【トランプ革命】(上) 対日強硬論、見えぬ真意

アメリカ大統領選を制した“異端の実業家”ドナルド・トランプ氏は、超大国アメリカの外交や経済等の政策に革命的な変化を齎す可能性がある。日本と世界への影響や課題を探る。

20161114 05
“トランプショック”が世界を駆け巡ったのは、アメリカ東部時間で今月9日未明。同じ日の午後(日本時間昨日朝)、安倍首相が早速動いた。世界の首脳で4番目、東アジアの首脳では最も早く、トランプ氏と電話会談。『アジア太平洋経済協力会議(APEC)』の為のペルー訪問に先立つ同17日にアメリカに立ち寄ることを伝えると、トランプ氏は「17日はニューヨークにいるようにする。飯でも食ベよう」と快諾した。首相が就任前の次期大統領と会うのは異例だ。首相は約20分の電話会談で、日米同盟の意義を強調した。「世界の経済成長の中心であるアジア太平洋地域の平和と安定は、アメリカの力の源泉であり、強固な日米同盟は、地域の平和と安定を下支えする不可欠な存在だ」。熱心に説く首相にトランプ氏は、「日米関係は並外れた関係だ」と称賛し、日本政府関係者をほっとさせた。

トランプ氏は選挙戦で、日米同盟を「公平ではない」と主張し、在日米軍撤退や日米安全保障条約見直しを示唆していた為で、「トランプ氏と首相は上手くやっていける」(外務省幹部)と喜ぶ声も出た。ただ、日本政府とトランプ氏との間に十分なパイプが築けていないことも確かだ。選挙戦において日本政府は、民主党のヒラリー・クリントン氏が優位とみて“肩入れ”していた。首相は今年9月の訪米時、クリントン氏の求めに応じて会談した。トランプ氏からすれば、面白い筈はなかった。勿論、“保険”はかけていた。首相はクリントン氏との会談後、トランプ氏に近い大口献金者とも面会。在米日本大使館は、トランプ氏の陣営幹部であるニュージャージー州のクリス・クリスティー知事らと接触していた。中国の海洋進出や北朝鮮の核ミサイル開発等で不安定な安全保障環境を睨み、日米同盟強化の流れを維持する為には、首脳同士の信頼関係の構築を急ぐ必要がある。日本政府は今後、政権移行チームへの働きかけを更に強める方針だ。しかし、現時点でトランプ氏の対日政策は「全く読めない」(同)のが実情だ。陣営に知日派は見当たらず、“軌道修正”を促せるかどうか見通せていない。中でも、アメリカ軍駐留経費の負担増要求や、『環太平洋経済連携協定(TPP)』への強硬な反対は、トランプ氏が演説の定番としてきただけに、「撤回させるのは困難」(日米関係筋)との見方が根強い。トランプ氏が首相との電話会談で日米関係を称賛したのは、真意か、それとも社交辞令か――。ニューヨークでの直接会議が、同氏の対日観を見極める為の最初の試金石となりそうだ。


⦿読売新聞 2016年11月11日付掲載⦿
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