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【教科書に載らない経済と犯罪の危ない話】(151) 日産自動車の信用枠を悪用してマネロン…ゴーンが行なった資金還流の手口

4年程前のことである。ロンドンのプライベートバンカーから資金調達の相談があった。ニューヨークのファンド会社へ投資する資金が2億ドル(※約220億円)不足しているというものだった。ファンドは44週間かけて回すもので、リターンは28%とそれほどでもないが、リスクは低い。調達コストを18%以内に抑えれば、十分な利益が見込める。問題は、どこで資金を調達するかだ。日本から220億円の送金は不可能である。たとえロンドンからでも、2億ドルの送金は難しい。ここで、国際金融取引の基礎であるコレスポンデントについて説明しよう。コレスポンデント、略してコルレスとは、国際間の送金・決済を中継する銀行のことだ。日本のA銀行から香港のB銀行へ100ドルを送金する場合、資金はアメリカの銀行を経由する。ドルはアメリカの通貨で、コルレスはアメリカの銀行だからだ。A銀行はアメリカのC銀行とコルレス契約を結び、為替決済用の口座を保有している。同様に、B銀行もC銀行にコルレス口座を保有している。A銀行で送金手続きされた100ドルは、『銀行間通信協会(SWIFT)』を通じてC銀行に送金指示される。そうして、アメリカのC銀行にあるA銀行口座から、同じくC銀行内のB銀行口座へ移動する仕組みだ。日本から香港への送金であっても、実は全てがC銀行内の口座間で完結しているというわけだ。これがコレスポンデントの仕組みである。基軸通貨のドルで決済ができなくなる“金融制裁”とは、コレスポンデントを停止することなのだ。アメリカがその気になれば、世界各国、どこの国でもコレスポンデントを停止できる。何故なら、ドル決済の全てが最終的にアメリカ国内で行なわれており、アメリカ法に基づいて運用されているからだ。

2億ドルの国際送金をするにあたって、筆者は資金調達にSBLC(※スタンドバイエルシー)を使うことにした。カルロス・ゴーンが『日産自動車』から資金を還流させるのに利用したことで、一躍有名になったもので、貿易決済に使用されるL/CにBG(※銀行保証)が付いたものをSBLCと呼ぶ。SBLCの特徴は、銀行の保証契約が付くことだ。貿易取引でも金融取引でも、契約書に基づき、額面の範囲で、発行した銀行が責任を負うというものである。銀行が保証するからには、使用者の信用と使用目的には厳格なチェックがある。2億ドルのSBLCで資金調達するには、使用者に2億ドルの支払い能力が問われるということだ。ゴーンの場合、『新生銀行』に追加担保を求められたくらいだから、30億円の支払い能力などあろう筈もない。日産のクレジットライン(※信用枠)があったからこそ使えたのだ。筆者は、2億ドルのSBLCを366日間のリースで用意することにした。そして、ドバイの証券会社を通じ、250万ドル(※当時のレートで3億円)でリースした。次に、このSBLCから2億ドルのキャッシュを作る為のクレジットラインを探した。直ぐに、ニューヨークに住むアラブ人から1年間10%のリース料で、クレジットラインを借りることができた。こうして、筆者がリースしたSBLCは、ロンドンの銀行からニューヨークの銀行へ送られ、アラブ人の口座で現金化されたのである。このSBLCがニューヨークへ届くまで、あらゆる機関のコンプライアンスチェックを受け、それをクリアしたということだ。だが、このSBLCによる現金化はマネーロンダリングである。何故なら、SBLCの経路の中にペーパーカンパニーを紛れ込ませ、使用目的を偽っていたからだ。しかし、どこかで債務不履行が起きない限り、問題となることはないのである。 (http://twitter.com/nekokumicho


キャプチャ  2020年2月11日・18日号掲載
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テーマ : 国際問題
ジャンル : 政治・経済

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