【働く力再興】第1部・安住の根を絶つ(03) 自由な職場とAIを武器に…24時間、賢く生きる

20161130 06
人口減が加速する日本。労働者の数が減り、働く時間も減るとなれば、経済は縮小基調に入らざるを得ない。成長を続け、豊かな社会を保つにはどうするか。1人が今以上に長く働くか、より効率的に働くか――。『リクルートホールディングス』の麻生要一氏(33)は、1人で3役を熟す。本職は、リクルートの新規事業開発の責任者。ある時は自ら立ち上げたウェブサービス開発の『ニジボックス』(東京都中央区)社長、またある時は起業家向けシェアオフィスの運営者。新規事業を提案する若手には、365日相談に応じる。目まぐるしい毎日でも、睡眠は1日8時間。忙しい合間に散歩したり、休日は1歳の娘と公園に出かけたり。「心身が万全でないと、迅速で明確な意思決定ができない」と律する。「仕事は無限大にあるが、時間は有限。体調や心の状態を管理し、生産性を上げる」。日本人の1時間当たりの労働生産性は、主要国の中では下位。一方、スウェーデンには1日6時間労働で成果を出す企業もある。自らの健康と家庭を守り、ITも駆使しながら、24時間を有効に使う。

東京大学の川口大司教授(45)は、「生産性向上がワークライフバランスを実現させる。北欧の高福祉は、高い生産性に支えられている」と好循環の仕組みを解説する。『ユニリーバジャパン』(東京都目黒区)は今年7月、全社員の8割に当たる約400人が、カフェや自宅等といった会社の外で働ける制度を導入した。勤務や休憩の時間は、従業員が自由に決めていい。「社員1人ひとりが自分の能力を最大限発揮できるよう支援する」。朝は通勤ラッシュを避けて駅近くの共有オフィスで働き、午後は会社で同僚らと意見を交わす。働き方は時空を超える。これから先、働き手は未曽有の競争社会に入る。ロボットや人工知能(AI)が、人の代わりに大抵の仕事を熟す。そうなると、労働者は数百万単位で不要になる。日本の生産性は上がるかもしれないが、残った生身の人間はどうするか。『野村証券』エコノミストの水門善之氏(34)は、AIを取り込む。AIには、政府や日銀のリポートを基に、景況感指数を作ってもらう。これまでは、時間をかけて自分でデータを入力していた。AIが代わりに働いてくれる分、分析手法の開発や予測の精査に力を注ぐ。「AIとの役割分担は、日本全体の生産性向上になる」。確信を深めている。長い時間を会社で過ごすと、子育てや介護との両立は苦しくなる。最早、長時間働いて成果を出すという時代ではなくなっている。時間を節約すると共に、技術革新をものにし、効率的に、そして今まで以上に多くの成果を生み出す。その術を身につけた労働者は、これまでにない働きがいと暮らし易さを手に入れる。


⦿日本経済新聞 2016年9月2日付掲載⦿
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