【トランプショック】(07) 在日アメリカ軍、撤収できない――岡本行夫氏(元首相補佐官)

20161122 04
――安倍晋三首相は現地時間17日に、ニューヨークでトランプ次期大統領と会談します。
「非常に良かった。小泉純一郎首相とジョージ・W・ブッシュ大統領の時のような個人的な関係になる可能性がある。気が合いそうだ。個別の外交政策は、官僚らが大統領の顔色を見ながら進める。『日本が大事だ』という雰囲気を、トランプ氏が醸し出すようになることが大事だ」

――日米同盟にどのような影響がありますか?
「大統領になる目的を達成した今、主張は変わり得る。『同盟国からの大幅な負担が無ければ(駐留軍を)引く』というのは、『(アメリカ軍が)軍艦や戦闘機を大幅に増やす』と言っていることと矛盾する。外国に関与しないなら、それほど大きな軍隊は必要ない。安全保障協力ではあまり心配していない。ただ、アメリカに孤立主義が強まると、中国やロシアがその分だけ押し出してくる心配がある」
「在日アメリカ軍を本国に戻せば、日本に置くよりもコストがかかる。そのことを知れば、日本から簡単に引くことはできない。駐留経費の増額には、自ずから限界がある。『日米安保はアメリカにとっても必要だ』と、トランプ氏にわかってもらわないといけない。それが出発点だ。トランプ氏の周囲の国防関係者は、それをわかっている筈だ」

――従来以上に日本の役割拡大を求めてくるのではないでしょうか?
「日本が少しずつやっていた国際貢献を急激に広げるよう、求めるかもしれない。例えば、『多国籍商船隊を守る為の護衛艦隊に参加してくれ』等と。これはイラン・イラク戦争で日本が断った軍事行動で、実施は難しい」
「日本に『防衛費を増やしてくれ』と言う可能性はある。防衛費の対国内総生産(GDP)比は、世界の100番目以下だ。『核武装しろ』とまでは言わないまでも、『自分のことをしっかりやれ』とは言うだろう。日本は、これまで“超軽負担”で来た。日本周辺の脅威分析をすれば、日本の防衛力は再検討すべきだ」

――バラク・オバマ政権は、沖縄県の尖閣諸島について、「(対日防衛義務を規定した)日米安保条約5条の適用対象だ」と明言していました。
「5条の適用は明言してもらわないと困る。トランプ氏が『当事者間で解決してくれ』と言えば、日本は一気に苦しい立場に追い込まれる。トランプ氏の戦略ができる前に不用意な発言をされると、深刻な影響が出てくる」

――『環太平洋経済連携協定(TPP)』の見通しは厳しくなりました。
「経済は個人的な信念に基づいて言っている。TPPは発効しない事態に追い込まれていく。色んな変化が起こってくる」
「自由主義のネットワークが必要なのは日本だ。独自の旗を振っていくべきだ。TPPが無いなら、(日本・中国・韓国・インド・オーストラリアや東南アジア等の)東アジア地域包括的経済連携(RCEP)を目指したらどうか。TPPの発効条件を変えて、先ずはアメリカ抜きで出発してもいい。日本の責務は重い」 (聞き手/政治部 秋山裕之)


⦿日本経済新聞 2016年11月17日付掲載⦿
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