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【安倍外交を検証する】(02) 国益確保へ“脱優等生”

20191119 02
日本はこれまで、国際社会や他国との協調を重視し、反発を生むような強硬措置は控える“優等生”だった。これに対し安倍首相は、強気に国益確保を図る“脱優等生”外交を展開している。「これで、日本の材料に依存する韓国の電子機器産業は立ちゆかなくなるぞ」。政府が韓国向け輸出管理の厳格化に踏み切った7月初め、首相周辺はこう語った。政府は表向き、安全保障上の措置だとするが、韓国人元徴用工問題での対抗措置だとの受け止めが多い。日本企業に元徴用工への賠償を命じる昨年10月の韓国大法院(※日本の最高裁判所に相当)判決に対し、首相が「国際法に照らしてあり得ない判断だ。毅然とした対応をとる」と政府に号令をかけ、対抗措置の検討を指示していたからだ。“脱優等生”ぶりは他でも見られる。日本はクジラの資源管理を行なう『国際捕鯨委員会(IWC)』を6月30日に脱退し、7月から日本の領海等で約30年ぶりに商業捕鯨を再開した。日本は昨年9月のIWC総会で、資源が回復している鯨種について商業捕鯨の再開を求めたが、否決され、脱退を決断した。本紙が8月下旬に実施した世論調査では、今後の日韓関係について、「日本が韓国に歩み寄ることも考えるべきだ」とする回答が29%だったのに対し、「受け入れ難い主張を韓国がしている限り、関係が改善しなくても止むを得ない」が64%に上った。

慰安婦や徴用工を巡る問題等で、日本国内には近年、嫌韓感情が広がっている。首相はこうした世論を読み切り、厳格化の措置を参院選前に打ち出したとの見方がある。IWC脱退の方針についても、今年1月の世論調査で51%が評価していた。加えて、首相は捕鯨船の拠点がある山口県下関市を地盤とし、自民党の二階俊博幹事長 も沿岸捕鯨が盛んな和歌山県選出だ。外交と内政は表裏一体だ。一方、外務省の首相に対する影響力の低下も指摘される。今回の輸出管理厳格化について、外務省で日韓関係を担当するアジア大洋州局は相談を受けなかった。経済産業省幹部は、「外務省が韓国人に対する査証要件厳格化といった“対抗措置”をやらないから、経産省が引き取った」と明かす。通算在職日数が戦後最長になった首相は、外交経験を積んでおり、外務省幹部は「首相は我々の助言に頼るより、最後は自分で責任を取ればいいと独自に判断している」と解説する。ただ、相手がある外交は、日本の思惑通りにはいかないことが多い。韓国は、日本の輸出管理厳格化に対し、『日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)』の破棄という次元の違う強硬措置で対抗した。韓国側でも、高まる反日世論や経済低迷が外交に影を落としており、関係修復の糸口は容易には見つかりそうにない。アメリカ政府は日本の立場を理解しているが、日韓関係の歴史に詳しくない欧米メディアからは、今回の日本政府の対応を、強い圧力をかけて有利な取引に持ち込もうとするアメリカのドナルド・トランプ大統領の手法と同様の「トランプ流としか言いようがない」(ウォールストリートジャーナル)等といった批判も出ている。日本政府内では、「文在寅政権が交代するまで日韓関係は改善しない」と割り切る声が増えている。しかし、日米韓の連携に綻びが出れば、日本の安全保障への影響は少なくない。国益の確保には、毅然さと冷静さのバランスが求められる。


キャプチャ  2019年8月29日付掲載
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