【科学捜査フロントライン】(02) 寝屋川市中1男女殺害事件、“神の眼”防犯カメラは見ていた!

事件解決に、科学捜査の力が発揮された事件は数多い。先ずは、至る所で目を光らせる“防犯カメラ”。複数の“神の眼”が犯人を追い詰めた凄惨な事件に焦点を当てる。 (取材・文/ノンフィクションライター 八木澤高明)

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2015年8月13日23時30分。大阪府高槻市番田にある物流会社の駐車場で、会社の職員がトラックの陰に横たわる少女の死体を見つけ、警察に通報した。大阪府警高槻署の警察官らが現場へと急行すると、遺体の少女は両手首を粘着テープで縛られ、胴体部には刃物による切り傷等、30ヵ所の傷痕が残っていた。この日の昼間には遺体が無かったことから、夜になって遺体は遺棄されたものとみられている。少女の身元は、遺体発見から5日後になって、大阪府寝屋川市在住の中学1年生・平田奈津美さん(当時13)であることが判明した。平田さんは、遺体となって発見される前日の21時頃から22時半頃まで、同級生の星野凌斗君(当時12)と自宅近くのコンビニにいるところを近所の人々に目撃されていた。その後、2人はコンビニから移動したが、13日午前1時から午前5時過ぎまで、『京阪電鉄』寝屋川市駅近くの商店街アーケードに備え付けられていた防犯カメラに姿が写っていたことが確認されている。これ以降の足取りがぷっつりと途絶えたことから、この時間から程無くして、平田さんは事件に巻き込まれたものと思われた。一方で、一緒に防犯カメラに写っていた星野君の行方は、杳として知れなかった。平田さんの遺体発見から8日後の同21日19時30分、柏原市内の竹林で星野君の遺体が発見された。遺体には、平田さんと同じように顔に粘着テープが巻かれていて、手も縛られ、夏の暑い盛りということもあり、遺体は既に一部が白骨化していた。

平田さんの遺体が発見されてから間もなく、後に逮捕されることになる1人の男が捜査線上に浮かんだ。福島県内で除染作業員をしていて、お盆休みで寝屋川市内の実家に帰省していた山田浩二被告(45)である。警察は、平田さんの道体が発見されると同時に、遺体発見現場周辺の防犯カメラを確認した。先ず、遺体が遺棄されていた物流会社の駐車場から程近い場所にある防犯カメラに、不審な軽ワゴン車が写っていた。また、遺棄現場に向かう途中の国道170号線にあるコンビニの防犯カメラにも、同じ車が写っていた。遺棄現場となった駐車場の防犯カメラには、車ではなく、ライトだけしか写っていなかったが、最新の科学捜査は犯人に迫っていく。左右のライトの間隔や、地上からのライトの高さをカメラに写った物体と比較することによって、車の形状を絞り込み、コンビニ等の防犯カメラに写った車両と同じであることを特定したのだ。更に捜査は進んでいき、遺棄現場近くやコンビニの防犯カメラに写っていた軽ワゴン車が、平田さんと星野君の姿を捉えた京阪寝屋川市駅前の商店街の防犯カメラにも写っていることが判明した。同18日に平田さんの身元がわかり、最後に写った場所が寝屋川市の商店街であることがわかると、警察は、軽ワゴン車の所有者である山田被告を重要参考人としてマークしたのだった。事件発生当時、取材していた全国紙記者が言う。「警察は、未だ星野君の行方がわからなかった時点でも、そんなに人員を割いて捜索をしているような雰囲気ではありませんでした。既に山田被告を割り出していて、事件解決の糸口が見えていたんだと思います」。記者のコメントからも窺えるように、防犯カメラの存在は、警察の捜査において非常に重要なウェイトを占めている。一方で、街の各所に設置してある防犯カメラは、その解像度も区々で、カメラによっては画像が不鮮明で、肉眼では何が写っているのかわからないような映像も少なくない。そうした映像から犯人の車や顔を特定する役割を担っているのが、警察の科学捜査研究所や民間団体の法科学鑑定研究所等である。

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『法科学等定研究所』の冨田光貴所長が言う。「車両の特定に関しては、ドットしかないような粗い画像であっても、大きさを比較できる対象があれば、9割以上の確率で特定可能です。高画質のカメラで撮られたものであれば何の問題も無く鑑定できますが、私たちの所に持ち込まれるのは酷い画像のものが多いですから、最新技術にプラスして情熱が大事です」。防犯カメラの映像と科学捜査に携わる人々の熱が、犯人を追い込んでいく。同21日19時30分頃、山田被告(右画像)の車両の尾行を続けていた警察は、被告が訪れた場所を隈なく捜索し、柏原市内の竹林で星野君の遺体を発見したのである。山田被告が遺体発見現場を訪れていたことが決定的な証拠となり、遺体発見から1時間後に逮捕された。山田被告が逮捕以前、平田さんの遺体が発見された現場付近のコンビニで、事件に使われた粘着テープを購入する映像も確認されており、防犯カメラによって山田容疑者は周囲を固められていったのだった。寝屋川の事件が起きる約1ヵ月前にも、奈良県内で小学6年生の女児が26歳の男にリサイクルショップから連れ去られるという事件が起きているが、その際にも、ホームセンター周辺にあるコンビニの防犯カメラの映像から犯人を特定。翌日には逮捕された。防犯カメラの解析技術なくして、スピード解決はあり得なかった。犯罪捜査において、防犯カメラの映像は無くてはならない“神の眼”なのである――。


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