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【冷戦終結30年】(02) 軍拡戦争の危機、再び

20191212 06
ロシア国境から約100㎞のエストニア北部の街・タパには、『北大西洋条約機構(NATO)』加盟国の多国籍部隊の基地がある。先月下旬、基地には戦車や装甲車の整備に励むイギリス軍兵士の姿があった。戦車部隊を率いるデヴィッド・ランドン少佐(38)は、嘗てアフガニスタンにいた。「暑い砂漠での作戦には慣れているが、ここでは部隊も戦車も寒冷地に対応しなければならない」と、白い息を吐きながら語った。この基地には、NATO加盟国からの部隊が交代で常駐し、現在は4ヵ国の約1100人が駐留する。ロシアに睨みを利かせる欧州防衛の最前線だ。エストニアを含むバルト3国は、1991年の独立までソビエト連邦に組み込まれていた。その為、ウクライナ南部のクリミアを2014年に併合したロシアへの警戒感がとりわけ強い。NATOは2017年から、バルト3国とポーランドに計約5000人の多国籍部隊を常駐させている。 多国籍部隊とは別に、10月からはアメリカ軍部隊約500人がリトアニアで駐留を始めた。

リトアニアとポーランドに挟まれたロシアの飛び地、カリーニングラード州に10月31日、ウラジーミル・プーチン大統領が姿を現した。セルゲイ・ショイグ国防大臣らとバルチック艦隊を視察したプーチン大統領は、音速の9倍(※マッハ9)で飛行する極超音速ミサイル『ツィルコン』が、最新艦に「確実に配備されるだろう」と語った。ロシアが開発を急ぐツィルコンは、射程約1000㎞で、アメリカのミサイル防衛網も突破できるという。カリーニングラードには、核弾頭の搭載が可能で、欧州を射程に収める短距離弾道ミサイル『イスカンデル』も配備済みだ。地元ニュースサイトのアンドレイ・ウィポルゾフ編集長(44)は、「クリミア併合以降、軍の装備は格段に充実した。NATOが周辺兵力を増やしている為だ」と指摘する。このイスカンデルは、冷戦下の1987年にアメリカとソ連が署名し、ロシアに継承された中距離核戦力(INF)全廃条約が今年8月に失効する原因の一つとなった。条約により、射程500~5500㎞の地上発射型ミサイルを全廃され、保有も禁じられていた。アメリカは、ロシアがイスカンデルの射程を伸ばす等して条約に違反していると疑ったのだ。INF条約の失効直後、アメリカは地上発射型ミサイルを試射し、プーチン大統領も開発加速を公言した。冷戦時代のように、欧州を舞台にしたミサイル軍拡競争が再燃する懸念が高まっている。エストニアの調査研究機関『国際防衛センター(ICDS)』のカレフ・ストイチェク研究員は、「冷戦終結から30年と言っても、アメリカとロシアの対立構造は依然残る。冷戦は永遠に終わらないかもしれない」と悲観的な見方を示した。アメリカの科学誌『原子力科学者会報』が1947年から、核戦争等による危険の大きさを残り時間に擬えている『世界終末時計』は、冷戦終結後の1991年には人類滅亡の7分前だったが、昨年からは2分前が続いている。


キャプチャ  2019年12月1日付掲載
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