わずかな隙も“落とす理由”、人事が嫌うこんな就活生――TOEICが“731点”の怪、面接前から勝負は始まっている

20161122 07
2018年4月に入社する大学3年生・大学院1年生の就職活動(18採用)が始まった。『マイナビ』によると、17採用大学生の“内定率”は今年8月末時点で77.5%で、前年同月に比べて8ポイントも高い。結果だけ見れば、学生優位の売り手市場と言える。ただ、学生の志望が集中する人気企業については、依然として狭き門であることに変わりはない。「採用の基準は落としていない」(『損害保険ジャパン日本興亜』)等、大企業の選考は相変わらず激戦となっている。そうした企業に入りたい学生は、ES(エントリーシート)・筆記テスト・グループディスカッション・面接に至るまで1つもミスが許されない。そこで、企業の人事担当者に直接聞いた“嫌われる学生”の実例を紹介する。ESや面接は通過しなかったことは知らされるが、何が悪かったのかまではわからない。先輩の失敗例を知ることで、自分の就活に生かしてほしい。ESはウェブサイトから記入させる企業が増えている。人気企業では、ESが数万件も届くのは珍しくない。郵便だと1通ずつ開封する手間がかかる為、インターネットでの受け付けに切り替える企業が相次いでいるのだ。ただ、ウェブならではの失敗が頻発している。典型例が、試し打ちのミスだ。ES全体でどんな設問があるのかを把握する為、記入欄に“あああ…”等と入力してページを先に進めるケースがよくある。その過程で、最後の送信ボタンを間違って押すミスが目立つという。「単純ミスとは思うが、内容が無いので当然落とす」(広告会社)等、人事担当者の印象は悪い。他にも、「TOEICの点数が“731点”と書いてある怪しいESがあった。TOEICの点数は5点刻みなのに。嘘なのか…」(商社)。入力している途中で文章が途切れてしまうケースも多い。「コピー&ペーストの弊害なんでしょう。200文字の文字数制限がある欄に、400文字用のテンプレートを使っていたんじゃないですか」(金融)と手厳しい。

20161122 08
コピー&ペーストの弊害は、固有名詞にも及ぶ。毎年繰り返される“あるある失敗例”が、社名や商品名の間違いだ。「JRの東西を間違えていたり、私鉄になっていたりするミスはよく目にする。偶に航空会社の社名が書いてあり、戸惑う」(交通)。商品やサービスの名称が競合と似ているケースが多いだけに、注意深く入力したい。その企業独自の言い回しにも気を配りたい。例えば、ある商社は“総合職”を“基幹職”、“一般職”を“ビジネスサポート職”と呼んでいる。銀行を“御行”と呼ぶのも同様だ。書き間違えると、「『内容を使い回したな』と直ぐにわかる」(商社)。特に商社や金融はライバル意識も強いので、注意が必要だ。「些細なミスに目くじらを立てる必要はないのでは?」と考えるのは甘い。数百人の中から1人を選ぶ側の企業からすれば、「何かで優劣をつけないと選び切れない」(IT企業)。人気企業の人事担当者は、“落とす理由”を探すのに躍起になっているのが実情なのだ。落とす理由は、ESの中身からも探される。自由記入欄で文字数が少なく空白が多い・手書きの場合に字が汚い・文字が小さい等、読み難いESは論外だ。文字数を満たしていても人事から評価が低いのが、“学生時代の実績”と“アルバイト自慢”の2つだ。学生時代の実績では、野球等の部活動を頑張ったことを書くケースが多いが、「内容のバランスが取れていないESが目立つ」(商社)という。バランスとは、行動と振り返りである。「小学校は野球で地区優勝、中学でも優勝、高校では甲子園一歩手前、大学でも軟式野球で大学ベスト4等、実績ばかり。こちらが知りたいのは、その経験から何を学んだのか、それが読み取れない」(商社)。「ESには具体的な数字を盛り込め」とよく言われるが、それでも数字の客観性が乏しいケースは嫌われる。「『学園祭のイベントで200人集客した』と言われてもピンとこない」(IT企業)。“アルバイト自慢”も注意が必要だ。人事担当者がよく聞く3大バイト先が、『スターバックス』・『マクドナルド』・『ユニクロ』だ。話の展開としては、「店舗の売り上げを上げた」「チームリーダーとしてアルバイトを纏めた」等と、話が似通ってしまう。「同じ話を何回も読まされるので、余程でないと埋没して評価は低くなる」(商社)。東日本大震災の直後はボランティアの経験談が多かったが、最近では『インスタグラム』等といったSNSのフォロワー数を自慢する学生が目立つ。「発信力が大きいことをアピールしたいのはわかるが、正直、何が凄いのかわからない」(精密)。何故か毎年、“自転車日本1周話”も出てくるという。

20161122 09
ESを通過すると面接へと選考が進むが、面接会場以外の場所でも就活生をチェックしている企業は驚くほど多い。一番よく見ているのが受付だ。ある日用品メーカーでは、受付でも学生の態度に目を光らせている。普通であれば、挨拶をした後に大学名や氏名を名乗るが、態度が悪い学生がいれば、受付担当から面接担当に連絡が入る。「面接では極めてハキハキして礼儀正しい学生だったので、そのギャップに驚いた」(人事担当者)。その企業は素直さや誠実さを重視しているだけに、当然、落としたという。やる気を見せようと集合時間に早く来過ぎるのも逆効果だ。「受付でブースを作ろうとしたら、既に就活生が並んでいた。慌てて面接の時間を聞いたら、未だ1時間30分もあった」(商社)。記憶したことばかりを話そうとする就活生も敬遠される。そうした場合は、「大学のゼミで勉強してきたことを30秒で説明して」等と不意を突いた質問を面接担当者から受ける。「就活生が対策するのはわかっている。こちらも対策している」(商社)。ある人事担当者は、「1日に数十人と面接していると、同じ話が何度も出て飽きてくる」と本音を漏らす。ありがちなのは、「社会インフラを支えたい」「海外で電気や水の貴重さを知ったから」といった話だ。飽きている担当者に耳を傾けさせる“何か”を持っていないと、躊躇なく“×”を付けるということだ。学生は「友人や先生が自分の話を聞いてくれるのが当たり前」と思いがちだが、ビジネスではそうではない。聞かせる工夫が無いと、競争は勝ち抜けない。学生の常識が通用しない典型が、スマートフォンの使い方だ。あるサービス業の人事担当者は、就活生が面接中に質問をスマホでメモするのを目にした。「常識に欠けるので即、落とした」。ここまで極端な例は少ないが、「就活生はスマホ世代だ」と色眼鏡で見ている人事担当者は少なくない。例えば、面接の控室でのスマホ利用は最小限に止めるべきだろう。就活生にすればESや資料を見ているつもりでも、「『面接前にゲームでもしているのではないか?』という目で見てしまう」(IT企業)。グループディスカッションは、「面接では見えない素顔を見る為に実施している」(広告会社)という狙いを知った上で臨みたい。発言が少ない・他人の話を聞かない・議論の流れに沿わない発言をしている…といった学生には厳しい評価が付く。「内容が真面だとしても、話が長いと困る」(同)との声もある。「公務員が民間企業からお歳暮をもらっていいか?」等、賛否が明らかな内容を、敢えて賛成・反対に分けて議論させることもある。「結論ではなく、各立場でどう論理構築するかを見ている」(精密)。時間を短くして焦りを誘うケースも多い。厳しい状況の際にどのような表情をするかで、メンタル面の強さが見えるからだという。 (取材・文/本誌 松浦龍夫)


キャプチャ  2016年11月21日号掲載

スポンサーサイト

テーマ : 就職活動
ジャンル : 就職・お仕事

轮廓

George Clooney

Author:George Clooney

最新文章
档案
分类
计数器
排名

FC2Blog Ranking

广告
搜索
RSS链接
链接
QR码
QR