アウンサンスーチー氏に健康不安説が浮上…民主派の“後継者不在”が鮮明に

20180607 03
ミャンマーの最高指導者であるアウンサンスーチー国家顧問兼外務大臣(72)に健康不安説が出ている。ヤンゴン駐在のアジア各国外交官によれば、スーチー氏は近年、アメリカやオーストラリアを訪問した際、“健康上の理由”で一部日程が取り消された。身体麻痺説が流れたこともあり、長時間の航空機による飛行を避けているという。軟禁中の2003年には婦人科の病気で、2013年にも足の痛みで其々ヤンゴンの病院で手術を受けた。2016年には目の手術も受けている。与党の『国民民主連盟(NLD)』内には有力後継候補がいないだけに、スーチー後に軍人が再び実権を握り、軍部復帰という悪夢さえ可能性がある。


キャプチャ  2018年5月号掲載

テーマ : 国際ニュース
ジャンル : ニュース

ロシア軍が兵員確保に苦心…不足する歩兵と増加するムスリム

20180607 02
ロシア軍が、人口減少の煽りで兵員の確保に四苦八苦している。ロシアでは旧ソビエト連邦時代と同様、春秋の2回に徴兵が実施されており、この春は12万8000人が徴兵登録したが、この数字は直近十数年で最低の水準となった。ロシアの人口は1992年以降減少に転じ、最近5年間で15~24歳の人口が約450万人も減少。その煽りで、特に歩兵部隊の充足に困難が生じ始めている。ロシア軍は人員不足を職業軍人拡充で補おうとしているが、よりコストがかかる為、簡単ではない。深刻なのは、軍でのカフカス出身者の増加だ。スラブ系国民の減少は、カフカス地方出身のムスリム系国民より著しい。結果として、軍内部でのムスリム系の割合が確実に上昇している。このままでは、チェチェンや中東等の紛争地への派兵に困難が生じかねない。


キャプチャ  2018年5月号掲載

テーマ : 国際ニュース
ジャンル : ニュース

【基礎からわかる北朝鮮ミサイル発射】(13) 実際に核爆発が起こるとどんな被害が予想される?

核爆発が起きる際に生成される放射性物質は、天候等によっても被害状況が変わるという特徴もある。

20180606 15
核兵器は主に爆風と熱線によって目標を破壊し、人々を殺傷する兵器です。核分裂による爆発が起きると、爆風・熱線・放射線が出ます。広島原爆は地表ではなく、地上600mほどの高度で爆発しました。この高度で爆発させたのは、爆風の被害範囲を最大にする為でした。広島や長崎と同じ状況であるなら、爆風で破壊された建物や家具、屋外の乾燥した草木も燃え出し、個々の火災が結び付いて巨大な火災となり、広い領域を覆います。大火災では火事の前線は外へ外へと広がり、燃える物がある限り拡大していきます。こうした火災による被害範囲は、熱線による直接の火傷の被害よりも遥かに大きくなる可能性があります。爆発点からはγ線や中性子線といった初期放射線が放出され、同時に放射性物質も生成されます。核爆発の瞬間には、“小さい太陽”にもたとえられる光り輝く空気の塊、所謂“火球”が形成され、空気中で成長し、上昇を始めて、約1分後には熱線を放出できない温度にまで下がります。地表より高い高度での爆発では、爆発の高さと火球の大きさが局地的フォールアウトの規模を大きく左右します。

一方、火球が地表面に接触する場合は、土やその他の物質が蒸発し、火球により運び去られます。その後に吹き込む強い風により、大量の土や破片が吸い上げられ、核分裂生成物等の放射性物質と混ざり合って、上昇と同時に横方向にも広がり、軈て降下・沈着します。爆発地点周辺に約1日以内に降下するものを局地的フォールアウトと呼び、降雨・降雪があると集中的に降下・沈着します。これが“黒い雨”・“黒い雪”の正体です。また、被害は季節によっても変わります。刈り入れ時期なら農作物を放射性物質で汚染させ、安全に食べられる食べ物が減ることになります。冬季の攻撃なら、結果として住居を離れることを余儀なくされた人々に、寒さや風雨による被害を拡大させるでしょう。同じように、核攻撃による被害は日時にも影響されます。真夜中なら住民は建物の中にいますが、広島や長崎のように朝方や昼近くに核爆発が起こると、多くの人々が屋外にいる為、熱線や爆風の影響は大きいでしょう。近年、話題になっている電磁パルス(EMP)は、高高度核爆発によって放射された初期放射線が、空気を強く電離して生み出す強力なパルス状の電磁波です。トランジスタ等の半導体部品を用いている電子機器に大電流を生じさせ、破壊してしまいます。数百㎞の高高度で爆発すると、電磁パルスは数千㎞の距離まで到達する可能性がありますので、甚大な被害が予想されます。人への影響は、様々な条件が複雑に絡み合って生まれるのです。


キャプチャ  キャプチャ

テーマ : 北朝鮮問題
ジャンル : 政治・経済

【改革開放40年】第2部・科技強国(05) 原発と鉄道、輸出攻勢

20180605 06
藁葺き屋根の家が並ぶ海沿いの道を、土煙を上げてトラックが行き来する。海産物の養殖が盛んなこの港町の近くにある『石島湾原子力発電所』(山東省栄成市)に向かう車だ。クレーンが何本も見える原発の敷地内では、次世代型原子炉として期待される“高温ガス炉”の実証炉の建設が進む。日本にも基礎実験用の研究炉はあるが、発電試験を行なう実証炉は世界で初めて。原発に詳しい清華大学の劉学剛副研究員(42)は、「今年中には稼働する。様々な新しい知見が得られるだろう」と期待する。原発の建設で日米欧に遅れていた中国では、浙江省の『秦山原子力発電所』が1991年に漸く送電を始めた。日本の電力業界団体の現地視察団が、配管のボルトの締め方のノウハウ等を指導することもあった。だが、アメリカ、フランス、ロシア等の技術を導入、人材育成にも力を注いできた。『日本原子力産業協会』によると、今年1月現在、運転中の原発は37基で、『東京電力』福島第1原発事故後の規制強化で大部分が停止中の日本を除けば、アメリカやフランスに次ぐ世界3位だ。“原発強国”を目指し、国内のエネルギー需要への対応や温室効果ガスの削減に向けて建設のペースを上げている。2030年には100基以上を稼働させて、アメリカと並ぶ計画だ。

高速鉄道も、海外からの技術導入で外国との差を埋めた。2017年9月、世界最速の時速350㎞を誇る高速鉄道『復興号』が運行を始めた。習近平政権のスローガン“中華民族の偉大な復興”が名前の由来で、北京から1300㎞離れた上海に4時間半で着く。中国は日本やドイツ等から鉄道技術の提供を受けてきたが、北京交通大学の楊中平教授(47)は「復興号は設計から実験まで全て中国が自分で行なった“純国産”。技術は一段階上がった」と話す。中国は、巨大経済圏構想『一帯一路』の一環として、インフラ技術の海外輸出を狙う。その2本柱が原発と高速鉄道だ。先月10日に東京で開かれた原子力産業のシンポジウムでは、原発輸出を手がける中国企業の幹部が国産原子炉『華竜1号』について説明。「我々は原発の安全システムで顧客の要望に完全に応えることができる」と強調した。華竜1号は、フランスの技術を基にした新型の原子炉。福島第1原発事故を踏まえ、強い地震や津波にも耐えるとする。既にイギリスやアルゼンチン等への輸出が決まっている。高速鉄道も、ラオスやインドネシア等から建設計画を受注した。楊氏は、「国内の様々な地形や気候に対応する車両を開発してきた強みがある」と説明する。日本も原発や高速鉄道の売り込みに力を入れるが、嘗て“教え子”だった中国が強力な競争相手として立ちはだかる。ただ、華竜1号は運転実績が無く、事故やトラブルに本当に対応できるかは未知数だ。日本の研究者は「一旦技術を確立すると、もう外国の人は施設に入れなくなる」と、情報公開の不透明さを指摘する。高速鉄道では、受注時の強引な手法や見通しの甘さから、事業が停滞するケースも目立つ。核燃料サイクルが専門の広西大学の韋悦周教授(55)は、「長い経験を持つ日本から学ぶべきことは未だ多い」と指摘する。一方で、原発や高速鉄道の運転データは、研究費が伸び悩む日本にとっても貴重な研究開発の材料になる。『海外電力調査会』の渡辺揺特別研究員(66)は、中国を30年間見てきた経験を踏まえ、「中国の発展には日本が必要だし、日本も中国を利用できる。戦略的に関係を築くべきだ」と話す。 =おわり

               ◇

蒔田一彦・船越翔が担当しました。


キャプチャ  2018年5月5日付掲載

テーマ : 中朝韓ニュース
ジャンル : ニュース

【改革開放40年】第2部・科技強国(04) ドローン企業急成長

20180605 05
空中に浮かぶドローンの前に立った女性が、さっと手の平を翳す。手を下ろしていくと、その動きに合わせてドローンも高度を下げ、ゆっくりと着地。SF映画のような光景に、見物客から感嘆の声が漏れた。広東省深圳の商業施設内にあるドローン企業『DJI』の展示販売所では、従業員による実演が人気だ。高性能センサーを内蔵した最新機種は、手の動きで操縦できる。障害物を避け、自動で飛ぶことも可能だ。値段は約5000元(※約8万6000円)と安くはないが、従業員の女性は「世界中で飛ぶように売れていますよ」と笑った。日本や欧米の企業は2000年前後からドローンの商品化を始めたが、玩具のようなもので殆ど売れなかった。2006年創業のDJIは、一帯が“世界の携帯電話工場”という地の利を生かし、小型カメラや電池を使って2013年に空撮用ドローンを発売。今や世界市場の7割を占めると言われるまでになった。ドローンに詳しい東京大学の鈴木真二教授(64)は、「日本や欧米企業は技術そのものではなく、商品としての付加価値作りやブランド戦略で負けた」と話す。中国企業は従来、外国の技術や製品を真似て安く作ることで成長してきた。鈴木教授は、「独自に市場を作り出したDJIは、全く新しいタイプの中国企業だ」と指摘する。

新しい技術や、大学での研究成果を使って、ビジネスを創出しようという動きは各地にある。大学と研究機関が300以上あるという江蘇省は2013年、南京市内に『産業技術研究院』を開設した。新興企業が格安の値段でオフィスや実験室を使うことができる施設もある。この施設に3億元(※約50億円)を出資した大手製薬企業の幹部は、「未だ赤字だが、新興企業は数年で価値が100倍になることもある。これからが楽しみだ」と余裕の表情を見せる。政府支援の下、新興企業が目覚ましい成長を遂げている分野がAIだ。「AIチップ(※半導体)の開発で大切なのは、最終的にサービスを受ける人のニーズを知ることです」。3月に上海で開かれたAI関連の会議で一際注目を集めたのは、パーカーにジーンズ姿の若者、新興企業『深鑑科技』の姚頌CEO(25)だ。姚氏は2015年に清華大学を卒業し、翌年、仲間と共に北京で起業した。AIが自ら学ぶディープラーニング用のチップ開発を手がける。昨年、韓国の『サムスングループ』の投資機関等から計4000万ドル(※約44億円)の出資を受け、一躍時の人になった。北京や上海ではここ数年、大手IT企業やトップ大学が人材の供給源となり、AI関連ベンチャーが次々と誕生。そこに国内外から大量の資金が流れ込み、技術開発やビジネス展開が更に進むという好循環ができている。背景には、個人の権利意識が低い為、ビッグデータを得易いことや、当局と企業が元々緊密に協力していること等、中国特有の事情もある。AIによる顔認証システムを開発した新興企業関係者は、「各地の公安当局と連携し、2000人以上の容疑者確保に役立った」と明かす。中国政府は昨年、「AI産業の市場規模を2030年までに1兆元(※約17兆円)にし、技術面でも世界をリードする」と発表した。AIがあらゆる分野に活用される時代を見据え、政府と新興企業が二人三脚で覇権を目指す。


キャプチャ  2018年5月4日付掲載

テーマ : 中朝韓ニュース
ジャンル : ニュース

【改革開放40年】第2部・科技強国(03) 世界の頭脳を“爆買い”

20180605 04
天津市にある天津大学は、1895年に中国初の近代高等教育機関として開学した北洋大学を前身とする伝統校だ。その薬学院では英語が“公用語”になっている。「ハロー、実験の調子はどう?」「ハロー、ジェイ。予定通り進んでいます」。白衣姿で実験室に現れたジェイ・シーゲル院長(58)に、中国人学生たちは英語で気軽に応える。アメリカ人のシーゲル氏が院長に就任したのは2013年。大学の国際化とレベルアップを目指す計画のモデルケースとして招かれた。効果は直ぐに出た。志願者が増え、定員は4年前の2倍になった。外国人教員は4割を超え、雰囲気も変わった。修士課程の途中で研究室を移った大学院生の郭天剣さん(26)は、「中国人教授の研究室では、予め決められたゴールに合う実験をするよう求められた。ここでは自由に実験ができる。この違いに驚いた」と話す。研究経費補助500万元(※約8600万円)、一時金100万元(※約1700万円)――。政府機関の国家外国専門家局が作成した『千人計画』の採用者リストには、各人への支給金額が並ぶ。同計画は世界トップレベルの人材を招聘する目的で、2011年に始まった。中国メディアによると、2017年までにシーゲル氏のような外国人計381人が採用された。破格の待遇が特徴で、補助金の他、広い研究室やマンションも与えられる。普通なら遮断される国外のサイトに接続できるインターネット回線が用意されることもある。

申請時に65歳未満なら応募できる為、退職後の勤め先として中国を選ぶ研究者は多い。来年3月に定年を迎える東京大学の藤田豊久教授(64)も応募し、広西大学(※広西チワン族自治区)への赴任が決まった。リサイクル等資源処理工学が専門の藤田氏は、「日本の私大だと研究費が年数十万円ということもある。中国の研究環境は非常に魅力的だ」と話す。選考に携わった関係者は、「世界中から毎年数千人の応募が殺到する」と明かす。技術流出を懸念する声もあるが、シーゲル氏は「中国の科学技術は今後も発展する。国際化の利点を理解させる為にも、外国人が内側から声を上げ続けることは重要だ」と主張する。“頭脳の集積”は千人計画に限らない。ニューヨーク大学やリバプール大学等、海外の大学の中国進出も近年相次ぐ。シンガポール国立大学は近年、上海から西に100㎞の江蘇省蘇州市に『蘇州研究院』を開設した。同大は世界の大学ランキングで、アジアのトップに立つ名門校だ。この施設では、中国からも資金提供を受け、シンガポール国立大学の研究者が生物工学や電子回路等の研究を行なう。許国勤院長(56)は、「巨大な市場の直ぐ近くにいられることは、我々にとって大きな魅力だ」と話す。画一的な人事制度に縛られていた日本も、一流の外国人研究者に高額の報酬を支払える制度を作り、『理化学研究所』等3機関を対象に指定した。だが、2016年10月の運用開始以降、採用者は数人に留まる。指定機関の関係者は、「給与だけでなく、言語や生活環境等の面でも支援が必要だ。世界的な人材獲得競争に勝つ為には、もっと知恵を絞らなくてはいけない」と語る。日本の研究機関で10年以上勤務した後、2015年に上海の大学に移ったオーストラリア人男性(41)は、「日本では外国人研究者は中々昇進できず、自分のキャリアが見通せない。日本は“居続けたくてもいられない国”だ」と指摘した。


キャプチャ  2018年5月3日付掲載

テーマ : 中朝韓ニュース
ジャンル : ニュース

【改革開放40年】第2部・科技強国(02) 実験施設、狙うは一流

20180605 03
広東省東莞市郊外の丘陵地に、完成したばかりの大型実験施設『中国核破砕中性子源装置(CSNS)』の敷地が広がる。光速近くまで加速したビームをぶつけて原子核を壊し、中性子を発生させると、X線では見えない物質の構造や動きがわかり、新素材の開発や創薬等に役立つ。建設費は23億元(※約390億円)で、3月に正式に稼働した。建設を主導した『中国科学院高エネルギー物理研究所』の傳世年研究員(61)は、「世界トップクラスになった中国の科学者に、世界一流の道具を提供する」と話す。同様の施設としては、アメリカ、イギリス、日本に続き4ヵ所目。日本の加速器施設『J-PARC』(茨城県東海村)の斉藤直人センター長(53)は、「技術や経験は我々が先行しているが、中国の成長は速い。アジアの中核は日本から中国に移りつつある」と危機感を募らせる。威容を誇るCSNSの地下18mには、直線部分が240m、環状部分が1周280mの巨大な加速器がある。設備の96%は国産品だ。最早、単なる国威発揚が狙いではなく、実際に科学的な成果を上げることが目標だ。こうした大型プロジェクトは他にも進んでいる。3月3日、北京の人民大会堂で、国政の助言機関である『人民政治協商会議』が開幕した。委員を務める中国科学技術大学の潘建偉教授(48)は、大勢の報道陣に囲まれていた。潘氏は、2016年に打ち上げられた人工衛星『墨子』を使った量子通信の研究チームを率いる。チームは2017年以降、世界初の実験成果を次々と発表してきた。潘氏は、今年の『TIME』の“世界で最も影響力がある100人”にも選ばれた。

人工衛星を使った実験は、巨額の資金が重荷となり、ヨーロッパや日本は二の足を踏んでいた。日本の研究者は、「基礎科学の分野で、他国が中々手を出せない領域に踏み込み、世界をリードしている」とみる。一昨年、英誌のインタビューで潘氏は、政府が量子力学分野の研究に今後5年間で20億ドル(※約2100億円)投入する計画を明かした。人民大会堂に現れた潘氏は、自信たっふりな様子で、「我々は世界のトップを走り続けることができると信じている」と言い切った。“世界初”や“世界最大”等の謳い文句は、経済大国となった国民の自尊心を擽る一方で、プロジェクトの科学的意味に対しては疑念が付き纏った。例えば、2016年に運用を始めた世界最大の口径500mの電波望遠鏡『FAST』(※貴州省)は、中国国内でも「科学的成果が見込めるかどうかよりも、世界最大の望遠鏡を完成させることが優先された」(科学誌記者)との批判があった。ただ、プロジェクトを進めることで、結果として人材が育ち、研究レベルが引き上げられるという面もある。予算が十分に確保できず、計画の実施が容易ではない日本とは対照的だ。日本は、大型研究計画に必要な施設の建設や運用等の予算は年間約330億円で、10年前から約120億円減った。素粒子・ニュートリノの研究で日本にノーベル賞を齎した観測装置『カミオカンデ』と『スーパーカミオカンデ』(岐阜県)も、後継プロジェクトは建設費がネックとなって実現の目処が立たない。「これから10年・20年の内に、中国でノーベル賞受賞者が続々と現れるだろう」。昨年末に北京で開かれた経済フォーラムで、北京大学国家発展研究院の姚洋院長(53)は強気の見通しを示した。自然科学分野のノーベル賞受賞者は過去1人だけだが、「中国は国を挙げてノーベル賞を取ろうとしている」と見る外国人研究者は多い。チベット自治区阿里地区の標高5250mの高地では、新たな観測施設の建設が進んでいる。宇宙誕生から38万年後に出た光・宇宙マイクロ波背景放射を捉える施設だ。宇宙の成り立ちの解明に繋がるノーベル賞級の発見を目指す。建設にはスタンフォード大学のチームが協力しており、2021~2022年頃に観測を開始する計画だ。国際チームで観測を続けている『高エネルギー加速器研究機構』(茨城県つくば市)の羽澄昌史教授(53)は、「資金力のある中国は、経験豊富なチームと組むことでノウハウを吸収し、一気に世界のトップに立つ可能性は十分にある」と警戒する。


キャプチャ  2018年5月2日付掲載

テーマ : 中朝韓ニュース
ジャンル : ニュース

【改革開放40年】第2部・科技強国(01) 実験用に30万匹“猿の王国”

中国が1978年に『改革・開放政策』を打ち出してから40年を迎える。経済発展と共に、科学技術分野でも力を付け始めた。アメリカと肩を並べる“科技強国”を目指して突き進む中国の現状を現場から報告する。





20180605 01
ミャンマーやベトナム等の国境に近い雲南省昆明市。中心街から車で約1時間の山間に、世界の科学者の注目を集める『中国科学院昆明動物研究所』の飼育施設がひっそりと佇む。“生産繁育区”と呼ばれる一角には27棟の小屋が並び、約2600匹の実験用のサルが飼われている(※右画像)。サルは絶えず動き回り、「キーキー」という鳴き声が辺りに響く。職員の女性(30)は、「24時間態勢でサルの健康状態を監視している」と説明する。この研究所は、サルの遺伝子改変研究の最前線の現場だ。自閉症に関わる遺伝子の除去に成功する等、多数のサルを使って次々と成果を上げる。姚永剛所長(42)は、「6つのチームで研究に当たっている」と胸を張る。動物愛護の観点から、欧米では霊長類の実験に慎重な面もあり、サルの遺伝子改変は日本の“お家芸”だった。光る蛋白質を組み込むことで、2009年に世界で初めて体が光るサルを生み出し、様々な疾患を持つサルの研究も進めてきた。だが、昆明動物研究所のような大型施設が各地にあり、実験用のマカクザルだけで30万匹いるとされる中国が、日本を猛追する。“猿の王国”――。イギリスの科学誌『ネイチャー』は2016年掲載の記事で、サルの遺伝子改変の論文数で世界トップの中国をそう評した。2016年にスイスで開かれた国際会議で、中国は「今後15年間で人間の脳の全容解明を目指す」と宣言。『中国科学院神経科学研究所』の蒲慕明所長(69)は「サルは良い研究資源だ」と述べ、大量のサルを武器に脳科学の覇権を握る考えを示した。

“科学の最後のフロンティア”と言われる脳科学だが、直接、人間の脳を研究するのは難しい。東京大学の岡部繁男教授(57)は、「遺伝子改変で脳の病気を再現したサルを調べることは非常に重要だ」と指摘する。中国は脳のメカニズム解明を土台に、鬱病や認知症の薬の開発や、AIの創出等産業応用を狙う。『実験動物中央研究所』(神奈川県川崎市)の佐々木えりか部長(51)は、「日本の研究用のサルは5000匹にも満たず、中国の“物量作戦”に正面から挑んでも負ける。日本独自の技術を育てて勝負すべきだ」と訴える。「研究成果は世界に影響を与えた」――。中国科学技術部の万鋼部長(※当時)(65)は、3月10日に北京で開いた記者会見で、自慢の“クローンサル”に言及し、満足げな表情を浮かべた。今年1月に『中国科学院』の研究チームが、「サルの胎児の体細胞から、遺伝情報が同じクローンを作ることに成功した」と発表。見た目もそっくりな2匹の小猿の写真は、世界を驚かせた。それまでも牛や羊のクローンはあったが、霊長類は世界で初めて。遺伝子改変技術と組み合わせれば、脳の病気を持つサルを効率よく増やし、研究に使える。研究チームは発表後に上海で行なわれた講演会で、「クローン技術はパーキンソン病等の脳疾患研究に役立つ」と強調した。一方、このクローンサルを作るには、400個以上の卵子と60匹以上の代理母が実験に使われた。生命倫理に詳しい北海道大学の石井哲也教授(48)は、「今回の研究にこれだけのサルを使う正当性があるのか?」と疑問を呈する。日本で動物実験をする際には、動物愛護管理法に基づき、実験回数をできるだけ減らす配慮等が求められる。前出の姚氏は、こうした倫理の指摘に対し、「我々は実験動物の管理の適格性について、国際的な認証を受けている」と反論する。日本は今年度から欧米と脳科学の国際連携を強化する方針だが、将来、欧米が中国と手を組む可能性もある。文部科学省ライフサイエンス課の永井雅規課長(47)は、「中国の動向は常に注意しなくてはいけない」と警戒する。

続きを読む

テーマ : 中朝韓ニュース
ジャンル : ニュース

「動き始めたら後戻りするより進んだほうが生き残る確率が高いんですよ」――丸山ゴンザレス氏(犯罪ジャーナリスト・編集者)インタビュー

深夜番組『クレイジージャーニー』(TBSテレビ系・一部地域除く)に“危険地帯ジャーナリスト”として出演中。スラム街から麻薬密売地帯まで、世界の危険地帯にぐいぐい分け入っていく。そのインパクトのある風貌に大胆不敵な行動力。彼は一体何者なのか? 何故、危険を顧みず、世界の暗部に赴くのか? (聞き手・構成/編集プロダクション『清談社』 野中ツトム)





20180601 15
――クレイジージャーニーで毎回、危険地帯に突っ込む丸山ゴンザレスさんの姿は、視聴者に大きな衝撃を与えています。特に、2016年初夏に放送された“メキシコ麻薬戦争リポート”は、地上波でよくやれたものです。
「メキシコ麻薬戦争では、市民・警察・軍等12万人が犠牲になったといいます。でも、そうした情報を読むだけだと、僕の中では『それって何なの?』という疑問が消えなかった。起きていることを自分の肌で体感したかったんです」

――日本人ジャーナリストがあまり取材していないテーマですし、「俺がやらなきゃ誰がやる」といった使命感があったんですか?
「いや、僕が取材に出かける動機は、いつも単純に“知りたい”という好奇心です。例えば雑誌を読んでいて、北千住の話が出てきて、『実際はどんなところなんだろう?』と気になったとします。そこで、『じゃあ行ってみようか』と出かけていくぐらいの感覚です。『行きたかった」『知りたかった』『見たかった』みたいなシンプルな動機じゃないと、嫌になった時とか、自分への言い訳を作り易いと思うんです」

――とはいえ、平和な北千住に散歩に出かけるのと違って、“戦場”のメキシコでは人がバンバン死んでいる訳ですよね。
「高速道路を車で走っていたら、明らかに殺されたものとしか思えない状況の死体が路肩に転がっていました。僕がメキシコに行った際に協力してくれた現地の人物からは、『この相田の取材でゴンザレスが会ったアイツ、殺されたよ』と写真入りでメッセージが送られてきたこともあります。最近では海外からの取材者に対する麻薬カルテルのアプローチが厳しくなっていて、“ナルコス”(※コロンビアの麻薬組織とアメリカの捜査官の戦いを描く『NETFLIX』のドラマ)のロケハン隊がメキシコで殺されています」

――ゴンザレスさん自身の命が危ない場面はありましたか?
「カルテルに終始監視されて、ジワジワと距離を詰められているのを感じました。『殺されるかもしれない』という恐怖を与えて追い込んでくる脅しでした」

――行動が筒抜けということですか?
「真夜中に複数の男たちがホテルの部屋のドアをノックしてくるんですよ。ホテル側が情報を流していたのかもしれない。部屋を空けた瞬間に撃たれる訳ではないでしょうけど、尋問や拉致はあり得ると考えて無視していました」

――居留守が通じたんですか?
「男たちはドアを開けようと思えば開らけれる状況ですから、『もうこんなもんで十分ビビっただろ』というところで帰ったんだと思いますよ。だけど、翌朝にホテルの部屋の外に出て煙草を吸っていたら、すっと誰かが後ろにやって来て、『お前昨日、そこの店でタコス食っていただろ』と、スペイン語圏のメキシコでは珍しい英語で囁く。こちらが『えっ!?』と混乱しているうちに、スーッと彼は消えていくんですよ」

――「俺たちはずっとお前を見ているぞ」と暗示させる、痺れる脅し方ですね。
「カルテルにとって殺すのは最終手段。その前に気付けってことですよ。短期取材だから助かりましたが、あのまま長期滞在していたら殺されていた可能性もあります」

続きを読む

テーマ : 社会ニュース
ジャンル : ニュース

【基礎からわかる北朝鮮ミサイル発射】(12) 核兵器と原発事故は全くの別物である

放射性物質を放出するのは同じでも、原発事故と核兵器では、その影響は全く違ってくる。

20180530 17
核兵器危機の被害をシミュレーションしようとすると、ついつい『東京電力』福島第1原発事故を重ね合わせてしまいますが、これは大きな間違いです。専門的になる為、結論だけを述べると、核分裂連鎖反応の時間が核爆発のように極端に短いと、主に生成するのは短半減期の放射性物質なのです。半減期とは、放射性物質の放射能の強さが初めの半分に減る時間のことです。大雑把な言い方ですが、放射性物質は、半減期の10倍の時間が経つと、影響は非常に弱くなると考えて下さい。一方、原子力発電所の原子炉では、核分裂連鎖反応が1年・2年と持続します。すると、半減期が約30年のセシウム137のような長半減期の放射性物質が生成され、運転すればするほど増えてしまうのです。もう1つ、原子炉事故が非常に厄介な理由を述べましょう。例えば、広島原爆は約900gのウラン235が核分裂しましたが、福島第1原発の1~3号機では、1日当たり6.5㎏のウラン235が核分裂していました。つまり、核分裂生成物等の放射能の量が原子炉は桁違いに多いのです。原子炉が深刻な炉心損傷事故を起こして、放射性物質が環境に漏れ出ると、何年も事故現場付近に戻れなくなるのは、生成する核分裂生成物の違いからくるものです。例えば、核爆発で生成される半減期が約8日のヨウ素131の場合、半減期の10倍の80日間が経過すると放射能は非常に弱くなり、被爆源としての影響はほぼ無くなります。原爆が落ちた広島や長崎では、当時、「100年は住めない」等と言われましたが、直ぐに人々は戻り、目覚ましい復興と発展を遂げました。ところが、半減期が約30年のセシウム137が漏れ出ると、住民にとって非常に厄介な事故となる訳です。ある意味、放射性物質だけを抜き出して比較すると、核兵器のほうが原発事故よりも遥かに扱い易いとも言えるのです。


キャプチャ  キャプチャ

テーマ : 北朝鮮問題
ジャンル : 政治・経済

轮廓

George Clooney

Author:George Clooney

最新文章
档案
分类
计数器
排名

FC2Blog Ranking

产品搜索
广告
搜索
RSS链接
链接