【太陽光発電・バブルの爪痕】(05) 3人の元総理も注目するソーラーシェアリング

20180214 12
農地を覆い尽くす高さ約3mの太陽光パネルの下に、小泉純一郎氏、細川護熙氏、菅直人氏の3人の歴代総理が揃い踏みした(※右画像)。昨年4月、千葉県匝瑳市で開催された大規模ソーラーシェアリングの落成式の一コマだ。ソーラーシェアリングとは、農地の上に太陽光発電所を造り、作物を育てながら売電収入も得ることで、年々厳しさを増す農家の生活を支えるという新しい農業スタイルだ。森林を切り開かず、農地をそのまま生かせる為、環境に優しい。また、耕作放棄地を使って若手の就農希望者を募れば、農地も復活させられる。結果的に、国家安全保障上欠かせないエネルギーと食の自給率向上を目指せるのだ。更に、電気ステーション等を造れば、FIT終了後も地域で自家消費するエネルギーとして活用できる。脱原発を掲げる3人の元総理は、そんなソーラーシェアリングに大きな期待を寄せている。このプロジェクトに参加した『千葉エコエネルギー』の馬上丈司社長は、「クリーンエネルギーを標榜しながら、地方の資源を食い潰す太陽光発電の在り方に疑問があった。ソーラーシェアリングはそれを一気に解決できる」と胸を張る。だが、その新しさ故、世間での知名度は未だ低い。更に、農地は農地法で厳重に守られており、一時的に発電所に転用する手続きの煩雑さがネックだ。勿論、地元農家との合意形成も必要で、導入にはある程度時間を要する。その為、融資が付き難いのが現状だ。そんな中、農林水産省と環境省はソーラーシェアリングの導入を推進すべく、連携事業として、2018年度概算要求で、導入費用に対する10億円の補助金を要求する。課題はあるが、国の後押しがあるソーラーシェアリングは、新しい地域分散型エネルギーとして活躍の場を広げていく。 =おわり

               ◇

大根田康介(本誌委嘱記者)が担当しました。



キャプチャ  2018年1月13日号掲載

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【2018年の世界経済を読み解く】(06) 中国から始まるデジタル産業革命

20180214 10
中国が大衆向けデジタル産業の分野で、世界トップの地位を固めつつある。中国のeコマース市場は世界の40%を占める。自動運転車、3Dプリンティング、ロボット工学、ドローン、AIに重点投資する世界のベンチャーキャピタルにとって、中国はアメリカに次ぐ世界第2位の投資先だ。今や、世界のユニコーン(※企業価値が10億ドルを超える非上場ベンチャー企業)の4分の1が中国企業だ。中国のクラウドプロバイダーの効率は世界第2位。中国はサービス分野では貿易赤字国だが、デジタルサービスに限定すると最大で年間150億ドルもの貿易黒字だ。中国のデジタル産業を牽引するのは、『アリババ集団』・『百度(バイドゥ)』・『騰訊控股(テンセントホールディングス)』といった巨大IT企業だ。この3社の月間アクティブユーザー数は5億~10億人。彼らはその規模を利用し、巨大なエコシステムを構築している。巨大IT企業は、スタートアップへの投資にも積極的だ。中国最大手の配車サービス『滴滴出行』や、レストランの口コミサイトを運営する『美団点評』、インターネット通販大手『JDドットコム』を運営する『京東商城』等、国内の上位スタートアップへの投資の30%は、アリババと百度とテンセントの3社によるものだ。世界最大の市場と豊富な投資資金を持つ中国は、“コピー大国”から“イノベーション大国”へと脱皮しつつある。中国のテクノロジー企業は、国内での激しい競争から高度なビジネスモデルを構築することを学び、自らのビジネスを守る強固な“堀”を築いてきた。何より重要なのは、中国がスマートフォンを使ったモバイル決済の最前線にいること。6億人のスマホユーザーがP2P送金を行なっており(※友人間での送金が可能)、更に多くのイノベーションが生まれる基盤になるだろう。

スタートアップの技術力が高まる中、市場の大きさばかりが強みだった中国は、膨大なデータを強みとする国に変貌しつつある。これは、AI開発を進める上で極めて重要だ。顔認証ソフトを開発した『曠視科技(メグビー)』は先頃、AI企業として史上最高の4億6000万ドルを調達。中国のドローン最大手である『DJI』、音声アシスタントの『iFlyTek(アイフライテック)』、監視カメラシステムの『杭州海康威視数字技術(ハイクビジョン)』の企業価値も、其々の領域で世界一だ。中国のデジタル産業のもう1つの重要な特徴は、オンラインとオフラインの融合(OMO)だろう。企業は人の身元、居場所、動きを認識し、そのデータを使って現実の世界のデジタル化を進めている。OMOを実現した店舗には幾つものセンサーが設置されており、客の身元を認識し、通販サイトと同じくらい的確に客の好みに合った“おすすめ品”を提供する。こうしたインフラ整備を積極的に進める中国は、OMOでも世界のリーダーになるだろう。一方で、既存企業のデジタル化は遅れている。だが、それも変わるかもしれない。『マッキンゼーグローバルインスティテュート(MGI)』によると、2030年までにデジタル技術の3大効果(※仲介業者の排除・プロセスの細分化・脱物質化)が、各業界の収益を10~45%押し上げるだろう。動きの鈍い大手企業から小回りの利くデジタル企業へと価値がシフトし、更に大掛かりな創造的破壊によって非効率性が追放されれば、中国経済は新たな世界的競争力を手にする。中国がイノベーション大国として台頭してきた背景には、政府の強力な後押しがある。李克強首相が2014年に“大衆創業・万衆創新”(※大衆による起業・万民のイノベーション)を唱えて以来、中国には起業のノウハウや資金をサポートするインキュベーターやアクセラレーターが8000社以上生まれている。政府引導基金は、ベンチャーキャビタル等の投資機関に274億ドルもの資金を供給してきた。更に政府は、7年以内に5Gデータ通信サービスを実現することを目指して1800億ドルを投入する他、量子技術の開発支援にも力を入れている。中国国務院は、2030年までに中国を世界のAIイノベーションの中心にする為の指針を発表した。河北省に建設される新経済特区の雄安新区は、自動運転車向けに設計された世界初の“スマートシティー”になるかもしれない。その一方で、こうした経済のデジタル化は既存の労働市場を破壊するだろう。先ず、カスタマーサービスや電話によるセールスといったサービス業務が不要になる。次に消滅するのは、工場の組立ライン作業といった単純作業の仕事だ。最終的には、車の運転やエックス線撮影といった仕事の一部も自動化されるかもしれない。MGIの予測では、自動化のスピードが最も速ければ、中国で8200万~1億200万人が転職を強いられる。この為、失業者の再訓練が中国政府の大きな課題になるだろう。大手テクノロジー企業が独占的地位を乱用してイノベーションを窒息させないように、目を配る必要もある。それでもデジタル時代を歓迎し、積極的な支援策を取り、過剰規制を回避してきた中国が、この分野で世界をリードしていくのは間違いない。 (『グーグルチャイナ』元総裁 カイフー・リー&MGIディレクター ジョナサン・ウェツェル)


キャプチャ  2018年1月16日号掲載

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【2018年の世界経済を読み解く】(05) ビットコインは主犯無き投資詐欺だ

20180214 09
主流メディアも漸くビットコインに注目し始めた。いや、降って湧いた投資ブームで注目せざるを得なくなったというのが実情だろう。ビットコイン相場は、昨年初めから12月半ばまでに1600%超も上昇した。1BTC=100ドル強だった時期に纏まった投資をした人たちは、文字通り億万長者になったことになる。ビットコインの時価総額は、12月には2500億ドルを超えた。年末までには相場は調整局面に入ったものの、今も乱高下が続いている。12月の急騰を齎したのは何なのか? 主な要因は、アメリカの規制当局がビットコインの先物取引を認可したこと。機関投資家の市場参入が予想され、期待感から現物相場も上昇した。他の国々もこの動きに倣うとすれば、今後、更に巨額の資金が流入するだろう。そうではあっても、只のオープンプラットフォームが時価総額で世界屈指の巨大企業と肩を並べるとは、一体どういうことなのか? 「バブルに過ぎない」――。恐らく、それが答えだろう。ドルであれ、円やポンドであれ、通貨は価値を示す尺度だ。例えば、5ポンド紙幣は5ポンドの価値がある商品やサービスと交換できるが、5ポンド紙幣そのものに価値がある訳ではない。ビットコインも、元々はそうした機能を持つ通貨として開発された。つまり、1BTCを提供すれば、1BTCの価値がある商品なりサービスを入手できるというコンセプトだ。

しかし現実には、1BTCを提供すれば1万5000ドルを入手できるという状況になった。その結果、ビットコインは価値の尺度、つまり通貨ではなくなった。通貨であれば、これほど価値が上がれば今頃は超デフレになっている筈だが、そうはなっていない。ならば、ビットコインとは何なのか? 別の資産か? 価値を蓄積・保存できるという点では金塊に近いが、金塊のような実体は無い。ビットコインはシステムだ。資金はそのシステムに流入している。システムの価値は人々の“認識”で決まる。BTCをドルや円に換えれば、商品やサービスを買える。初期にビットコインに投資した人たちは、新参者がどんどん資産を齎してくれたおかげで、現時点で換金すれば巨万の富を手にできる。その意味では、ビットコインはポンジスキーム――つまり、資金を運用せずに次々に投資を募って利回りを払う一種の投資詐欺のようなものだ。但し、ビットコインは謂わば分散型のポンジスキームで、誰かが仕組んだ詐欺ではなく、参加者全体がその仕組みを支えている。ビットコイン投資がブームになり、ブロックチェーンのことなど理解していない人たちまで参入するようになれば、相場はどんどん上がる。だから、市場に参入し始めた機関投資家やプロは、新参者を引き込む為に「ビットコイン投資は有望だ」と盛んに吹聴する。更に相場が上がれば、初期に投資した人たちはさっさとドルや円等の法定通貨に換えて、ビットコインコミュニティーから出て行くだろう。その結果、相場が下がれば、新参組に残されるのは価値の無い仮想コインだけだ。これが金塊なら値下がりしてもアクセサリーにできるだろうが、仮想コインではどうしようもない。ビットコインには持続可能性、拡張性、情報セキュリティー等、克服すべき課題が多々ある。しかも、こうした問題を解決した改良版の仮想通貨が次々に登場し、ビットコインは熾烈な競争に晒されている。ビットコインに未来は無い。ブロックチェーンには未来があるが、将来的に仮想通貨市場の覇者となるのはビットコインではない。今のところは未だコミュニティーの初期のメンバーが稼げる余地はあるが、これから入っていけば泣きを見る。ポンジスキームの破綻は時間の問題だ。 (『シティーファルコン』CEO ルズベー・バチャ)


キャプチャ  2018年1月16日号掲載

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【2018年の世界経済を読み解く】(04) 政治も経済も“中心”無き時代へ

20180214 08
「全てがばらばらになり、中心は持ち堪えられない」――。アイルランドの詩人であるW・B・イエーツのこの恐るべき予言が現実になるのか? これこそ、2017年の出来事を経たアメリカが、そして多くの意味で世界全体が直面している最も重要な問いだ。イエーツが書いたように、「最良の者はあらゆる信念を欠き、最悪の者が情熱的な激烈に満ちる」状況が続くのか? 懸念を覚えずにいられないが、崩壊を予測するには未だ早い。今、アメリカ大統領の座にあるのは、核武装した国の指導者やメディア、自身の政権のメンバーや宗教的・人種的マイノリティーに『ツイッター』で毒舌を浴びせる人物だ。その一方で彼は、民主主義や寛容、国際法の価値を愚弄する人々をひたすら称賛する。中国、ロシア、トルコ、サウジアラビアは、1年前に比べてより独裁主義的でナショナリスト的になり、国際社会で攻撃的な姿勢を強めている。更に、北朝鮮という存在もある。核弾頭と長距離弾道ミサイルの実戦配備に突き進む同国の指導者は、輪を掛けて好戦的で、行動が読めないという点でも恐らく群を抜いている。ヨーロッパも昨年は試練に晒された。9月に行なわれたドイツの総選挙では、極右の民族主義政党がほぼ60年ぶりに連邦議会に議席を獲得して、第3党に躍進。ヨーロッパの多くの国の選挙で、極右政党がこれまでにない台頭を見せ、ポーランドの首都・ワルシャワでは11月、「ヨーロッパは白人の地だ」と主張する極右デモに約6万人が参加した。そう、確かに世界には“情熱的な激烈”が溢れている。その標的は、人類史上最良の時代を齎した伝統や知識だ。

こうした伝統や知識が培われてきたからこそ、生活水準の向上、抑圧からの解放、科学的進歩や芸術の発展、苦痛の軽減、残酷な形の死の最少化という面で、人類は過去数十年間、素晴らしい時代を謳歌できた。全てはばらばらにならずにいられるか? 何らかの中心が保たれるのか? 金融市場の見方は驚くほど楽観的だ。2016年のアメリカ大統領選でドナルド・トランプが勝利してからの1年間、アメリカの株式市場は記録的上昇を続ける一方、実際の市場でも将来予測でもボラティリティー(※変動性)指数は歴史的基準に照らして極めて低い。更に世界には、アメリカよりも好調な株式市場もある。高い株価と低いボラティリティーの組み合わせは意外に思えるかもしれない。だがこれは、地政学的事件と株式市場の動向には限定的な関係しかないことを示しているのではないか? 例えば、日本軍による真珠湾攻撃、ジョン・F・ケネディ大統領の暗殺や9.11テロの時も、アメリカ経済に持続的な影響は無かった。1987年10月のブラックマンデーを始めとするアメリカ株式市場の大変動は、概して取り立てて大きな事件が無い時に起きている。株価が高騰しているのは、株式市場が個々の企業によって構成されているからだ。昨年1年間、企業収益は驚くほど増加すると共に、驚くほど予想通りの動きを示していた。とはいえ、こうした状況がいつまで続くか判断するのは難しい。加えて、レバレッジ取引やプログラム売買(※予め設定したプログラムによる株の売買)の増加というリスクが存在し、下落傾向になれば大量売りが起こる恐れがある。1987年の株価大暴落の直前でさえ、市場が危険なまでのバブル状態にあるようには見受けられなかった事実は覚えておいたほうがいい。金融機関の健全性を巡る疑問もある。大手の自己資本比率や流動性は、2008年の金融危機以前と比べて遥かに高まったように見えるが、市場リスク指標が示唆するところによれば、危険はすっかり去った訳ではない。一見したところ、自己資本比率が上昇し、レバレッジ比率が減少していながら、銀行株は(金融理論の予測に反して)変動が大幅に小さくなってはいないようだ。トランプを含めた多くの人々は、金融市場の現状を“安心材料”に挙げる。しかし、金融危機が再来した時には政治的な破滅が待ち受けるだろう。そうなれば、更に有害なポピュリズム的でナショナリストの政治家が指導者の座に就くことになりかねず、中心は持ち堪えられない。景気の行方という疑問もある。喜ばしいことに、ほぼ世界的に景況感は良好だ。インフレがコントロール不能なまでに加速して、緊縮財政・金融政策に舵を切ることを余儀なくされることはなさそうだ。大半の予測筋は、「景気後退の短期的リスクは低い」とみている。とはいえ、景気後退に関する予測は当たらなくて当たり前だ。アメリカの景気拡大は長期間続いており、トランプ政権の問題だらけの経済手腕を考えれば、政策上のミスを犯す可能性は確実に存在する。私がみるところ、向こう数年間の1年毎の景気後退確率は20~25%、今後3年間にアメリカ経済が後退に陥る確率は50%以上だ。

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『楽天』の携帯電話事業参入の発表直前に広報部長“退職”でざわつく業界

20180214 06
『楽天』が昨年12月に携帯電話事業への参入を発表する直前、広報部門のトップがひっそりと退職した。後任は、渉外室長として首相官邸との調整役を務めてきた元警察官僚の関聡司氏が兼務することになり、「この人事には三木谷氏の思惑が潜んでいるのではないか?」と臆測を呼んでいる。関氏は2006年に楽天に入社。以来、楽天の渉外担当、及び2012年に三木谷浩史会長兼社長が立ち上げた経済団体『新経済連盟』の事務局長を務める等して、官邸や省庁とのパイプ役を果たしてきた。「官僚出身を鼻に掛けるところもなく、謙虚な人柄」と評価は高い。前任の広報部長の笠下清二氏の退職理由は、表向き、家族の介護。だが、そのタイミングが携帯キャリア事業参入の2週間前で、他の携帯キャリアからは「社内の足並みが揃っていないのでは?」との見方も。実際、携帯電話事業への参入を発表した日の取締役会でも、この参入に異論が出たという。“第四の携帯キャリア”には、携帯電話料金の水準を下げる呼び水として、官邸からの期待は高い。関氏の起用には、「官邸との関係強化が狙いでは?」との見方も広がっている。異例の人事は、官邸の後押し無しでは立ち行かない楽天の携帯電話事業の暗い先行きを物語るのか――。


キャプチャ  2018年1月号掲載

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『日本外国特派員協会』の事務所移転を巡り“大家”三菱地所と争い勃発

20180214 05
日本駐在の外国人ジャーナリストの活動基盤である『日本外国特派員協会(FCCJ)』の移転計画を巡り、FCCJと『三菱地所』の対立が先鋭化してきた。FCCJは、現在の有楽町の『電気ビル』から、より皇居に近い丸の内の再開発ビル『丸の内3-2計画』(※仮称)へ移転を予定していた。電気ビルは三菱地所の所有で、移転先も三菱地所・『東京商工会議所』・『東京會舘』の三者が敷地を出し合い、再開発する。確執の発端は移転の経費負担だ。FCCJの移転は、“丸の内から世界への情報発信”と三菱地所が宣伝するように、丸の内3-2計画の目玉の1つで、「三菱地所から執拗な誘いがあった」(FCCJ加盟のアメリカ人記者)。電気ビルが老朽化し、将来の建て替えの為に、いずれ退去を求めることも示唆されたという。だが、数千万~数億円と言われる移転費用をFCCJ側が考慮しておらず、今年10月に予定される移転に異論が噴出。三菱地所の事前説明不足を批判する声が強まり、電気ビル残留の主張が支持を広げている。FCCJでは、移転を推進した会長らは既に退任し、決定の詳細も不透明だ。対立が長引くと、移転騒動がニュースとなって世界を駆け巡るかもしれない。“丸の内の大家”こと三菱地所が、丸の内の負のイメージを発信させてしまえばブラックジョークだ。


キャプチャ  2018年1月号掲載

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世界が頼った“世紀のイノベーター”…“ロケットササキ”こと佐々木正氏死去

20180213 11
日本、そして世界の半導体産業の発展に貢献した佐々木正氏が、先月31日に死去した。102歳だった。『ソフトバンク』の孫正義氏や『Apple』のスティーブ・ジョブズ氏も頼った“世紀のイノベーター”。戦争を生き延びた恩に報いようと、技術による人類の発展に最後まで挑み続けた。電子技術が生み出すイノベーションを追求し続けた佐々木正氏は、99歳だった2014年11月、本誌の取材で『私の遺稿と題した遺言を託した。そこには、「地球生命を考え、“地球を救う会”を作ることをお願いしたい」と記されていた。佐々木氏は、『早川電機工業』(※現在の『シャープ』)で世界初のオールトランジスタ電卓を開発した日本の電子立国の立役者だ。しかし、当初は大規模集積回路(LSI)をアメリカ企業と共同開発し、国策として半導体産業の育成を目指していた業界関係者からは国賊とも呼ばれた。佐々木氏がアメリカ企業と手を組んだのは、製造で協力してくれる企業を探していたところ、日本企業が見向きもしなかったからだった。

技術に純粋な佐々木氏には、国境は関係ない。結局、開発に貢献したLSIは、アメリカのアポロ月着陸船第1号に生かされ、国内で仕掛けた電卓戦争は日本の半導体や液晶、そして太陽電池の産業基盤育成に繋がった。常に若い才能に寛容だった。手を差し伸べた1人が、カリフォルニア大学バークレー校在学中に翻訳機を開発した孫氏だ。大手電機メーカーに軒並み事業化を断られ、失意に暮れていた孫氏から、シャープが約1億円で技術を買い取り、起業を支援した。その後、孫氏が肝臓を患い入院した際には、毎日のように見舞いに訪れたという。Appleの創業者であるジョブズ氏も、佐々木氏を頼った1人だ。会社を追われていたジョブズ氏に、ライバルである『マイクロソフト』創業者のビル・ゲイツ氏との協力や、事業のアイデアを助言したという。戦中、レーダー技術を獲得する為にシベリア鉄道でドイツに渡り、命辛々、潜水艦の『Uボート』で帰国した。本土決戦に備えて、“殺人光線”の開発を命じられたこともあった。「生かされた命」──。晩年、佐々木氏にはそんな思いが強くなっていた。96歳でNPO法人『新共創産業技術支援機構』を設立し、自身の哲学を後世に残すことに注力した。それは、「異質の個性がぶつかる“共創”からこそ、イノベーションは生まれる」というものだ。遺稿に記された言葉には、人類を含め、命に限りがある地球上全ての生命に対する愛情が込められている。100歳を超えてもなお見続けた“共創で地球を救う”という目標は、私たちに託された。佐々木氏はこう語っている。「皆さんの奮起とその成果を期待しつつ、この世を去っていきたい」。 (取材・文/本誌 大竹剛)


キャプチャ  2018年2月12日号掲載

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【2018年の世界経済を読み解く】(03) 景気拡大期こそ改革の好機

20180213 08
2017年は好調のうちに幕を閉じた。GDPは世界の大半で伸び続け、2010年以来最も裾野の広い景気拡大が続く。ヨーロッパ、アジアの全域、アメリカ、カナダで成長予測は上方修正。ブラジルやロシア等重要な新興経済国も、再び成長に転じている。多くの石油輸出国、内戦や干ばつといった自然災害に苦しむ低所得国等、依然として苦戦している国もある。だが、世界の人口の約3分の2は、それを上回る景気回復の恩恵に浴している。2008~2009年の世界経済危機と2010~2011年の回復の後、地理的に不均一なのろのろ成長が何年も続いた。2016年前半も世界経済は失速し、原油価格は1バレル当たり25ドル近くに下落(※現在は60ドル前後)、世界経済の伸びは2009年の完全な縮小以来最低となった。そんな状況を経て景気拡大傾向の2018年を迎えた今、多くの経済政策策定者の間には安堵感が広がっている。何故、景気は上向いているのか? 消費者や企業の景況感を示す指標は著しく上昇し、それと共に投資も増加しているが、最近の景気拡大を全て偶然や“動物的な衝動”のせいにするのは間違いだ。実際はファンダメンタルな要素、特にマクロ経済政策の影響もある。大国では金融緩和政策が長期化。『連邦準備制度理事会(FRB)』は徐々に金利を引き上げてはいるが、慎重で、2016年前半には予想されていた利上げを見送った。『ヨーロッパ中央銀行(ECB)』は大規模な資産購入を減らしているが、やはり利上げは遠そうだ。その結果、金融環境は緩和的で、融資額も資産価格も世界的に上昇している。先進国の金融政策は過去数年間で緊縮からほぼ中立へとシフト。一方で中国は、2010年代半ばの景気減速以降、かなりの財政支援を行ない、貿易相手国にプラスの波及効果を齎してきた。刺激要因が多いにも拘わらず、インフレ率は比較的低水準で推移している。成長拡大と低インフレという現状を、絶好の“スイートスポット”とみる向きもあるだろう。だが、多くの国にとって長期の見通しは甘くない。労働力の高齢化、生産性の伸びの鈍化、経済危機以降の負債の増加は不安材料となっている。例えば、先進国の年間1人当たり成長率は、1996~2006年は平均2.2%だったが、危機後は急落。『国際通貨基金(IMF)』の予測によれば、2017~2022年でも1人当たりGDPの伸びは1.4%止まりだ。

生産性が予想外に向上しない限り、先進国の景気拡大が減速するのは必至。各国は、政府負債の増加と年金・医療費支出の急増で逼迫した公共財政の財政再建を迫られ、金融・財政引き締めで成長は鈍化するだろう。その結果、世界の成長が鈍化し、特に未熟練労働者の賃金伸び悩みへの対処が難しくなり、格差が拡大し、不満が広がる。多くの新興市場と低所得国にも逆風が吹く。従って、世界の経済政策策定者は2つの大きな難題に直面する。先ず、長期的に生産性を向上させられるかどうか。そして、自国経済の回復力と包括性を向上させると同時に、景気拡大の突然の減速や新たなリスクを減らせるかどうかだ。2つの難題は密接に関係している。好況の今こそ、どちらにも対応できる政策を打ち出すチャンスだ。長期経済見通しと公平感を向上させるカギは、人材への投資だ。教育投資は、労働者の生産性と、構造変化を生き抜く力を向上させる。更に、見習い制度は若年層の失業率の高さが招く資源浪費を減らし、カウンセリングと再訓練は就労期間を延ばす。逆に、ここで失敗すれば不安定化に繋がる。雇用見通しの弱さと所得格差が、多国間主義の外交と国内の慎重な経済政策に対する有権者の反動を煽るだろう。これらの投資は不可欠だが、それには財政支出が必要だ。公的負債が更に膨らむのを避ける為、政府は税制改革を実施し、成長を阻害することなく収入を増やす必要がある。税制はとりわけ、労働力の参加によって一体性を向上させるものでなければならない。大企業や富裕層が脱税に利用する抜け穴を塞げば、税制の公平さに対する市民の信頼は増すだろう。信頼回復には経済の回復力の向上も必要だ。前回の金融危機の記憶が薄れるにつれ、金融不安の脅威は増している。多くの国は経済危機後、金融機関の資本と流動性を増やす等して、金融システム全体と個々の金融機関の健全性を回復した。しかし、危機後の低金利の長期化は、金融機関をリスクの高い取引に走らせている。世界的に債務が膨れ上がった状態で金利が引き上げられれば、一部の債務者にとっては厄介な事になりかねない。債券ブームは、短期的には成長拡大に繋がっても、結局は残念な結果に終わりがちだ。過度な信用拡大を抑制して、債券発行への財政支援を削減、若しくは廃止すべき国もあるし、引き続き不良債権処理に取り組むべき国もある。各国は規制に関する国際協力と共に、金融監督を強化し、緊縮政策時に悪循環に陥るのを回避すべきだ。新興経済国と低所得国も、先進国と同様の難題に直面している。例えば中国指導部は、自国の金融システムの不均衡を認識し、是正に乗り出している。だが、全く別の難題もある。日用品価格の上昇だ。第1次産品国は、将来の成長の為に輸出を多様化させる必要がある。裾野の広い景気拡大が続いている今こそ、多国間の優先課題に取り組む好機だ。中でも急を要するのは、化石燃料への依存が招く長期的な温暖化のペースを遅らせることだろう。仮に、産業革命前のレベルから2℃以内の上昇に抑えることができたとしても、低所得国は今世紀中に起こり得る温度上昇の影響を受け易い。一方の先進国も、政情不安や温暖化に見舞われた地域から大挙して押し寄せる移民等の影響を受ける。先進国はより野心的な目標を掲げ、低所得国の環境適応の取り組みを支援するのが得策だ。結局、経済の“スイートスポット”など幻想に過ぎない。現在の好況は一時的なもの。回復を持続させるには、この機会に改革に乗り出すべきだ。ぐずぐずしている暇は無い。 (IMFチーフエコノミスト モーリス・オブストフェルド)


キャプチャ  2018年1月16日号掲載

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【2018年の世界経済を読み解く】(02) 広がる不公平への処方箋

20180213 07
格差は、2016~2017年のアメリカでポピュリズムが台頭した大きな要因の1つと考えられている。だが抑々、格差とは何か? 経済の成長をどう阻害、又は刺激し、民主主義をどう傷付けるのか? 格差のせいで人が死ぬこと(※例えば“絶望死”)はあるのか? 格差は、ある程度甘受しなければならない必要悪なのか?――経済学者である筆者の元にはよく、こうした質問が寄せられる。しかし正直なところ、どれも取り立てて有用な質問ではないし、簡単に回答できるものでもない。格差とは、経済的、政治的、社会的プロセスの原因ではなく、結果だ。そして、こうしたプロセスにも良いものと悪いものがある。それを整理して初めて、私たちは格差とその対策を理解することができる。“格差は不公平とは違う”と理解することも重要だ。筆者の考えでは、今、先進国で政治的混乱を引き起こしているのは、格差ではなく不公平だ。格差を生み出すプロセスにも、広く公平と考えられているものもあれば、明らかに著しく公平さを欠き、怒りと不満を引き起こすのは無理のないものもある。公正なプロセスの結果、格差が生まれる例として、人類全体に恩恵を齎す商品やサービスを生んだイノベーターが挙げられる。彼らが富を築いた経緯を批判するのは難しい筈だ。現代の大きな格差の一部は、18世紀半ば頃に始まった産業革命と医療革命の結果だ。当初、その恩恵を受けたのは北西ヨーロッパの一部諸国に過ぎなかったが、最終的には世界の数十億人の生活水準と健康が改善された。このような進歩から生じた格差は、恩恵的且つ公正なものであり、進歩全般の重要な特徴でもある。

一方で、政治家に賄賂を渡して特別待遇を受けることで富を築くのは明らかに不正であり、大衆の怒りを買うのは当然だ。多くのアメリカ人は、「資本主義や市場原理が齎す結果は公平で、政府の介入は恣意的で不公平だ」と自動的に見做す傾向がある。マイノリティーや移民等、特定の集団を優遇する(ようにみえる)政策や大学の方針にも反発する。このことは、多くの白人労働者階級が民主党に背を向ける理由でもある。彼らに言わせれば、民主党はマイノリティー、移民、高学歴エリートの為の政党だ。だが、大衆が不満を募らせる理由は他にもある。アメリカの実質賃金(※インフレ調整済み)の中央値は、過去50年間、頭打ちの状態にあるのだ。所得の中位とトップの差が拡大している理由については、2つの説明がある。そのどちらが正しいかは極めて重要な意味を持つ。第1の説明は、「グローバル化や技術革新といった個人では止めようがない現象が進展した結果、単純労働の価値が下がり、高学歴者に有利な状況が生まれた」というもの。第2の説明は、「所得中央値の停滞は、実のところ、トップ層の所得と財産が増えた結果だ」というものだ。つまり、金持ちは大衆を踏み台にして、益々懐を肥やしているという訳だ。最近の研究は、少なくともアメリカの場合、第2の説明が部分的に正しいことを示している。グローバル化と技術進歩は伝統的な就労形態を破壊するが、万人に恩恵を与えることができる。それが現実になっていないのは、金持ちがその恩恵を独り占めしているからだろう。では何故、そんな状況が生まれたのか? 中間層の賃金停滞の理由を厳密に明らかにするには時間がかかるが、ここで幾つか可能性を挙げておこう。第1に、医療費の拡大が賃金に破壊的な影響を与えている。殆どのアメリカ人の医療保険は雇用主が提供しているから、事実上、医療業界の利益と高給は労働者の賃金によって支えられている。アメリカ人が不必要な医療に費やす金額は、他の先進国より年間1兆ドル(※世帯当たり約8000ドル)も多い。しかも、アメリカ人の健康状態は、ほぼ全ての先進国より悪い。これに関連する問題として、多くの経済部門における市場統合化がある。医療分野でも病院の統合が進んだ結果、診察料等各種料金が急上昇する一方で、病院で働く人の賃金は伸びていない。ここ10年来、看護師が不足しているにも拘わらず、だ。市場統合は恐らく、生産性の低迷にも繋がっている。イノベーションや投資によって生産性を高めるよりも、レントシーキング(※ロビー活動等で自社に有利な政策や規制を作る)や独占的地位の確立に力を入れたほうが、手っ取り早く利益を得られるからだ。第2に、連邦最低賃金(※時給7.25ドル)が2009年7月以来据え置かれている問題がある。世論は引き上げを支持しているが、大手企業や大口献金者が議会に不相応に大きな影響力を持っている為、遅々として実現していない。もっと悪いことに、アメリカの労働者の20%以上が雇用契約の競業禁止条項に縛られている。給料のいい会社に転職したくても、離職後の一定期間は同一業界で仕事ができないから、その労働者の市場価値は低下する。

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【2018年の世界経済を読み解く】(01) “好調”世界経済の見えないリスク

20180213 05
私は1年前、「2017年の最大の特徴は不確実性だろう」と予測した。特に大きな波乱要因として、ドナルド・トランプ大統領の誕生とイギリスの『ヨーロッパ連合(EU)』からの離脱を挙げた。この時点で唯一確実なのは不確実性だけにみえた。未来は酷く厄介なものになる可能性があった。結果的に2017年は特に素晴らしい年ではなかったが、大方の懸念よりはずっとマシだった。トランプは予想通り、大言壮語と不規則な言動を連発した。仮に、彼の『ツイッター』の呟きだけしか見ていない人がいたとすれば、アメリカは貿易戦争と核戦争の間を揺れ動いていると思ったかもしれない。トランプはスウェーデン、オーストラリア、EUを次々と侮辱した後、国内ではネオナチを擁護した。金満揃いの閣僚たちは、利益相反、無能、道徳的堕落のレベルを互いに競い合った。規制面では、環境分野を筆頭に、気掛かりな後退が幾つかあった。ヘイト絡みの言動は言わずもがなだ。だが今のところ、大統領の醜悪な物言いと実際に成し遂げた結果の間には、(幸運にも)大きなギャップが存在する。世界経済にとって最も重要なのは、貿易戦争が起きなかったことだ。アメリカのドルとメキシコのペソの為替レートが参考指標になるとすれば、『北米自由貿易協定(NAFTA)』の将来に対する懸念は(※交渉は停滞したものの)かなり沈静化した。但し、ジェットコースターを思わせるトランプ劇場は終わらない。2018年は、トランプが世界経済秩序に投げ込んだ手榴弾が遂に爆発する可能性もある。

一部には、アメリカ株式市場の史上最高値更新を、トランプによる経済的奇跡の証拠と指摘する向きもある。私自身は、「株価の新高値は、大不況からの10年に及ぶ回復が“漸く”定着した証拠という一面がある」と考えている。あらゆる景気後退は(※最も大きな景気の落ち込みでさえ)いずれ終わる。トランプは幸運にも、前任者の仕事の恩恵を享受する絶好のタイミングで大統領に就任したのだ。だが、私は同時に、「好調な株価は、減税への期待感と、『世界経済が2007年の金融危機前のレベルに復活すれば、ウォール街に再びマネーが流れ込む』という希望的観測が生み出した市場参加者の近視眼の証拠でもある」と考えている。彼らは、続く2008年に起きた“ここ75年で最悪の不況”を無視している。政府債務と、以前の超富裕層向け減税が生み出した格差の拡大にも目を向けようとしない。市場は、トランプの保護主義が齎す反グローバル化のリスクを過小評価している。更に、政府債務を膨らませるトランプ減税が実現した場合、『連邦準備制度理事会(FRB)』の利上げが市場の調整(※株価下落等)の引き金になる事態も想定していない。言い換えれば、市場は再び短期的思考と剥き出しの貪欲に流れる傾向を示している。アメリカ経済の長期的見通しにとって好ましい前兆ではない。そして、2018年は2017年よりも良い年になる可能性が高いものの、地平線上には大きなリスクが浮上している。状況はヨーロッパも同様だ。イギリスのEU離脱決定は、ポンドの下落が大きくものをいった結果、離脱反対派が予想したほどの経済的影響は無かった。それでも、テリーザ・メイ政権がEU離脱を軟着陸させる方法について、或いは離脱後の対EU関係についても明確なビジョンを持っていないことは、益々明らかになってきた。ヨーロッパには、更に2つの潜在的リスクがある。金利が(必然的に)正常な水準に戻った場合、イタリア等の重債務国は危機を回避するのが困難になる。アメリカの金利が上昇してもユーロ圏が記録的な低金利を維持できるかどうかは、甚だ疑問だ。ハンガリーとポーランドは、ヨーロッパの存在そのものを脅かす脅威を象徴している。EUは単なる便宜的な経済協定ではない。基本的な民主主義の価値観を信奉する国々の同盟だ。ハンガリーとポーランドは今、その価値観自体を傷付けている。このような政治的試練が2018年の経済状況に及ぼす影響は小さいかもしれないが、長期的リスクは明らかに巨大なものだ。世界の他の地域では、中国の習近平国家主席の『一帯一路』構想がユーラシア大陸の経済パワーバランスを変えようとしている。新しい経済秩序の下では中国が中心的地位を占め、地域全体を成長に導く重要な経済的刺激を提供することになる。

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