【東京情報】 朝日新聞の囚人解放運動

【東京発】最近、朝日新聞がまた“朝日らしさ”を発揮している。先月7日に福井市で開かれた『人権擁護大会』で、『日本弁護士連合会』は「2020年までに死刑制度の廃止を目指す」という宣言を賛成多数で可決。死刑廃止に関しては、これまで慎重だった日弁連だが、今回初めて制度の廃止を前面に掲げた。朝日新聞は社説でこれを評価。「国際社会では死刑廃止の潮流が定着し、140ヵ国が制度上あるいは事実上取りやめた」とし、「刑罰のあり方も状況に応じて見直されてしかるべきだ。いまの姿に縛られ思考をとめてしまっては、時代の変化からも、世界の流れからも取り残される」と結んでいる。フランス人記者が笑う。「自民党だけでなく、朝日新聞まで“グローバルスタンダード”かよ。朝日新聞は、死刑廃止宣言から約1ヵ月後の今月11日付夕刊に、熊本県内で発生した強盗殺人事件の死刑囚が処刑されたことについて、弁護士らのコメントを紹介している。“日弁連死刑廃止検討委員会”メンバーの海渡雄一弁護士は、『ショックだ。日弁連が何を言おうと執行は続けるという法務省の強い決意を感じる』『死刑廃止国では、廃止の前に執行を停止した期間があり、まずそれを実現するのが目標』と話したという。要するに、朝日新聞は日弁連の“広報”をやっている訳だな」。アメリカ人記者が首を傾げる。「そうかしら? でも、法務省の金田勝年大臣が日弁連の宣言について、『死刑の存廃に様々な意見があり、そのような意見の1つと考えている。国民の多数が死刑をやむをえないと考えており、廃止は適当ではない』と語ったことはきちんと紹介していたわ。同じ朝日夕刊の記事では、廃止に反対を表明してきた弁護士団体“犯罪被害者支援弁護士フォーラム”の高橋正人弁護士の意見も取り上げている。『死刑は法律で定められ、最高裁でも合憲とされている。淡々と執行するのは当然のことだ。日弁連は死刑執行後に毎回反対声明を出すが、法を守るなというのはおかしな話だ』って」。

日本の世論調査では、死刑制度を支持する人が多数だ。一方、西欧では死刑を廃止した国が多い。『ヨーロッパ連合(EU)』諸国の主要国であるフランス、ドイツ、イタリア、イギリス、それにポルトガルやスウェーデンも死刑を廃止している。カナダやメキシコも死刑を廃止。アジア諸国も死刑廃止に舵を切り始めた。その理由としては、1991年に国連の死刑廃止条約が発効したことが大きいのではないか。現在、先進国で死刑制度があるのは日本とアメリカだけである。フランス人記者が顎鬚を撫でる。「イスラム諸国は教義上、死刑を廃止することは難しい。では何故、日本は死刑制度を続けているのか。俺は、日本人の道徳感情に根拠があると思う。日本には仇討ちの文化があるだろう。ハンムラビ法典の“目には目を、歯には歯を”と同じで、抑止効果云々より、国が被害者の遺族に代わって復讐することが求められているんだな」。アメリカ人記者が長い金髪を掻き上げる。「だから野蛮なのよ。西欧では人権が重視されるでしょう。たとえ殺人犯が被害者の人権を奪ったからといって、国家が加害者の人権を無視していいということにはならないわ。冤罪の可能性もあるし。被害者感情という言葉だけで死刑を肯定するのは幼稚ね」。フランス人記者が唸る。「ほう。でも、アメリカには死刑制度があるではないか」。アメリカ人記者がムキになる。「西欧主要国で最後まで死刑に拘っていたのはフランスよ!」。世の中には悪い奴がいる。平気で人を殺す人間がいる。親が子を殺し、子が親を殺すこともある。これは、我々が受け入れなければならない現実だ。それに対し、「悪人を社会から排除しなければならない」と我々は感じる。倫理も正義も無いような残虐な行為を目の当たりにすれば、怒りが湧くのは本能だ。「感情でものを考えてはいけない」と言うが、感情には多くの真実が含まれている。報道機関としては、どちらが加害者であり、どちらが被害者かを先ずはっきりさせるべきだ。イデオロギーで決め付けるのではなく、加害者に同情の余地が無い場合でも死刑を避けたほうがいいのか、或いは被害者の人権についてどう考えるのか、柔軟に対応する必要がある。

フランス人記者が鼻を鳴らす。「朝日新聞には無理だろうな。連中は常に抑圧する側の味方だった。毛沢東の文化大革命では、結局、何千万人も殺された。俺は当時のマカオを取材したが、賭場や競犬場はガラガラだった。皆、紅衛兵が侵攻してくるのを恐れていたんだ。罪の無い人々が殺されていく中、朝日新聞は紅衛兵を『美しい思想を持っている若者たち』と描写した。“殺す側”を美化した訳だ」。アメリカ人記者が頷く。「確かに、朝日新聞の報道姿勢は歪んでいるわ。つい最近でも、辺野古へのアメリカ軍基地移設問題に関する報道が変だった。反対運動をしている側の問題点も、あの運動で迷惑している地元住民の声も殆ど拾っていなかったし」。朝日新聞は、戦前・戦中には戦争を煽り、戦後はソビエト連邦や中国等の全体主義を翼賛した。“人権”を叫ぶ朝日新聞も、人権を抑圧する勢力に加担してきた訳だ。それがトラウマになっているので、二言目には教条主義的に“人権”と叫ぶのだろう。安保闘争が盛んだった1960年代には、日本のインテリは“フランス被れ”が多かった。その様子を茶化したのが、赤塚不二夫の『おそ松くん』に登場するイヤミである。先日亡くなった『総務部総務課山口六平太』の作者・高井研一郎がキャラクターデザインに貢献したと言われるが、イヤミはフランスを“おフランス”と呼び、何かにつけて例に出す。当時の朝日新聞にもフランス被れの記者がいて、“お中国”・“おソビエト”の記事も多かった。こうした体質だから、死刑廃止についても「“おフランス”・“おドイツ”・“おイギリス”を見習え」となってしまう。アメリカ人記者が呟く。「私は“おそ松くん”より、山上たつひこの“がきデカ”が好きだわ。『死刑!』って」。シェー! (『S・P・I』特派員 ヤン・デンマン)


キャプチャ  2016年12月1日号掲載

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