ぶっちゃけ“ガッキーダンス”しか見所無し! クソ過ぎる2016年秋ドラマをメッタ斬り!

『君の名は。』(東宝)のメガヒットで少しだけ見えた日本のコンテンツメーカーの明るい未来。だが、ドラマ部門は相変わらずの暗黒時代だ。「ジャニーズのホープを起用するだけじゃ当たらない」って、もう結論出てましたよね、フジテレビさん。この秋も、“テレビの天敵”今井舞の毒舌が炸裂するぞ!

20161107 10
凋落が囁かれて久しいフジテレビ。何をやっても「これだからフジは…」と叩かれ、笑われ、蔑まれ。最近では、“フジテレビ=ダメ”というのがすっかり国民的コンセンサスになってしまっている。フジを悪く言うと、逆にもう何だか“弱い者苛め”みたい。イジメ、カッコ悪い。でも仕方ない。これは仕事だ。という訳で、今期の月9『カインとアべル』(フジテレビ系・月曜21時)。旧約聖書に登場する兄弟をモチーフに、父に愛されず、兄と対立していく弟の苦悩を描く。舞台は、日本を代表する大手デべロッパーの創業家。社長である父からの期待を一身に集める副社長の長男(桐谷健太)と、誰からも期待されない平社員の次男(山田涼介)。軈て、会社や女性を巡り、兄弟の間に確執が…という『エデンの東』的な話にする予定のようなのだが。先ず、舞台となる大手デべロッパーの仕事の描かれ方にツッコみたい。新アウトレット招致の大プロジェクトとして、社を挙げて最優先で取り組む仕事が、“有名レストランとのテナント仮契約”なのである。店に通い詰めて頭を下げ、徹夜で段ボールでジオラマを作って説得したら、「アウトレット、我が社に決まりました!」「やったー!」っておい! 大手デべロッパーのリアルが1ミリも織り込まれないまま、御曹司同士の確執云々って言われても…。『ロッテ』のお家騒動のほうがよっぽどカタルシスだよ。スカスカのストーリーを淡々と演じる脇役陣の横顔には、「ハズレ作品引いちゃったなぁ…」という諦観がありありと。名実共に、芸能界の“月9離れ”は進みそうだ。「だったらその枠、YOUが貰っちゃいなYO!」と、高齢化する茶髪のお稚児さんたちの押し込み先に、これ幸いと利用する『ジャニーズ事務所』。ジャニーズとフジテレビ、今までのビジネスモデルが崩壊しつつある両者の暗黙の提携は、この先も続くだろう。傍目には心中にしか見えないけどね。

フジらしさが悪目立ちしているもう1本が、『chef~三ツ星の給食~』(フジテレビ系・木曜22時)。フレンチの三ツ星シェフ(天海祐希)が、勤めていたレストランを追われ、小学校の給食室で腕を振るうことに…というストーリーなのだが。天海をクビにする為だけに自らのレストランで嘘の食中毒騒動を起こすオーナー、「ここが貴女の新しい職場です」といきなりテレビの企画で連れて来られた天海が当日から調理師として勤務、「1人当たり3000円かな」と勝手に食材を変更、初日に子供から「不味い」と総スカンを食らった理由が全く提示されない、etc. etc.…。「“学校給食”というものが抱える問題を、門外漢の天海が提起し、解決する!」という青写真はわかるのだが、エピソードがあまりにもご都合主義で、期待値の爽快感は全く伴わず。いつもの男気溢れる天海の演技もガサツっぽくて、繊細なフレンチのシェフに見えないし。天海に密着したテレビ番組が“瞬間視聴率20%越え”って設定が、何より一番あり得ない。そんな数字、いつ以来だよ。憧れの“タワマン”と呼ばれる豊洲の高層マンションに越してきた主婦が、女同士の恐ろしい虚栄の闇に囚われる『砂の塔』(TBSテレビ系・金曜22時)。フロアの高低で決まるヒエラルキー、高額ランチの洗礼、イべント幹事の強制。純朴そうな主人公の菅野美穂が、子供を持つ身故に、タワマンの掟の呪縛から逃れられなくなる…という設定はわかるのだが、描かれるエピソードが既に知られている話ばかりで、単なる“タワマンあるある”の羅列にしかなっていない。しかも、会って数分でいきなり「“上層階”って自慢気に言うの、どうなんですか?」ってなぁ…。そういう直接話法を取らずに悪意をやり取りするのが、女同士の確執なのに。この窒息を描きつつ、平行して、子供の連続失踪事件というサスペンス要素も盛り込まれる。マンション全室のモニターをハッキングし、女たちの日々を監視する謎の女(松嶋菜々子)が、事件との関わりを臭わせる。そこに更に、胸キュン要員として、主人公に想いを寄せる若い男役に、ガンちゃんこと岩田剛典が配置。念には念を入れ、菅野美穂の高校生の息子という若い駒もスタンバイ。内角・外角、どこにボールが来ても対応できる構えだ。広く浅くやるには、要素盛り込み過ぎくらいで丁度いいってことなんだろう。それにしてもガンちゃん、飛ぶ鳥を落とす勢いの人気者だ。『三代目J soul brothers』のメンバーでもある。踊る姿しか見たことなかったせいもあるんだろうが、スポットライト無しで普段着で佇む剥き身のガンちゃんは、非ファンの目には、何かこう、線の細い照英にしか見えなかった。演技も照英的拙さ全開。看板扱いで、これから出番激増らしいが…大丈夫か。あと、このドラマ終了まで、豊洲の土地の価格は持つのか。色んな意味で見逃せない注目作である。

20161107 11
ファッション誌の編集者になりたくて出版社に入社したのに、配属された部署は校閲だったという主人公(石原さとみ)の活躍を描くラブコメディー『地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子』(日本テレビ系・水曜22時)。このタイトルを見ただけで、もうヤンヤ言う気は失せる訳だが…。書かれた原稿の間違いを机上で指摘するのが校閲の仕事なのに、原稿の書き手に呼ばれて会いに行ったり、正誤の確認をしに現地まで出かけたり。校閲の現実をあまりにも逸脱した石原の行動に、出版業界の反発は地味にスゴかった。でもまぁ、警察ドラマや医療ドラマだって、現場の人間から見たらツッコミどころ満載だろうし。なまじ描かれたことの無い仕事場を舞台に謳ったせいで、“仕事もの”とカテゴライズされてしまった訳だが…。まぁ、これはカワイイ石原さとみと、クールな菅田将暉が、ドキドキイチャイチャする様を見せる為の作品であって、別に石原の職業は、植木職人だろうがアメリカ大統領特使だろうが何でもいいのだ。『シン・ゴジラ』(東宝)以降、我々は取材を尽くしたリアルをついドラマにも求めてしまうが、『地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子』には無理だ。諦めよう。逆に、中々リアルに若い男女の心理が紡がれていたのが、『逃げるは恥だが役に立つ』(TBSテレビ系・火曜22時)。大学院卒でも無職の主人公(新垣結衣)と、彼女いない歴35年の理系会社員(星野源)が、お互いの利害が一致したことで、雇い主と家政婦という形の“契約結婚”をするというストーリー。ドラマに登場する“今時の若者”というのは、兎角偏って描かれがちである。だが、この作品の新垣と星野は、合理的な考え方や、周囲の人間との距離の間合いこそ今風で独特だが、しっかりと血肉の通った人間として描かれている。形だけの結婚を通して、今までとは異なる物の見方を学んだり、自分の欠点を知って恥じたり…。同居してから始まる恋という見たことの無いアプローチで描かれる、未経験の感情に悶絶する2人の姿は、恋に不器用な人にはたまらない作り。新垣と星野、両者のファンにとっても当たり役が嬉しいだろう。親友のような伯母(石田ゆり子)の“プロ独身”っぷり、お見通し名人の古田新太等、脇も手抜き無く楽しませてくれる。この秋一番の拾いものだ。

逆に、1時間付き合うのが辛い、秋風沁みるドラマが『レンタル救世主』(日本テレビ系・日曜22時半)。ひょんなことから1億円の借金を背負い、会社もクビになったお人好しの主人公(沢村一樹)が、借金返済の為に“レンタル救世主”となって活躍…という話なのだが。うーん。先ず、この“レンタル救世主”のシステムが曖昧模糊で、話に入っていけない。依頼者が「助けて!」と腹の底から叫ぶほどの危機が生じて、初めて契約成立となる為、主人公の近くで、特に説得力のある理由も無いまま、誘拐監禁事件が頻発という理不尽なストーリー運び。いつも肝心なところで悪人に捕まり、全く役に立たない沢村が、レンタル救世主となる代わりに、1億円もの借金を肩代わりしてもらえるという点にもピンと来ないし。依頼者だった志田未来が救世主仲間に加わってから、緊迫の事件現場で志田が得意のラップを一節がなると、犯人が改心し大団円…という筋運びも理解不能。一体、主人公は誰なんだ? 「前途多難、でも全部我慢。止まらない、この性格と迷惑。迷ってる内に皆がドン引き、人生方向音痴。私たちレンタル救世主が、貴方の考えを訂正する。『よく聞きなさい』と言っておく。このラップで、貴方のことを本気で説得!」…。“日本語のラップ”が苦手な人間にとって、毎回出てくるこのラップシーンは、正視ができないレベルの苦行である。それは私だ、助けて! 扨て、大トリは『IQ246~華麗なる事件簿~』(TBSテレビ系・日曜21時)。名家の89代目当主で、IQが246もあるという、あり得ない数字で過剰に盛られた設定。お屋敷で優雅に暇を潰す生活なのに、真っ黒に日焼けしたシワシワな顔。自分より若く端正な貴族顔の執事(ディーン・フジオカ)から“若”と呼ばれる皮肉。物真似されるのは許さないのに、自分は平気で『相棒』(テレビ朝日系)の杉下右京の口調をパクるメンタリティー…。いやぁ、久々に見た織田裕二であるが、今までのどの織田裕二よりも織田裕二っぷりが輝いている。勿論、悪い意味で。これ、制作側はもう若干悪食でやっているんじゃないの? 推理ものとしての完成度の低さも、奇天烈演技で誤魔化せるし。「本人、結構ノリノリだから、もうちょいスパークさせちゃおうぜ!」って。大仰な被り物演技は“存在感”、笑われている状況は“話題沸騰”ってな表現に置き換えて、チヤホヤ乗っけて陰でクスクス。ここまでしないと“主演”のお鉢が回ってこない“過去の大物”の厳しい現実が、図らずも明るみに出た形に。こうなると、来年のキムタク作品がちょっと楽しみだ。ドラマというより、“R-1ぐらんぷり”としてね。


キャプチャ  2016年11月3日号掲載

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