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【Test drive impression】(127) 最強N-BOXを自腹で買って1年間乗ってみた!

8月6日に『日本自動車販売協会連合会』と『全国軽自動車協会連合会』が発表した今年7月の車種別新車販売台数によると、『N-BOX』がぶっちぎりのトップ! というわけで、1年前にN-BOXを購入した自動車評論家の小沢コージが人気の秘密を語る!



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「暫く、このクルマ以外いらんな」――。自腹で買った途端、そう思い、1年後の今もその気持ちが続いている。そう、今も想定外の猛威で売れ続けている軽スーパーハイトワゴンにして、小沢の愛車である『ホンダ』のN-BOXのことだ! 兎に角、その売れっぷりは異様なレベルだ。N-BOXは初代が2011年に登場。翌2012年、軽カテゴリーで年間販売2位となり、その後は軽年販でほぼ1位! それだけじゃない。より凄いのは、2017年9月に早めのフルモデルチェンジを敢行し、登場した2代目N-BOXだ。基本コンセプトは変わらず正常進化しただけなのに、2017~2018年は登録車まで含む全乗用車カテゴリーで2年連続販売1位に輝いた。つまり、『トヨタ自動車』の『プリウス』や『日産自動車』の『ノート』まで超えた。しかも、今年上半期も売れ行きびんびん。シリーズ過去最高となる13万台超を売り、ぶっちぎりの1位だ。序でに、直近7月も2位に約1万台差をつけて月販1位! おかげで、2代目が登場してから23ヵ月連続で1位を記録し、おまけに累計200万台突破も79ヵ月で達成し、ホンダ車最速である! しかも、N-BOXの真の凄さは、ウサイン・ボルトもびっくりの後半の伸びにある! 普通、クルマは“新車効果”といって、発売直後6ヵ月はよく売れる。しかし、どんな人気車でも1年経てばその効果は薄れてしまう。ところが、N-BOXは違う。新車直後も売れるが、そこからまた伸びるのだ。実際、半期で最も売れたのは2年後の今年なのだから驚く。そのカラクリについて、ホンダの担当エンジニアは「お客様に聞くと口コミなんです。『近所の人が乗っていた』みたいな理由で買って頂けている」と語っている。

だが、元々小沢は新型を買うつもりはなかった。初代も扱い易いし、安けりゃそっちでいい。そう思って中古価格を調べてみたら、軒並み100万円超え! 人気のクルマは中古も高い。だったら新型で一番安いヤツでいい。世代が新しい分、下取りも絶対いい筈だし、先進安全の『Honda SENSING』も標準だしとディーラーに向かった。そして昨年7月末に発注、2ヵ月待って納車されたのが、車両本体価格138万5640円+諸経費で約160万円の『N-BOX G Honda SENSING プラチナホワイト』だ。人気車故、値引きは数万円で、家族に楽させてもしょうがないと、片側電動スライドドアすらないグレードに。但し、安全性能は落とせないとオプションでサイドエアバッグのみ付けた。しかし、ここは今猛省中で、左側スライドドアはちゃんと閉めないと半ドアになり易く、電動のがいいし、セット装備の助手席USB電源もないと不便だ。シガーライターから取ると足元からケーブルが絡まって、非常に邪魔臭い。ほぼ10万円高だが、『Honda SENSING G・L』にすればよかった。因みに、ナンバーは東京2020オリパラ記念の白プレートにした。発注時にディーラーに頼むのもいいが、お値段は2万~3万円。しかし、納車後に自分で交換手続きをすれば、東京なら実費僅か7000円。発注から数週間かかったが、全く以て簡単だった! そんなN-BOX、1年間乗ったら人気の秘密がじわじわ伝わってきた。断言できるのは、途に買う、麻薬的に楽なクルマなのだ。走りがいいとか、スタイルがいいみたいなクルマ好きする話じゃない。日常的に実感するどうでもいい部分が、目が覚めるほど楽。謂わば、ビジネススーツからジャージに着替えて、生活どころか仕事場まで行けちゃう。『ユニクロ』のフリースを初めて着たことを思い出した。そんな感じだ。基本的なことだが、N-BOXは前列がベンチシートでリアはスライドドア。おかげで、運転席から助手席に移って左ドアから降りるのも楽だし、壁際の駐車場も乗り降りし易い。特に我が家は、右壁ぎりぎりに止めないと降りられないウナギの寝床のような駐車場なので、本当に楽だ。今まで腰を曲げて運転席から助手席に移動していた自分を考えると、一体何だったんだって思うほど。

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座面も微妙に高めで、身長176㎝の小沢からすると乗り降りし易い。ここは、女子供を優先したライバルの『タント』との微妙な違いでもある。同時に、シート自体も軽の割に座り心地がよろしく、その手が充実してない兄弟車の『N-VAN』にしなくてよかったとつくづく実感中。更に当たり前な話、全幅1.48mボディーも本当に楽。最近、軽を日常的に使っていなかった小沢だが、「ボディーが小さいとここまで気楽なのか!」と愕然とする。若しや、これは自分が高齢おっさん化したせいもかもしれないが。N-BOXの優位点は、乗っていて軽コンプレックスを殆ど抱かせないことだ。見た目的にホンダマークがでかく、わかり易くホンダブランドを主張するだけでなく、N-BOXはウェストラインを高くすることでグラスエリアを小さくし、バスっぽく見えない工夫がされている。ライバルはどれも真四角な作業車デザインではあるが、微妙にN-BOXは乗用車っぽいのだ。乗っている人には、こういうところが重要である。一方、内装のクオリティーは明らかに高い。勿論、高級車みたいなソフトパッドや本革シート等は一切使っていないが、樹脂クオリティーが高く、尚且つデザインがいい! ここは、新型になった『ダイハツ』の『タント』や『スズキ』の『スペーシア』との大きな違いで、特にタントと比べてプラスチックのぺきぺき感がない。ドア内張りの湾曲も、登録車の『フィット』や『ヴェゼル』あたりの技術がぶっ込まれており、明らかに乗用車感覚だ。実際、助手席に人を乗せると口を揃えて言うのが、「最近の軽ってこんなに広いの!?」と「普通のクルマと変わらない」。

でも、違うのだ。N-BOXは、軽スーパーハイトワゴン特有の室内の高さがあればこそ軽でも狭く感じないのと、外観及びインテリアクオリティーが高いから、白ナンバーのフィットやトヨタの『アクア』あたりに負けない感じが出せるのだ。これこそがN-BOXの真の凄さで、バカ売れの最大の秘密は軽以外の客、つまり登録車からの乗り換え客を見事に奪っているってわけ。軽マーケットだけの狭い勝負をしていないのだ! 今時のダウンサイジングブームの裏には、ドライバーの高齢化と、「軽で十分!」と思う人が増えていることが挙げられる。しかし、トヨタからスズキ、ダイハツへの移行は中々踏み切れないという。やはり、ブランド的に都落ちのイメージがあるし、確かに軽ならでの微妙な安っぽさを感じる。ところが、N-BOXは違う。実際に乗ってみると、手で触れる部分、つまりパーシブドクオリティーが登録車並みに高い。走りの性能にも言えることで、N-BOXは初代でも全然悪くなかった乗り心地や静粛性を2代目で更に高くした上に、エンジン性能を上げている。小沢が買ったベーシックグレードのノンターボ車の性能も凄い。普通、初代から2代目へのフルモデルチェンジで、ボディーは変えても、エンジンには手を入れないもの。だがN-BOXは、この2代目にフルチェンジするタイミングでエンジンを完全新作にし、新しいボアストローク比と可変バルブタイミングのi-VTECをぶっ込んだ。その結果、ノンターボ軽では破格の58㎰の高出力と65Nmの高トルクを獲得! 2代目N-BOXは余程のスピード狂でもない限り、ノンターボでも十分だ。下手なリッターカーのエンジン以上にギンギンだからだ。アクセルベタ踏みじゃないと流れに乗れないってことは全然ないし、それは3名乗車+スキー荷物を満載した状態でも変わらなかった。更に驚きは実燃費。遠出時こそ多少落ちたが、春から夏にかけ、エアコン入れっ放しで2800㎞走って平均実燃費18.0㎞/ℓ。マジでハイブリッドいらずよ! 無論、タイヤサイズから来るハンドリングの甘さや、ブレーキの剛性感不足は多少ある。しかし、全般的には街中から高速道路まで目から鱗が落ちるほど楽で、Honda SENSINGの追従オートクルーズやレーンキープアシストがリアルに高速で使えるのもいい。まさに“走るジャージ”。スーツのような堅苦しさは全く無く、それでいて走り、質感、安全、使い勝手は登録車に劣るどころか一部超えているという規格外の軽。こりゃ売れるわな~って感じよ。


キャプチャ  2019年9月9日号掲載




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