【もんじゅ・見果てぬ夢】(04) フランスは大丈夫か

20161107 01
「核燃料サイクルの為に高速炉開発は必要だ」。政府が非公開で今月7日に開いた『高速炉開発会議』で、経済産業大臣の世耕弘成(53)は力説した。『三菱重工業』社長の宮永俊一(68)、『電気事業連合会』会長の勝野哲(62)らと、もんじゅの後継を話し合った。念頭にあったのは、日仏が共同研究する実証炉『ASTRID(アストリッド)』だ。「日本がもんじゅを廃炉にし、ASTRIDに関心を寄せている」――。一報を聞いたフランスの原子力代替エネルギー庁(CEA)担当者は、情報収集に追われた。三菱重工等の技術者と日頃から接する原子力開発局長のフランソワ・ゴーシェ(41)は、「フランスは必ずしも、(もんじゅのように発電しながら燃料を生む)高速増殖炉を求めていない」と日本側との温度差を感じた。フランスは第2次世界大戦後、1970年代まで“栄光の30年”と呼ぶ経済成長期が続いた。

当時、「冷戦の影響で、核燃料となるウランが不足する」との懸念から高速増殖炉の研究を始めたが、今は核のゴミを減らす新たな高速炉の研究開発に関心が移る。ASTRIDが代表例で、もんじゅとは方向性が異なる。ASTRID計画マネジャーのジャンマリ・カレール(56)は、「2019年まで10億ユーロ(約1100億円)かけて事前研究をし、建設を判断する」と計画を練る。「国際協調が前提だ」と日本に秋波を送るが、開発に携わるフランスの原子力大手『アレバ』は経営再建中。日本側には、「資金を要求されるだけではないか」との懸念も残る。官房長官の菅義偉(67)も「本当に大丈夫か」と、経産省に詰めるよう指示した。パリから南に約600km離れた原子力施設が集まる『CEAマルクールセンター』。2009年に運転を終えた高速増殖炉原型炉の『フェニックス』は、今年から解体が始まった。運用部長のフランソワ・プラット(55)は、「2025年までに核燃料を取り出した後、(冷却用の)ナトリウムを処理する」等と話す。40年近く夢を追った施設では、30年に亘って難しい廃炉作業が続く。原型炉を発展した実証炉『スーパーフェニックス』も、ナトリウム漏れ事故等が相次ぎ、1998年に廃炉を決めた。高速炉の開発はフランスでも苦戦が続き、イギリスやドイツは撤退した。もんじゅ廃炉の決断の先にも、日本の原子力政策には険しい道が待ち受けている。 《敬称略》 =おわり

               ◇

浅沼直樹・竹内康雄・新井重徳・江渕智弘・辻隆史・川口健史・吉田啓悟が担当しました。


⦿日本経済新聞 2016年10月22日付掲載⦿
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