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【アメリカ大統領選2020】第3部・消えない格差(上) 若者、社会主義に共感

アメリカ大統領選の民主党指名争い初戦となる来月3日のアイオワ州党員集会が目前に迫った。ドナルド・トランプ大統領の対抗馬を選ぶ選挙に多数が名乗りを上げる中、目立つのは大企業を敵視する急進左派の勢いだ。背景には何があるのか? 最前線を歩くと、4年前の前回選で噴出した格差への不満が、益々大きく膨らんで選挙戦を覆っていた。

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ラスベガスに次ぐカジノ都市として知られるネバダ州リノ。昨年12月上旬、大統領選の民主党指名を争うバーニー・サンダース上院議員(78)が複合施設の一角で開いた集会は、若者たちの熱気に包まれていた。集会に駆けつけた900人以上の中には、政治団体『アメリカ民主社会主義者・青年部(YDSA)』のメンバーたちの姿もあった。「億万長者たちに全てを牛耳らせるわけにはいかない」。格差是正を訴えるサンダース氏の演説を、YDSAリノ支部の共同代表であるダンカン・ボレンさん(21)は、大きな声援を送りながら聞いた。「バーニーはいつも情熱的で、毎回興奮するよ」と満足げに語った。アメリカの若者の間で、社会主義への共感が広がっている。昨年10月に調査会社『ユーガブ』等が発表した調査結果によると、ミレニアル世代(※23~38歳)の7割が「社会主義を掲げる候補者への投票に傾いている」と回答し、メディアの注目を集めた。『ギャラップ』が昨年11月に発表した調査でも、社会主義を肯定的に捉える割合は、18~34歳の若者の間で過半数の52%となり、否定的と答えた47%を上回った。ソ連との冷戦下、第2次世界大戦後のアメリカで、社会主義は極めて否定的に捉えられた。自由主義と相容れない考え方と見做され、連邦政府の介入を嫌う国民性もあって 浸透の余地は日本や欧州に比べて限られていた。そのアメリカで大きな変化が起きている。政治団体『アメリカ民主社会主義者(DSA)』は1982年に結成され、2018年の中間選挙で社会主義者を自称して当選したアレクサンドリア・オカシオ=コルテス下院議員(30)が所属していたことで注目された。社会主義国にみられるような独裁は否定し、連邦政府の主導による国民皆保険や労働者の権利拡充の実現等を掲げる。所属メンバーは近年急増し、2016年の7000人から、2019年に5万6000人へと8倍 に増えた。ニューヨーク等の大都市を中心に支持を広げ、2018年の中間選挙で当選した団体関係の下院議員は2人、州議会議員は7人に上る。DSA内で若者が中心となるYDSAの活動拠点は、各地の大学が多い。リノ支部のメンバーは1874年創立の州立大学、ネバダ大学リノ校の在校生だ。約20人が活動し、貧困者支援のボランティア活動等も行なっている。メンバーに話を聞くと、アメリカの将来に対する不安が伝わってきた。

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コール・アマンソンさん(22)は保守的な家庭に育った。両親が抱く社会主義のイメージは、反共マッカーシズムの“赤狩り”だったという。その息子が何故、社会主義に共感するのか。「今の社会では、アメリカンドリームが遠い昔の話になった」からだ。家と車を持ち、子供2人を大学に通わせる――。嘗てそれはアメリカの典型的な中流家庭の姿だったが、家賃や医療費、教育費の高騰で、そんな将来像も見通せない。難病で人工透析を受けながら臓器移植を待つ友人の存在も、社会主義への共感を後押ししたという。「友人は日々、『ドナーが見つかりました』という知らせを待っている。でも、本来なら自分を救ってくれるような幸せな知らせを、友人は喜ぶことが出来ない」と語る。「友人の家庭の収入では医療保険に入れない。だから、ドナーが見つかって移植手術が出来たとしても、ずっと負債を抱えて生きていくことになる。友人はそれをわかっているから、喜ぶべき知らせも喜べない。こんな状況でいいのだろうかと思った」。アマンソンさんは、DSAやサンダース氏らが唱える“医療を受ける権利は基本的人権の一部”とする主張に賛同し、大統領選のボランティアとしてサンダース氏陣営に加わった。格差の問題は、今回の大統領選でも最重要テーマの一つだ。調査機関『ピューリサーチセンター』が昨年12月に発表した『アメリカが直面する主要な問題』の世論調査では、民主党支持者の66%が「格差問題を重視する」と答えた。医療費(※77%)や気候変動(※73%)に次ぐ関心事だった。民主党指名争いでは、サンダース氏やエリザベス・ウォーレン上院議員(70)ら格差是正を前面に掲げる急進左派が、高い支持を集めている。ウォーレン氏は、大企業や富裕層への大幅な課税強化を主張する。1日にアイオワ州デモインで行なわれた民主党候補者討論会では、「今のアメリカでは、大企業幹部らトップの連中だけが旨みを得ている」と訴えた。こうした急進左派の主張は、伝統的に政府の介入を嫌う共和党支持者の反発を招いている。トランプ大統領は、支持者の反社会主義感情に訴えようと、演説で民主党内の急進左派勢力を「アメリカを破壊しようとする暴徒だ」と批判している。昨年12月の演説では、ベネズエラやキューバの例を挙げて、こう訴えた。「我が国は決して社会主義国家にならない」。


キャプチャ  2020年1月21日付掲載
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