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【冷戦終結30年】(03) 内向くアメリカ、中露が台頭

20191212 07
冷戦期に東西分断の象徴だったベルリンのブランデンブルク門近くで、先月8日、アメリカのマイク・ポンペイオ国務長官は30年前を振り返り、「共産主義の崩壊が避けられない潮流だと思ったし、世界中で自由社会が繁栄すると思った」と演説した。「悲しいことに間違っていた」と続け、「今日、ロシアは近隣国を侵略し、中国では共産党が新たな権威主義体制を形成しつつある」と警鐘を鳴らした。アメリカ国内で、中露に対する警戒感が急速に高まっている。ドナルド・トランプ政権は2017年に策定した『国家安全保障戦略』で、中露を“ライバル勢力”と位置付け、「大国間競争が復活した」との認識を示した。両国への脅威の意識は、国民の間でも共有されている。ただ、現在のアメリカ外交の方針は、冷戦期のように自由主義陣営の旗頭として同盟国や友好国を先導することでも、冷戦終結直後にネオコン(※新保守主義者)が主張した“強いアメリカ”が主導する世界秩序を構築することでもない。トランプ大統領は10月、これまで共闘してきたシリアのクルド人勢力に対するトルコの越境攻撃を容認し、シリアからのアメリカ軍撤退方針を表明した。

トランプ大統領は「イデオロギーに基づかない新たな外交アプローチが必要だ」と、予ての持論を展開した上で、「アメリカ軍の役割は世界の治安を保つことではない」と言い切った。重点は、自国の利益や優位性が脅かされるのを防ぐことにあるのだ。トランプ大統領の外交姿勢は、中露の影響力拡大を助けている面がある。トランプ大統領は先月上旬、バンコクでの『東南アジア諸国連合(ASEAN)』関連の首脳会議を欠席した。会議では、南シナ海の紛争防止に向けた行動規範策定を巡り、アメリカを念頭に中国から「干渉を排する」との強気の発言が出た。先月21日、北京で開かれたシンポジウムで、冷戦期のアメリカ外交を担った一人であるヘンリー・キッシンジャー元国務長官(96)が、対立深まる米中関係の現状を「冷戦の麓にいる」と表現した。翌日、習近平国家主席は、キッシンジャー氏ら参加者に対し、アメリカに代わる覇権を求める意思を否定しつつも、「中国人民は今、自信に溢れている。“中国の特色ある社会主義”の道を進む」と続け、体制への自信を示した。「喜びに堪えない内容だ」。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は10月下旬、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領との会談で、シリア北部からのクルド人勢力の排除で合意した後、こう語った。シリアのアサド政権の後ろ盾であるロシアは、アメリカ軍撤退表明で“漁夫の利”を得たのだ。1989年の冷戦終結の2年後、ソ連は崩壊した。後継国家であるロシアは、2014年のウクライナ南部のクリミア併合から巻き返しに転じた。手段の一つが、SNSを使った世論操作やサイバー攻撃といった他国への工作だ。2016年のアメリカ大統領選への干渉が典型だが、ロシア側は関与を否定する。今年10月にソチで開かれた国際会議で、司会者に2020年のアメリカ大統領選に干渉するかどうか尋ねられたプーチン大統領は、笑みを浮かべながら「ここだけの話だが、間違いなくする」と、本心とも取れる冗談を飛ばした。


キャプチャ  2019年12月2日付掲載
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