【霞が関2016秋】(17) 東電提携戦略にジレンマ…福島貢献どこまで

経済産業省は明日、『東京電力ホールディングス』の経営改革を話し合う『東京電力改革・1F問題委員会』の3回目の会合を開く。前回までの議論で、他社との提携で収益を増やす方針を示したが、課題も見えてきた。提携が生む収益は福島第1原子力発電所の廃炉費用等に回すが、回し過ぎれば抑々、提携相手が見つからないというジレンマだ。先月25日に開いた前回の会合。東電グループと『中部電力』が折半出資する燃料・発電事業会社『JERA』(東京都中央区)の経営陣に、委員が次々と注文や質問をした。「福島の費用をできるだけ捻出してほしい。経営思想の中に、福島への貢献はどのくらい入っているのか?」「配当と福島への貢献のバランスについて、どうガバナンスを働かせていくのか?」。ヘンドリック・ゴーデンカー会長らJERAの経営陣は、「海外でも投資していく。配当より内部留保にして、投資資金に回したい」と答えたという。JERAは、東電と中部電が燃料調達や海外の火力発電事業を統合する為、昨年に設立した。「エネルギーチェーンの中で、グローバルな一流プレーヤーを目指す」(ゴーデンカー会長)為、今後、海外の発電プロジェクトや液化天然ガス(LNG)船等に投資が嵩む。

東電等への配当は、「今後10年間の後半以降で、できるだけ還元したい」というスタンスだ。福島の事故処理を進める為に配当を重視する政府側と、成長投資を優先する会社側。利益の配分を巡る認識のズレが垣間見えた。JERAは、東電と中部電の既存の国内火力発電事業を引き継いで統合することも視野に入れる。来春に是非を判断するが、福島にどこまで貢献するかの議論がすっきりしなければ、中部電は躊躇うかもしれない。JERAは、東電が他社と事業統合する先駆けだ。経産省は前回の会合の資料で、東電の原子力事業を分社して、他社との再編に備える案を示した。送配電事業も含めて、今後の提携はJERAがモデルになる。利益の使い方の問題も、同じように出てくる。ある経産省幹部は、「組む相手は不満かもしれないが、福島が優先だ」と話す。ただ、稼ぎが全て福島に行ってしまうなら、提携は実現しない。提携事業の成長に向けた投資資金を確保しつつ、福島にしっかり貢献する方策をどう描くか。今後の東電委員会の焦点になる。 (江渕智弘)


⦿日本経済新聞電子版 2016年11月14日付掲載⦿
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