【Test drive impression】(04) 『日産 ノート e-POWER MEDALIST』――エンジンで発電! ガソリンEVは新感覚加速!

アクセルを踏むと、高級セダンも真っ青の超静かさと滑らかさで力強く走り出す。それは、ベース車両になっている『ノート』からは、まるで想像もつかない走行フィーリングだ。それもその筈。実はこのノート、『日産自動車』の電気自動車『リーフ』のモーターを搭載しており、まさに電気自動車ならではの上質な走りが自慢の1台だからだ。しかし! 更に面白いのは、モーターで走るのに、充電は必要も無ければ、コンセントに繋ぐプラグも持たず、普通のクルマと同じようにガソリンスタンドで給油して乗れる。「それってどんな仕組み?」と実に不思議なパワーユニットを持つのが、ノートに加わったニューモデル『e-POWER』だ。このクルマの不思議な動力源は、“シリーズハイブリッド”というもの。先に記したように、電気自動車のリーフと同じモーターで走行し、このモーターには床下に積まれたバッテリーから電気が供給される。が、このバッテリーの容量は小さなもので、直ぐに使い切れるサイズ。ではどうするかというと、通常のノートと同じように搭載されている1.2リットルのガソリンエンジンを回し、これで発電機を動かして作った電気をバッテリーへ送るという仕組み。なので、バッテリーに電気が十分に蓄えられている時には、リーフと同じようにモーターだけで走る。だから、静かで滑らかで力強い走りが得られるのだ。バッテリーに電気が無くなってくると、エンジンがかかって、発電した電気をバッテリーへ。因みに、この時のエンジンは一定回転で回る。このほうが効率よく電気を作れるからだ。

一方、アクセルを全開にした時等は、電気が沢山必要となるのだが、この時はエンジンも回転数を高める。そして、発電機を沢山回して作った電気を直接、モーターへ届ける。こうした仕組みなので、充電の為のプラグは持たずに、ガソリンを入れれば車の中で電気が作られるという自家発電的な電気自動車と考えればいいだろう。他では中々採用しないが、これもハイブリッドの一種だ。ということで当然、燃費も良く、最も優れた燃費を達成するSグレードでは実にリッター37.2㎞と、ライバルである『トヨタ自動車』の『アクア』のリッター37.0㎞を超える数値を達成しており、日産としても鼻高々である。しかも! このe-POWERは、ガソリンで走る電気自動車ながら、その走りが新鮮でユニーク。走行モードはノーマル・エコ・Sという3つなのだが、エコとSの両モードを選ぶと、アクセルから足を離した時にブレーキ回生がかかり、通常のガソリン車でいうとエンジンブレーキのような感じで減速が行われる。この特性を利用すると、何とアクセルペダル1つで走れてしまうのだ! これも、「えっ? どういうこと?」と思う筈。実は、e-POWERドライブと呼ばれるこのロジックは、アクセルを踏み込むと加速するが、アクセルから足を離すとブレーキ回生が働き、通常よりも強い減速が得られる。だから、例えば街中を低速で走っている時等は、アクセルを離すと停止するまで減速が行われるのだ。遊園地の子供用ゴーカートが同じような仕組みである。この特性を生かすと、例えば渋滞では、アクセル1つで流れに合わせて加速・減速ができる。また、カーブを曲がる時にも、踏んでいたアクセルから足を離して減速してカーブを曲がり、再びアクセルを踏んで加速…という走りも可能。アクセルとブレーキを踏み替える手間がかなり少なくなるので、乗ってみると思った以上に楽チンなのがわかる。

ベースはコンパクトカーのノートで、キャラクターとしては実用車。にも関わらず、「こんなに楽しく気持ちいい走りが実現するなんて!」と、そのギャップに萌えまくりなのだ。実際、このノートを企画した日産自動車日本商品企画部主管の谷内陽子氏も、こう話す。「乗って頂くと皆さんに絶賛頂けます。だから、“百聞は一乗りに如かず”というか、キャッチコピーで使った“ひと踏み惚れ”も、決して大袈裟じゃないと私たちも思っています!」。そして、この言葉に、様々なクルマを試してきた自動車ジャーナリストである筆者も納得である。確かに言葉通り。加えて言うならば、このe-POWERで日産は、1つの日産らしい未来を生きる道を見つけたかも? そのくらい、e-POWERには強烈なキャラクターがあったのだ。では、気になる点は無いのか? 「折角なら、このモデルにもセレナで話題の先進装備“プロパイロット(同一車線自動運転技術)”を導入してほしかった」というのが筆者の希望だ。実際問題、サイドブレーキを電動式に変更しないと色々面倒なので実現し難いだろうが、折角『セレナ』で手に入れた先進イメージを使わない手はないと思う。若し、プロパイロットが装備されたら完璧なのに! 最近、日産が元気を取り戻したように感じている人も多いだろうが、まさにビンゴ! 実は、この2年半、日産は日本市場に新型車を送り込んでこなかった。そうした中で今年、ミニバンのセレナで自動運転技術を取り入れたプロパイロット、そして今回のe-POWERを送り出し、日本市場における日産の存在感と実力を久々に発揮。面白い日産車がどんどん登場することに期待したい。


河口まなぶ(かわぐち・まなぶ) 自動車ジャーナリスト・『日本カーオブザイヤー』選考委員。1970年、茨城県生まれ。日本大学藝術学部文芸学科卒業後、『モーターマガジン』のアルバイトを経て、1995年からフリーに。


キャプチャ  2016年12月12日号掲載

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テーマ : 新車・ニューモデル
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