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【共に闘う・TOKYO 2020】(03) 体をコツン、0.01秒左右

20200407 05
パラリンピック競技の視覚障害者競泳のレースでは、プールサイドに見慣れない長い棒を持った人たちが選手を待ち受ける。選手が壁に迫ると、先端に小さなクッションが付いたその棒で体を叩き、ターンやゴールのタイミングを知らせる。好記録を出す為には欠かせない、“タッパー”と呼ばれる役割だ。タッパーが叩くのが早過ぎても遅過ぎても、ターンやフィニッシュ直前の泳ぎにロスが生じ、その僅かな差が勝敗を分けることもある。選手の実力が拮抗すればするほど、タッピングの重要性も増していく。2016年リオデジャネイロ大会で銀2個、銅2個のメダルを獲得した木村敬一(29、東京ガス)のタッパーを長年務める等、多くの選手を導いてきた寺西真人氏(60)は、タッパーを“選手の目”と表現する。「タッピングで選手が速くなるわけではないが、選手の力を100%出させてあげるのがいいタッパー」。選手毎に異なる泳ぎの速さや、タッピングへの反応速度、ターンし易い位置等を頭に叩き込み、阿吽の呼吸で合図を出す。

「タイミングが0.03秒ずれたら負ける。指1本分、0.01秒以内の勝負」と言い切る。寺西氏は筑波大学付属視覚特別支援学校の元教諭。30年程前に水泳部を作ったのをきっかけに、タッパーを務めるようになった。2004年アテネ大会で初めてパラリンピックへ。男子50m自由形では、絶妙なタッピッグで、河合純一氏(44、現在は『日本パラリンピック委員会』委員長)の金メダル獲得に貢献した。「嬉しくて、体がふわっと浮いた感覚だった」と振り返る。以降、リオまで4大会連続で役割を果たしてきた。「タッパーの重要性は、最近になって漸く知られてきた。二人三脚でやっているつもりなので、選手と同じように勝てば嬉しいし、負けたら悔しい」とやり甲斐を感じている。『日本身体障がい者水泳連盟』の担当者は、「日本は海外に比べ、タッピングが記録に影響するという意識が強い」と話す。日本では監督やコーチがタッパーを務めることが一般的だが、海外では「誰でもいい」と、視力のある選手が他の選手を叩く場合もある。東京大会でも複数のメダルが期待される視覚障害者競泳。寺西氏にとっては「多分最後」の大会だ。それだけに目標も高い。「また自分で金メダルの瞬間を叩きたい」。16年前のアテネのあの感覚を、東京でまた味わいたいと意気込んでいる。 (脇西琢己)


キャプチャ  2020年3月5日付掲載
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