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【村西とおるの「全裸で出直せ!」】(23) 人生とは思いもかけないことが起こるものです

黒木香嬢との那須塩原での撮影を終え、東京に戻ってきてから早速、編集に取りかかりました。が、正直なところ、心は暗澹としていました。『高原を走る美少女』という作品を撮る予定でしたのに、撮り終えた内容は最初の企画とは程遠いものだったからです。黒木香嬢は淫乱でした。とてつもなく、です。これほどまでに奔放で、性に耽溺する女性を知りませんでした。呆れる程にドスケベだったのです。果たして、このような阿鼻叫喚の性愛をビデオで販売して売れるものとなるかと、編集室で茫然としていました。そこに、馴染みの刑事がひょっこり顔を出しました。彼は、週に一度は必ず“業界の実情を探る”ことを名目に編集室に立ち寄っては、編集中の作品に目を凝らしていました。お役ながら相当の“好きモノ”だったのです。が、その審美眼は鋭く、この刑事がこれまで面白いとの評価を下した作品は、漏れなくヒット作となりました。取り敢えず、編集した作品を刑事に見せました。刑事は見終えると、「今まで見てきたどの作品よりも面白い。最高傑作だ」と太鼓判を押すのです。“お客が何を望んでいるかはお客に聞けばいい”は商売の鉄則ですが、この時のお客は刑事でした。「これまで嫌というほどAV作品を見てきたこの刑事がここまで褒めてくれるなら間違いないだろう」と、発売することに決めました。

AV史に残る名作と言われる『SMぽいの好き』の生みの親は、何を隠そう、刑事であったのです。それでも恐る恐る、でした。それまで、こうした出演女性の自由奔放な性を描いた作品は皆無でしたから、あまりに生々しくて、どう視聴者に受け入れられるか不安だったのです。発売と同時に、作品は予想外の展開を見せました。嘗てない程の反響と言っていい称賛の声が届いたのです。それまでは精々1000本売れればヒット商品と言われていましたが、瞬く間に全国の問屋から3万本もの注文を頂きました。そればかりではありません。当時はインターネットも無く、話題となったこの作品を見るにはビデオレンタルショップへ走るしかありませんでした。しかし、爆発的な人気となった為に、ファンが借りて見ようにも、中々借りることができませんでした。ならばと全国から現金書留で注文が殺到し、その数、約8万通にも及んだのです。定価1万4800円の作品でしたが、この作品1本で今までにない程に大儲けできたのでございます。10億円ものカネを手にすると、凡人はじっとしておれないものです。余勢を駆って、黒木香嬢の写真集をものにせんと、AV撮影の序でに彼女を同行して、ハワイとアメリカ本土へと旅立ったのでした。そして、逮捕の憂き目に遭い、懲役370年を求刑されるに至ったという顛末です。


村西とおる(むらにし・とおる) AV監督。本名は草野博美。1948年、福島県生まれ。高校卒業後に上京し、水商売や英会話教材のセールスマン等を経て裏本の制作・販売を展開。1984年からAV監督に転身。これまで3000本の作品を世に送り出し、“昭和最後のエロ事師”を自任。著書に『村西とおるの閻魔帳 “人生は喜ばせごっこ”でございます。』(コスモの本)・『村西とおる監督の“大人の相談室”』(サプライズBOOK)等。


キャプチャ  2019年10月17日号掲載
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