FC2ブログ

【由美ママの「一言よろしいですか?」】(02) 会話は“心の向き”にある

世の中には、“銀座のクラブのママはコミュニケーション上手”というイメージがあるようです。私たちの仕事は、お酒とお話でお客様に楽しい時間を提供すること。ですから、確かにコミュニケーション能力は、何よりも大事なビジネススキルです。私自身は、皆さんが想像するような話し上手とは思っていません。勿論、お客様からどんな話題を振られてもお相手できるように、日々の勉強や情報収集は欠かしません。元々、流れるように巧みな話術があるわけでもなければ、爆笑を取れるような面白い話を次々に繰り出せるようなタイプでもないんです。そんな私ですが、ただ一つだけ、お客様との会話、いえ、お客様に限らず、誰かと会話をする時、常に意識していることがあります。それは“心の向き”です。何故なら、コミュニケーションの本質はそこにあると考えているからです。自分が言いたいことばかり話す、自分の気分や感情のままに話す、自分が満足したいから話す――。こうした“心が自分自身に向いている”話は、たとえ内容がどれだけ面白くても、音声として耳に届いていても、相手の心にまでは中々響かないかと思います。では、心が相手に向いている話ならどうでしょう? 相手を楽しませたいから、相手を元気付けたいから、周囲の空気を和ませたいから――。相手や周囲のことを慮っての話は、たとえ拙い表現であっても、聞く人の心の奥深くにまで届くでしょう。会話は、言葉を介した心のコミュニケーションだということです。ですから、話す時は心を相手に向けて、相手のことを考えて、相手の心に思いを巡らせて話す。コミュニケーションの本質は話術ではありません。何よりも大切なのは、相手の心中を察する想像力であり、思いやりなのです。

昨今、政治家の軽率な失言による炎上騒動が後を絶ちません。これまでに何人の大臣や議員が不用意な発言によって謝罪し、非難され、時には辞任や更迭に追い込まれたことか。この言葉を相手はどう思うか。自分では上手いことを言ったつもりでも、聞いた人はどう感じるのだろうか。目の前の聴衆にはウケても、どこかに傷付いたり憤ったりする人がいるのではないか。そして、政治家である自分の発言が、世の中にどれだけの影響を及ぼすのか――。こうしたニュースを耳にする度に、政治家の先生方の想像力の欠如にがっかりさせられ、残念でなりません。一体、心をどちらに向けているのでしょうかと。自民党は『失言防止マニュアル』を作成して、議員の方々に配布したといいます。でも、必要なものはマニュアルよりも想像力だろうと思います。マニュアルなどなくても、ごく当たり前の想像力を働かせるだけで、大概の不用意な失言は防止できるのではないでしょうか。「政治家は“言って良い事、悪い事”・“言って良い時、悪い時”・“言って良い人、悪い人”に普段から気を配らなければならない」と言ったのは、田中角栄元首相です。政治家たるもの、相手や周囲への配慮、気遣いなしに不用意な発言をすべからず――。これは政治家に限ったことではありません。誰もが心しなければいけない教えなのだと思います。人間は完璧ではありません。言葉で失敗したことがない人は先ずいないでしょう。程度の差こそあれ、意図せずに失言をしてしまうことは誰にでもあります。私もこれまでに何度も苦い経験があります。だからこそ尚更に、相手のことを、周囲のことを、その場にいない誰かのことを思いやる気持ちが大切なのだと強く感じています。言葉で誰かを傷付けない為に、言葉で大切なものを失わない為に、“言葉の先を想像する力”を持ちたいものです。


伊藤由美(いとう・ゆみ) 銀座『クラブ由美』オーナーママ。東京都生まれの愛知県名古屋市育ち。18歳で単身上京し、23歳でオーナーママとしてクラブ由美を開店。以来、“銀座の超一流クラブ”として、政治家や財界人等名だたるVIPたちからの絶大な支持を得て現在に至る。本業の傍ら、公益社団法人『動物環境・福祉協会Eva』の理事として動物愛護活動を続ける。著書に『スイスイ出世する人、デキるのに不遇な人』・『できる大人は、男も女も断り上手』・『銀座のママが教えてくれる“会話上手”になれる本』(ワニブックスPLUS新書)等。


キャプチャ  2019年8月号掲載
スポンサーサイト



テーマ : モテる男の要素とは?
ジャンル : 恋愛

轮廓

George Clooney

Author:George Clooney

最新文章
档案
分类
计数器
排名

FC2Blog Ranking

产品搜索
广告
搜索
RSS链接
链接