【防衛産業と技術】(下) 海外企業幹部に聞く――マーク・バージェス氏(『ハネウェルエアロスペース』副社長)、ロバート・モリシー氏(『レイセオンジャパン』社長)

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――日本では、どうビジネスを進めていますか?
「ハネウェルは、アビオニクス(航空電子部品)・レーダー・通信関係の製品に強い。中国を除くアジア地域では、日本・韓国・台湾が売上高の70%を占める重要市場だ。日本では、陸海空の自衛隊全ての航空機にハネウェルの製品が搭載されている。川崎重工業の哨戒機“P1”や輸送機“C2”、三菱重工業等が開発した国産ステルス実証機“X2”にも部品を供給した」
「民生品では、コマツと建機向けのナビゲーションシステムの構築で協力している。三菱電機やNECとは、人工衛星の製作で連携している」

――技術を求め、世界で提携やM&A(合併・買収)を進めています。
「今年2月に、カナダの衛星機器メーカーであるコムデブを買収した。イギリスの衛星通信会社であるインマルサットとは提携し、毎秒約40MBの高速通信回線を人工衛星で提供している。動画サイトのYouTubeだけでなく、大容量データのやり取りが可能になった」
「商用飛行機のレーダーで収集した気象データを集約して、ビッグデータとしてソリューションサービスで展開できないか考えている。ヨーロッパのソフトウエア会社であるアビアソを、今年初めに買収した」

――今後、有望とみる技術やビジネスの例は?
「飛行機の気象データは現在、パイロットが運航の為だけに使用している。世界中を飛んでいる全ての飛行機のあらゆる高度・地域のデータを、あらゆるものがインターネットに繋がる“IoT”で集めれば、ビジネスになる。燃費改善の為の航路を探すのに使えるかもしれない。実現に向け、衛星通信機器を無料で飛行機に取り付けることも考えられる」

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――日本での実績を教えて下さい。
「レイセオンは、日本で約50年間に亘ってライセンス供与や共同開発等を続けてきた。日本のサプライヤーは約1000社に上る。海上自衛隊の護衛艦に搭載する艦対空ミサイルや、航空自衛隊の戦闘機“F15”のレーダーは、三菱電機がライセンス生産している。メンテナンスもあるので、売り切り型のビジネスではない。現在は、約200機ある空自のF15向けに最新レーダーを売り込み中だ」

――日本の武器輸出三原則の緩和で、どのような取引が増えそうですか?
「レイセオンは輸出の実績が多く、日本企業とも協力できる。ミサイル防衛の“パトリオット2(PAC2)”の部品で、標的を追尾する赤外線シーカーに組み込む“シーカージャイロ”を三菱重工がライセンス生産しており、昨年末に輸出契約をした。防衛装備品移転三原則の下で、初めてとなる案件だ」
「最新鋭のミサイル防衛システムも開発している。“イージスアショア”(陸上型イージス)で、イージス艦の防空能力をそのまま陸上に移したような装備品だ。先に納入したルーマニアでは今年5月に稼働し、ポーランドでは2018年後半の配備が決まっている」
「日本の防衛省も、導入の是非を研究している。ロッキードマーチン製の地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD)は大気圏内で迎撃するのに対し、陸上型イージスは大気圏外で迎撃するのが特徴だ」

――共同開発等を更に模索する案件は?
「空自の次期戦闘機については、航空電子品や空対空・空対艦ミサイル等で注目している。日本の官民との共同開発の可能性も、常に関心を払っている」


⦿日経産業新聞 2016年11月16日付掲載⦿

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