【トランプ政権誕生・試練の安倍外交】(上) 同盟“維持”へ模索続く

ドナルド・トランプ氏がアメリカの次期大統領に決まり、安倍政権は焦りを強めている。日米同盟を基軸にした外交や、政権運営への影響を考える。

20161117 02
安倍首相は苛立っていた。トランプ氏の大統領選勝利が決まった今月9日、首相が求めたトランプ氏との電話会談のセットに、外務省幹部が「トランプ氏は何を言い出すかわからない」と反対したからだ。首相は「そんなことを心配している状況じゃないだろう」と、再び調整を指示。電話会談は翌10日午前8時前に実現した。外務省は、首相がトランプ氏と会うことにも慎重だった。「来年1月まで任期のあるバラク・オバマ大統領に失礼に当たる」という理由からだったが、首相は電話で直接会談を打診。トランプ氏は、ニューヨークで同17日(現地時間)に会うことを快諾した。急遽決まった会談の事前調整の為、外務省は同11日、アメリカ公使経験もある秋葉剛男外務審議官の訪米を決めた。アメリカ大統領選を“ヒラリー・クリントン氏優位”と事前に予測したのは日本だけではないだろうが、日本政府内の混乱はかなり大きい。外務省の有識者会議では、“クリントン大統領”を前提にした経済提言書案が作成されていたが、選挙結果を受け急遽、内容が差し替えられた。安倍首相はトランプ氏に日米同盟の重要性を説き、今までと変わらない関係を維持したい考えだ。

トランプ氏の政策に日本の要望を反映させるには、政権移行チーム内に“パイプ”を持つことが重要になる。外務省もこれまで、トランプ氏の側近リストを作成し、佐々江賢一郎駐米大使を中心に、政権移行チームの副議長にもなったニュージャージー州のクリス・クリスティー知事らに接触してきた。ただ、「誰が本当に影響力があるのかが判然としない」(外務省幹部)とされ、人脈作りは緒に就いたばかりだ。トランプ氏は大統領選で、『環太平洋経済連携協定(TPP)』反対や、同盟国のアメリカ軍駐留費の負担増等を訴えた他、在日アメリカ軍撤退や日本の核武装容認論等、過激な主張をしてきた。一方で、首相との電話会談では首相の政策を称賛し、敬意を払ったという。実業家として成功し、ビジネス感覚もあるトランプ氏ならば、外交政策も妥当な線に落ち着き、「あまり過大な要求はしてこないのではないか」(政府高官)との楽観論もある。しかし、トランプ氏本人に持論撤回を確認した日本政府関係者はいない。首相は周辺に、「日本には、日本の防衛だけでなく、東アジア全体を見ているアメリカ海兵隊もいる。その駐留経費を日本が負担しているのだから、アメリカにとっては損の無い話だ。話せば理解してもらえる筈だ」と語っている。北朝鮮の核・ミサイル問題や、海洋進出を強める中国への対応、更には沖縄の基地問題等、多岐に亘る外交課題に、トランプ氏はどんな姿勢で臨んでくるのか。日本政府の模索は、当分続きそうだ。


⦿読売新聞 2016年11月13日付掲載⦿
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