上昇、通貨の暴落を招くリスクがあるからだ。世界最大の運用会社『ブラックロック』CEOのラリー・フィンク(66)は「屑だ」と切り捨てた。識者がこぞって反発するのはわけがある。トランプに対抗してポピュリズム競争が強まるほど、民主候補は見栄えのいい政策で国民の関心を惹く戦略に出る。たとえ理屈に穴があったとしても、国民の支持を集めれば政策となる。先月17日、貧困の解消を訴える『プアピープルズキャンペーン』。前副大統領のジョー・バイデン(76)は「搾取は嘗てなく極端になっている」と強調した。エリザベス・ウォーレン(70)は「富裕層以外に尽くす政府を望む」と呼びかけた。民主候補は各論に差はあっても、「大きな政府で格差を縮める」との主張は共通する。それには巨額の財源が必要だ。トランプは財政出動を強め、FRBへ利下げを要求する。一方、民主党が勝っても財政出動と金融緩和は加速しかねない。「共和・民主のどちらが勝っても、財政と金融政策の規律が乱れかねない」と、ある中銀首脳は警戒する。 《敬称略》


キャプチャ  2019年7月19日付掲載
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