【トランプショック】(08) 経済・軍事で米中摩擦続く――閻学通氏(清華大学国際関係研究院長)

20161124 02
――ドナルド・トランプ次期大統領は、「アメリカは世界の警察にはなれない」と主張しています。
「アメリカが『警察としての責任を負いたくない』と考えているが、警察の権利を放棄はしない。この矛盾は、世界に大きな不確実性を齎す。国際社会で衝突は増えるだろう」
「トランプ氏の政策で、アメリカが相対的に衰退する流れを止めることができるとは思えない。中国とアメリカの実力差が縮小していく冷戦後の国際秩序が変わることはない」

――米中関係にはどんな変化が起きますか?
「『トランプ政権は中国にとってプラスだ』とは言い切れない。人権問題での注文は減りそうだが、アメリカ国民に経済的な利益を実感させる為、経済政策では中国に強く出るだろう」
「軍事面でも、米中の摩擦と競争は続く。バラク・オバマ政権の“(軍事・外交の重心をアジアに戻す)リバランス”という表現は使わなくても、アメリカが同盟国と協力し、東アジアで主導権を守る動きは変わらない」

――トランプ氏は、中国抜きの自由貿易圏である『環太平洋経済連携協定(TPP)』を否定しています。
「中国に有利だとは限らない。トランプ氏はTPPだけでなく、あらゆる地域経済協力を拒む。日中韓や東南アジア諸国連合(ASEAN)が交渉中の東アジア地域包括的経済連携(RCEP)にも絶対に参加しないばかりか、『発足を阻もう』と動くのではないか」

――中国は日米同盟の行方を注視しています。
「安倍晋三首相は在日アメリカ軍の駐留経費の負担増を求められて苦労するだろうが、質的な変化は起きない。トランプ政権は、日米同盟を主導する権利を放棄しない。アメリカの国益を考えると、日本への“核の傘”の提供を止めるとは考え難い」

――南シナ海を巡る争いはどうなりますか?
「フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領が対中政策を調整し、南シナ海情勢は大きく変化した。アメリカは中国に対抗する足場を失った。トランプ政権は、関心の重点を東南アジアから北東アジアに切り替えるのではないか」

――北東アジアは朝鮮半島と台湾が焦点です。
「オバマ政権ほど北朝鮮の核開発問題に積極的に取り組まず、中国に責任を押し付けるだろう。これは厄介だ。韓国では朴槿恵大統領が力を落としており、米韓関係はアメリカ主導が一段と強まる」
「両岸(中台)関係への影響は最も判断が難しいが、台湾当局への支持はオバマ政権を上回る可能性がある。東南アジアで優位を失いつつあるアメリカが台湾で手を緩めれば、北東アジアの主導権も揺らぎかねないからだ」 (聞き手/中国総局長 山田周平)


⦿日本経済新聞 2016年11月18日付掲載⦿
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