【世界一タメになるあの業界のぶっちゃけ話】(07) 日本のインターネットプロバイダは進化を忘れ国際的に孤立している!

現在、世界各国の主要インターネットプロバイダは、顧客のメールサーバに対して、迷惑メールやランサムウェアに対処できる機能を一般的に備えている。1日に送信できる電子メールの通数に制限を設けることにより、迷惑メールの送信行為を抑止することにも繋がっている。しかし、日本のプロバイダは、このような対処がなされていないことが多い。その為、迷惑メールは届き放題で、ランサムウェアも受信されてしまう。このことを海外のビジネスパートナーへ話すと、「ビジネスチャンスがあるんだね」と回答されることが多いが、実際はそうではない。この問題は、日本人ならではの保守的な側面による事情によるものなのだ。一例を挙げると、「重要なメールが誤って迷惑メールに振り分けられたらクレームになるので止めておこう」「ランサムウェアについては、『顧客がセキュリティーソフトを利用していないから悪い』ということにしておこう。オプション提供にすればマネタイズできる」等といったところだ。これは顧客第一主義ではなく、只の企業側の保身によるものだ。国際的には「業務を遂行していない」と見做されて、顧客が離脱していくのだが、日本の場合は「大手だから安心」という理解し難い理由で迷惑メールに悩まされ続け、結果的にランサムウェアに大切な思い出や書類を奪われてしまう。メールのみならず、フィッシング対策やウイルスを配布しているウェブサイトへの接続制限についても、発展途上国以外では凡そ対策されているが、日本ではプロバイダによる制限が実施されていないという不可解な状況が罷り通っている。送信通数制限の無いプロバイダのサーバを使用してメールを送信した場合に、大量送信される迷惑メールと同じ扱いをされてしまうことになりかねない。「知り合いにメールを送信すると、いつも迷惑メールに分類されてしまっている」という経験に思い当たる人はいないだろうか? 日本のインターネット回線は『PPPoE』という、国際的にはイントラネットで利用されることが多い仕組みが現在でも根強い。パソコン通信時代の遺物とも言うべきものが、未だ健在なのだ。

IPv4が枯渇した状況では止むを得ないものの、そうなる以前からPPPoEを広く利用している国も少なからずあった。しかし、所謂先進国では日本の他には見当たらない。プロバイダからグローバルIPを付与してもらうには追加料金を支払わなければならず、自宅のNASへ外部から接続する際も大変な苦労が伴う。前回、「自宅のルータへVPNを使って、外出先のインターネットから安全にECサイトを利用する仕組みが構築できる」と解説した。しかし、PPPoE回線を利用している場合は、インターネットに熱練した者でなければ構築もままならない。他方、海外ではこうしたことはなく、誰でも比較的簡単にVPNサーバを構築できるので、日本のこの状況は非常に残念だ。日本は島国且つ単一民族である為か、自宅玄関に施錠しなくても安心できるくらい治安が良い。抑々、玄関という概念の無い地方文化すらある。とても素晴らしいことだ。この為、日本人はセキュリティーにあまり関心が無かったのかもしれない。しかし、インターネットは世界中に繋がっていて、その回線に接続するということは、厄介事を持ち込む悪意のある人とも隣り合わせになる可能性があるという意味でもあるのだ。インターネットは今や、国際的な犯罪組織や諜報機関にとって、とても便利なツールになっていることを忘れてはいけない。プロバイダもきちんと業務責任を果たすべく、不正な通信は顧客に到達しないようにするべきで、顧客が不正なサービスに意図せず接続してしまわないように、関連法の改正も含めて早急に対処すべき課題だ。オレオレ詐欺のみならず、インターネットでも国民の財産が奪われているのだから。また、このままでは国際的なサービス競争に太刀打ちできなくなるだろう。先ずは、迷惑メール・ランサムウェア・標的型メールが含まれるメールを排除する為に、『Google』が提供する『Gmail』や、『マイクロソフト』が提供する『Outlook.com』を電子メールアドレスとして利用することを推奨する。これらのアドレスならプロバイダに縛られることなく利用でき、恒久的に同じメールアドレスが使用可能だ。また、自分のメールが迷惑メールに分類されることも無くなる。加えて、パソコンとスマホの両方で1つのメールアドレスになって扱い易い。利便性も高く、平和そのものだ。


大森御飯(おおもり・ごはん) インターネット黎明期より、通信機器やセキュリティーに携わる。帰国子女で、セキュリティー関係者との国際的な交流を築いている。


キャプチャ  2016年11月号掲載
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