菅義偉官房長官の今後を左右する『きさらぎ会』の存在感が増す

20180222 08
昨年12月19日、自民党派閥横断の政策グループ『きさらぎ会』の忘年会が開催された。関係者に届いた案内状には、「現内閣を支えるきさらぎ会として、親睦を深めることができればと思います」等と書かれていたが、ここにきて、顧問を務める菅義偉官房長官の存在感が増している。最近も、出国者1人あたり1000円を収する“出国税”の名称が“観光促進税”に変わったが、これは菅長官が「目的がわかる名前にすべき」と担当者に異議を唱えたからだ。きさらぎ会は、鳩山邦夫元総務大臣(※故人)が2011年に結成。参加メンバーは、自民党最大派閥で安倍晋三首相の出身でもある『清和会』(※細田派)を上回る100余名。2016年6月に鳩山氏が死去した時、菅長官がすんなり顧問に就任した。自民党関係者は、「菅長官は顧問になって政治スタンスを変えた」と語る。その象徴が、鳩山氏の死去による衆議院福岡6区補選で、これまでの“世襲打破・世襲候補不定”から、無所属で立候補した鳩山氏の次男・二郎氏を支援したのだ。党内からは「変節だ」との批判も出たが、「菅長官は今後、安倍首相が3選、或いは新総理総裁が誕生しても対応できるよう、党内基盤を強化する」とみられる。その時、きさらぎ会が菅長官の今後の政治人生を左右する重要な存在となる。


キャプチャ  2018年1月号掲載

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世界のパンダ、白浜が救う――「“浜系”は大家系を構成している」、中国も注目の繁殖法

『上野動物園』が昨年6月に生まれた赤ちゃんパンダ“シャンシャン(香香)”の公開に沸く中、本場の中国では、和歌山県白浜町のレジャー施設『アドベンチャーワールド』で生まれ育ったジャイアントパンダの一族が“浜系”と呼ばれ、自然繁殖の未来を支える存在として注目を集めている。 (取材・文/国際部 津田知子・中国総局 竹内誠一郎)

20180222 07
アドベンチャーワールドを昨年12月上旬に訪れた。飼育されているパンダたちは、木にぶら下がる等元気に動き回り、食欲も旺盛で、もりもり竹を食べていた。オスの“永明”とメスの“梅梅”・“良浜”との間に生まれた子供たちだ。この施設で2000年から2016年9月までに、生後間もなく死んでしまった1頭を除き、15頭が誕生した。1つの飼育施設としては、中国を除けば世界一の実績だ。15頭はいずれも、名前に地名の白浜から取った“浜”の字が使われ、日本のパンダファンからは“浜家”とも呼ばれる。アドベンチャーワールド等によると、現在、アメリカ、イギリス、シンガポール、フランス、マレーシア等18ヵ国・地域の23施設でパンダが飼育されている。繁殖にも取り組んでいるが、死産や生後間もなく死ぬことが多い。上野動物園では5頭のパンダが生まれたが、2頭は生まれて直ぐに死んだ。中国も合わせると、世界で飼育下にあるパンダは約520頭。白浜生まれのパンダとその子や孫は29頭に上り、約5.5%を占める。浜系が桁違いの実績を残している理由は何か? 海に面した白浜町は、適度な湿度がある上に風が通って涼しく、本来は中国内陸の山岳部で生息し、涼しい気候を好むパンダにとって過ごし易い環境にある。飼育担当者の遠藤倫子さん(31)は、後背地となる紀伊山地の恩恵もあって、「空気や水も綺麗で、主食の竹も手に入れ易い」と、地理的な利点を強調した。日中平和優光条約締結10周年を記念し、1988年にパンダ2頭が北海道等日本各地で短期間レンタルされた。和歌山にも同年9月から翌年1月まで貸し出されたが、長旅の疲れ等で体調を崩していたパンダは、滞在中に元気を取り戻し、中国に帰国してから繁殖にも成功した。

「和歌山は環境がい良い」と中国側に好印象を与えたことが、その後の正式なパンダ貸し出しに繋がったという。2016年9月に生まれた末っ子の“結浜”は、誕生から1年を過ぎた2017年10月、母親の良浜から独り立ちした。嘗てのパンダ飼育では、半年ほどで母子を離す手法が主流だったが、母と子の同居期間が長くなるほど、その後の自然交配能力が高くなることがわかり、1年以上の期間を確保しているという。こうした取り組みの効果で、既に中国に返還された白浜生まれのパンダ11頭の多くは、繁殖で多くの子孫を残している。2001年に生まれたオスの“雄浜”は既に5頭の父親。オスの“秋浜”(※2003年生まれ)も4頭の子を作り、いずれもメスの“愛浜”(※2006年生まれ)や“梅浜”(※2008年生まれ)も、其々2頭と1頭を出産した。長年に亘る研究で“パンダ教授”と呼ばれる西華師範大学生命科学学院(四川省南充)の胡錦矗教授(88)は、「白浜生まれの優秀さは、1年以上という母子の同居期間と、2年に1回に抑えている繁殖のペースにある」と指摘する。中国の研究者によると、半年程度で母親から離されたパンダや、人工授精で生まれたパンダは本能が薄れ、自然交配の能力が低いとの研究結果もある。若いパンダのペアに交配のビデオを見せて刺激するという手法まで採られている。中国では、人工授精も多用して毎年のようにパンダの誕生が続いている中、胡氏は「中国も“量よりも質”の方針に転換しつつある」と強調した。繁殖の本場である四川省の『成都パンダ繁殖研究基地』の担当者・楊奎興氏は、「飼育下にあるパンダには“成都系”や“北京系”等があったが、白浜生まれは既に“浜系”という大家系を構成している」と語った。パンダ繁殖では、近親交配を極力避ける為、世界で飼育下にある全てのパンダの血筋や繁殖実績の記録を基に、計画的にペアリングが行なわれている。上野動物園の元園長で、『日本パンダ保護協会』会長の土居利光氏(66)は、「中国に集中しがちな家系に、“浜系”が多様化の効果を齎している」との見方を示し、「貢献の度合いは大きい」と指摘する。中国では、繁殖させたパンダを野生に返す取り組みも進められている。遠藤さんは、「白浜で生まれ育ったパンダがどんどん中国に旅立ち、その子や孫が野生に復帰することになれば嬉しい」と話した。

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中国が輸入禁止、行き場無いゴミ――「急過ぎるが党には何も言えない」、アメリカや日本は混乱

世界一の廃棄物輸入国の中国が、昨年12月末、部分的に廃棄物の輸入禁止に踏み切った。再生処理の過程で起こる環境汚染を防ぐのが目的だ。急な措置に、国内外で波紋と混乱が広がっている。 (取材・文・写真/広州支局 幸内康)

20180222 04
オレゴン州の廃棄物処理再生施設の職員駐車場には600トンの廃棄物が積まれ、ノースカロライナ州ではトレーラーに載せられたままになっている。アメリカやカナダ等、9000以上の業者で作る『北米固形廃棄物協会(SWANA)』は、昨年12月の声明で、北米各地で処理しきれない廃棄物が溢れつつある現状を訴えた。アメリカでは3分の1以上の州で“明らかな影響”が出ているという。原因は、中国政府が昨年7月に明らかにした輸入停止策だ。生活ゴミのプラスチックや未分別の古紙等、4種類24品目の輸入を昨年末に禁止。他の廃棄物の輸入も2年かけて減らし、国内の廃棄物で代替する計画だ。中国政府は規制開始前から廃棄物の輸入許可枠を絞ったり、環境対策が不十分な業者を取り締まりで廃業に追い込んだりしている。中国は1980年代から廃棄物の輸入を始めた。“改革開放”政策による工業化を進める過程で、木材や原油から生産するより安価な原料を確保する為だ。中国環境保護省によると、2010年の固形廃棄物の輸入量は4658万トン。その内、古紙が2850万トン(※61%)、廃プラスチックが735万トン(※16%)を占める。中国の貿易統計によると、最大相手国のアメリカからは1279万トンの古紙と69万トンの廃プラを輸入。これに日本やヨーロッパ各国が続く。輸入が多いのは沿岸部だ。南部の広東省は、先進国から輸入した廃プラを原料に製造した玩具等の製品を、先進国へ輸出してきた。世界規模の循環が形成されてきたのだ。プラスチック再生が盛んだった広東省仏山市の工場地帯は、今月上旬、閑散としていた。「いつまで仕事を続けられるか」。30代の再生業者の男性が、残り少ない廃プラの在庫を分別しながらぼやいた。昨春から輸入物が入らず、多くの同業者が操業停止に追い込まれたという。国内物は分別が不十分で、質も低く使えない。男性は、「急過ぎる。でも、共産党と政府の決定に、民衆は何の意見も言えない」と諦め顔だ。紙の価格は上がっている。中国紙『南方週末』によると、紙製造に使う古紙の内、半分以上は輸入物だ。

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広東省広州市の印刷業者によると、昨年9月から紙の価格は4割程度上がった。中国政府は『世界貿易機関(WTO)』にも新方針を通告したが、米欧やオーストラリア等から反発を呼んだ。通告から半年足らずの実施で輸出国が対応できず、輸入物だけを問題視するのはWTOの“内外無差別の原則”に反する疑いがある為だ。日本の外交関係者は、「環境改善という目的はいい。身勝手なやり方が拙い」と苦り切った様子で語った。日本政府は、廃棄物の国内処理を基本方針としている。問題は、「輸出できなくなる分を国内で受けきれるかどうか」(環境省)だ。貿易統計によると、2016年、廃プラ輸出の53%にあたる約80万トンが中国向けだった。既に、関東で処理しきれない廃プラが他地域へ流れる現象が起きているという。ペットボトルは年間約25万トンが中国向け。業界関係者は、全量を再生する能力が無い為、「短期的には混乱が起きる」と懸念する。古紙も中国へ輸出されているが、『古紙再生促進センター』によると、全体の16%程度。輸出量は昨年10月から顕著に減っているが、国内需要が旺盛で大きな影響は出ていないという。今回の輸入禁止措置には、ドキュメンタリー映像『プラスチックチャイナ』が影響を与えたと言われている。監督の王久良氏(40)に聞いた。「2011年にカリフォルニア州の廃棄物処理施設で、牛乳が入ったプラスチック容器や、肉が付いた紙類が一緒に圧縮されて箱に詰められるのを見た。従業員に『もうすぐあなた方の中国へ運ばれる』と言われ、大きな衝撃を受けた。日本で処理施設を見学し、環境対策のコストは大きいと実感した。中国の再生業者の多くは最大限の利益を追求し、環境対策に経費をかけたがらない。その結果、水、空気、土壌が汚染され、地域では癌や心臓疾患が多くなる。現場で多くの子供と会った。大人の罪作りな行為の結果は子供が負う。作品を撮ったのは、『国内の無秩序な処理が改善されてほしい』と思ったからだ。国内ゴミの問題も大きいが、輸出国も責任を持って自国のゴミ処理を考えるべきだ。この作品は国内での放映を禁止されているが、政府に30年来の方針を転換させる役割を果たしたと思う」。


⦿読売新聞 2018年1月18日付掲載⦿

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【地方銀行のリアル】(11) 浜松信用金庫(静岡県)――静岡再編劇の“仕掛け人”

20180222 02
静岡県に“信金再編”の嵐が吹き荒れている。昨年9月に『浜松信用金庫』と『磐田信用金庫』、『しずおか信用金庫』と『焼津信用金庫』が其々相次いで合併を発表。同11月下旬には、“日本最古の信金”として知られる『掛川信用金庫』も『島田信用金庫』との合併を表明した。実現すれば、現在12金庫が犇いている県内信金は9金庫に集約される。地元金融筋の間では、「まだまだオーバーバンキング。静岡、スルガ、清水、静岡中央と4行ある地銀も含めて、更なる合従連衡もあり得る」との観測が頻りだ。一連の再編劇の「事実上の仕掛け人」(事情通)とされているのが、浜松市中区に本店を置く浜松信金(※通称“はましん”)だ。2017年3月期末時点で預金量1兆6063億円、貸出金残高8868億円と、共に県内首位。預金量は唯一、1兆円を超える。「県信金業界は、2008年1月の沼津信用金庫による駿河信用金庫の吸収合併を最後に、10年近く謂わば無風状態が続いてきた。しかも、浜松市を中心とする県西部地区には競合相手となる地銀の本店が無く、域内でのはましんの存在感は抜群。そのはましんでさえ合併に踏み切るのだから、他はもう“待ったなし”とばかりに再編の機運が一気に高まった」。掛川信金幹部の1人は言い切る。はましんが白羽の矢を立てたパートナーの磐田信金は、2017年3月期末で預金量7018億円、貸出金残高3543億円で県内4位。2019年2月にも合併で誕生する『浜松磐田信用金庫』は、単純合算で預金量2兆3081億円となり、今の全国264金庫中20位から10位前後に浮上する見込みだ。

尤も、『静岡銀行』等県内地銀関係者からは、「合併がそのまま預貸金の積み上げに繋がるかは疑問」といった声も少なくない。営業エリアの大半が重複しており、地理的な相互補完効果も期待し難い為だ。はましんは現在、浜松市を本拠に、湖西市、磐田市、袋井市、掛川市、菊川市、御前崎市、牧之原市、島田市や周智郡、榛原郡吉田町と愛知県豊橋市を営業エリアとして定めている。この内、磐田信金と重複しないのは、湖西市、島田市、吉田町と豊橋市だけ。残りは全て磐田信金と同じだ。地元関係者の1人は、「取引先も数多くがだぶっており、今後融資シェアの調整が起こるのは必至。同一域内の再編では、取引先の販路開拓等を仲介・支援するビジネスマッチング等の案件も限られる」と指摘する。支店数は、はましんが出張所含め59店、磐田信金が34店。重複店舗は内12店に及び、しかも6店舗は支店名までが一緒だ。はましんでは、「当面は両金庫の全ての店舗を存続させ、近接する場合には店舗の機能や業務内容を差別化する方向で調整する。雇用も守る」(幹部)としているが、店舗統廃合やリストラゼロの合併では、最大の目的である筈の収益基盤の底上げには繋がるまい。そんな中、信金業界内で燻っているのが、「合併には、全国信用金庫協会(全信協)の次期会長の椅子を虎視眈々と狙う、はましんの御室健一郎理事長の野心が綯い交ぜになっているのでは?」との噂だ。全信協は全国の信金を束ねる業界団体だ。今の会長は、2016年6月に『城北信用金庫』の大前孝治会長からポストを引き継いだ『多摩信用金庫』の佐藤浩二会長。任期は2年で、今年は改選期に当たる。無論、再任もあるが、多摩信金では地元自治体から販売委託を受けていたプレミアム付き商品券を、発売解禁前に職員が購入していた不正が発覚。佐藤会長自身にも暴力団組長の葬儀に出席していたといったコンプライアンス上の疑惑が降りかかり、金融当局の不興を買っている。「協会の自浄作用をアピールする為にも、退任は避けられない」(前出の事情通)との見方が有力だ。そうなると、後任は現在6人いる副会長陣の中から選ばれる可能性が強く、筆頭副会長を務める御室理事長は、その有力候補の1人といっても過言ではない。ただ、事はそう容易くはない。2年前の改選時にも、自らの会長昇格に強い意欲を示し、周囲からも佐藤氏の対抗馬と目されながら、「緊急時の案件への機動的な対応を考慮すると、東京地区からの選出が望ましい」との意見が出て、十分な支持を集められなかった経緯がある。その点、合併という大事を決断した辣腕経営者として名を轟かせ、尚且つ規模拡大で業界内での発言力と存在感を一段高めておけば、「つまらぬ理由での反対論など封殺できる」という訳か。御室氏は1945年生まれの御年72歳。地元出身で、浜松西高校から成蹊大学に進学し、卒業後の1968年にはましんへ入庫した。浜松市内にある可美支店長や本店営業部長、融資部長、業務本部長を歴任後、2005年に理事長に就任。以来、13年に亘ってトップの座に君臨し、合併新金庫でも初代理事長となる予定だ。この間、2007年から2013年までは『浜松商工会議所』の会頭を務めた他、サッカーJ1『ジュビロ磐田』や、信金の中央機関といわれる『信金中央金庫』、国立大学法人浜松医科大学等の社外役員も兼任している。

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【ドクターXは知っている】第2部(06) 高血圧…動脈硬化のリスクが低ければ薬を止められる可能性あり

高血圧における投薬治療の目的は、血圧の検査数値を下げることではなく、動脈硬化や、その先にある脳卒中、心筋梗塞、心不全といった大病を予防すること。先ずは“治療のゴール”を正しく認識することが第一歩だ。 (取材・文/フリーライター 浅羽晃)

20180222 01
生活習慣に起因する高血圧を改善し、合併症を防ぐには、食事療法と運動療法が基本となる。プライマリーケア(※総合的な医療)を実践する『武蔵国分寺公園クリニック』の名郷直樹院長も、それを前提としつつ、「血圧降下剤の使用にも一定の効果が認められる」と言う。「同じ生活習慣病でも、糖尿病については薬で血糖を下げた分、合併症の予防に繋がるというエビデンスはありませんが、高血圧は薬で血圧が下がった分、脳卒中の予防効果が得られると証明されています。尤も、心筋梗塞や心不全に関しては予防効果は認められるものの、薬で下げた割には案外、予防効果が小さいことが示されています」。一度服用を始めた血圧の薬が、継続的な服用が必要か否かは、その人の病態による。『長尾クリニック』の長尾和宏院長は具体例を挙げて示す。「50代男性で上が135だとしましょうか。この人に心筋梗塞、脳梗塞、大動脈解離な等の既往歴があったら、服用を止めてはいけません。しかし、そういうことが全く無くて、動脈硬化も無いのであれば、止めて様子を見るという選択肢もあります」。何故、高血圧を治療するかというと、命の危険に繋がる動脈硬化を引き起こすからだ。その兆候が無ければリスクは少ないと考えていい。動脈硬化の状態は、頸動脈エコーによってある程度判断できる。「血圧の薬を止めよう」と考えるなら、頸動脈エコーの検査を受けてみることだ。長尾医師は、「血圧降下剤を飲むことによって死に至ることもある」と注意を促す。「90歳を超える患者さんにβブロッカーのテノーミン50というかなり強い薬を投与した結果、亡くなったというケースもあるのです。また2016年には、糖尿病患者の血圧を120/80未満に下げると死亡率が上がるという論文も発表されました」。血圧は、単に数値だけを下げればいいというものではないのだ。


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【基礎からわかる北朝鮮ミサイル発射】(01) “脅し”と“警告”のミサイルはここに飛んでくる

北朝鮮が実戦でミサイルを発射する段階に突入すると、日本各地へ“非核弾頭ミサイル”飛来が予測される。

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半島の危機が“弾道ミサイルの実戦発射”段階に移行すると、我が国は“非核弾頭の弾道ミサイル”の攻撃も受けます。北朝鮮の核弾頭数は有限です。軍事アクションの政治効果を最大化する為には、通常炸薬、化学剤、放射能汚染物質を弾頭に装載した非核ミサイルもミックスした攻撃を組み立てなければ、超大国のアメリカを怯ませて慎重にさせる“駆け引き”はできないのです。在日アメリカ軍司令部、朝鮮国連軍後方司令部、航空自衛隊航空総隊が同居している横田基地には、通常弾頭のミサイルがぽつりぽつりと間歇的に飛来し続けます。それが核弾頭なのか非核弾頭なのかはレーダーでは識別できません。海自イージス艦の『SM-3』ミサイルや、東京周辺の地上に展開した空自の『PAC-3』ミサイルは、数日にして全弾を射ち尽くすでしょう。それが北朝鮮側の狙いですが、だからといって首都に向かって飛来するミサイルを自衛隊が傍観することもできません。嘉手納と三沢のアメリカ空軍基地、岩国のアメリカ海兵隊航空隊基地、築城と新田原の空自基地には、通常弾頭によるやや高頻度の“嫌がらせミサイル攻撃”が延々と続く筈です。核が使われなくとも、そうやって滑走路にデブリ(※破片)をばら撒かれれば、現代のジェット戦闘攻撃機は離着陸を見合わせるしかありません。西日本の迎撃ミサイルが尽きたところで、最初に関門海峡が核攻撃されるでしょう。同時に発射された多数の通常弾頭ミサイルに、1発だけ核ミサイルが混じっている為、PAC-3による迎撃も上手くいかず、弾頭は超低空で爆発し、海峡の両岸を汚染します。これで呉や横須賀の海自艦隊が釜山周辺でのアメリカ軍の諸活動を支援することが難しくなります。この1発は“警告核攻撃”の意味があり、アラスカのアメリカ陸軍部隊が千歳空港を経由して韓国へ向かう計画を頓挫させるでしょう。そして、2発目の警告核攻撃は千歳基地に対してなされる可能性が大です。


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【あっぱれ!お笑い北朝鮮】(01) アメリカは到底北朝鮮を支配できない

20180221 09
北朝鮮の核ミサイルをアメリカが制圧することは、殆ど不可能に近いだろう。筆者は2006~2017年までの11年間、回数で言えば12回、北朝鮮の現地取材を重ねた。その都度、現地の外務省幹部、科学アカデミーの教授、経済専門家にインタビューしてきた。当然、核問題も含んでいる。2017年も、5月23日~6月1日まで、9月26日~10月2日まで、11月23日~28日までと3回行なった。帰国早々の29日午前3時過ぎという夜中に、前々から予想されたこととはいえ、北朝鮮は『火星15型』という名のICBMを、高度1万5000㎞近くの宇宙に打ち上げ、日本海に落下させた。未だ実験段階とはいえ、この大陸間弾道ミサイルは、アメリカの専門機関が公表したように、アメリカ全土を完全にカバーする。つまり、北朝鮮は愈々、国家的悲願を実現しつつあるのだ。冒頭で指摘したように、今やアメリカが北朝鮮を軍事的に制圧する可能性は殆ど無くなっている。それどころか、測定不可能なほどに威力を増し続ける核武装に対して、結局、アメリカは北朝鮮との話し合いのテーブルにつく羽目になるだろう――。それが筆者の視点である。それほど現実の北朝鮮は、アメリカやロシアに続く強力な核保有国になってしまったのだ。にも拘わらず、北朝鮮の実力を侮蔑的に矮小化し、過小評価しかできない日本の政治家や軍事評論家等の低次元の連中は、現在もなお、「アメリカが朝鮮半島を軍事的に支配できている」と勘違いしているのだろう。

しかし繰り返すが、既に朝鮮半島の軍事的支配のバランスは、アメリカから北朝鮮に確実に移行しているのが現実だ。そんな視点が日本のメディアにはあるだろうかといえば、皆無に等しい。日本の国営メディアと言えるNHKの北朝鮮報道等は、完全に幼稚園並みでナンセンス。論評に値しない。更に、マスコミが必ず使用する“脅威”という言葉だが、一体何が脅威なのか、何故それが脅威なのか、何故北朝鮮は核武装するのか、何故アメリカと敵対するのか――といった視聴者からの基本的な疑問に対して、マスコミは一切答えていない。これでは彼らの掲げる“客観的報道”どころか、時代錯誤な大本営発表報道に近い。こうした報道姿勢はNHKだけではない。殆どの大手メディアの北朝鮮報道もそんなところだ。何故、日本の北朝鮮報道は、こうも敵対感情を背負ったままの報道姿勢になるのか? 「拉致問題が絡んでいるから」という理由だけではない。日本の報道の特質は、何といっても歴史的視点が完全に欠けていることに尽きるだろう。自国の歴史の事実を棚上げにしたままで報道し続けている為に、いつも本質を省き、表面的動向しか報道しないというのが日本の大手マスコミである。だから、歴史的考察という極めて大切な視点が消える訳だ。少し振り返ってみたらわかるだろう。北朝鮮がアメリカと敵対したのは、1950年の朝鮮戦争からだ。この戦争は今に至るも終結していない。それ以後、60年間以上、アメリカは北朝鮮の崩壊を狙い続けてきた。北朝鮮の建国の父である金日成主席は、「核には核で対抗する」ことを30年以上も前から決めていた訳で、北朝鮮の核ミサイル開発は昨日今日始まった訳ではないのだ。筆者は現地に入って、北朝鮮外務省の幹部クラスに取材を繰り返してきた。そうした中でアメリカの軍事支配力の限界を見てきたし、一方では北朝鮮の攻撃力を誇る幹部たちの見解に接してきた。「アメリカといつでも戦争します」と公然と語るのだ。嘗て中国が座長国となって議論を重ねた6ヵ国協議の目的は、北朝鮮に核開発の中止を迫ることだった。しかし、同盟国であり、影響力を持つとされていた中国すらも、北朝鮮の核開発を止めることができなかった。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領に至っては、「あの国は草を食っても核開発は止めない」と喝破している。北朝鮮が核を放棄する等ということは、今はあり得ないのだ。しかし、2017年9月9日、アメリカのドナルド・トランプ大統領が国連で威勢のいい演説をした。「北朝鮮の脅威により、アメリカが自国や同盟国の防衛を迫られれば、北朝鮮を完全に破壊するしか選択肢がなくなる」と。

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【霞が関2018冬】(07) 独禁法改正案を“自沈”…公取委、誤った国会対応

カルテル等独占禁止法違反事件の課徴金制度を大幅に見直そうとしていた『公正取引委員会』が、早々に法改正を断念した。原因は国会対策の失敗だ。企業・弁護士による“守る権利”を拡充させようとする与党議員を説得し切れず、逆に「議員立法も辞さない」と強く反発された。「提出は時期尚早」(公取委幹部)と判断し、法改正案を“自沈”させた。今の通常国会に出す筈だった独占禁止法改正案は、課徴金額の算出方法を柔軟にして、企業の公取委への協力度合いに応じて額を変える“裁量型”に切り替える内容だ。若し実現していたら、2009年以来の大型改正になる筈だった。一方、自民党競争政策調査会と『日本弁護士連合会(日弁連)』は、公取委の裁量を拡大することに対応し、調査協力をし易くする為の“秘匿特権”と呼ばれる権利を改正案に盛り込むよう、強く要望していた。秘匿特権は、弁護士と依頼者とのやり取りは裁判の“証拠”として扱わないとするルールだ。何故、日本で必要なのか? きっかけの1つは、2010年以降に本格化した自動車部品カルテルの摘発だ。日本企業が欧米当局のターゲットになり、世界各国で訴追された。秘匿特権が認められたアメリカ等では弁護士と企業のやり取りが守られる一方、肝心の日本では守られないとして、日本が国際的な法務戦略の“穴”になる可能性が指摘されるようになった。その結果、日本企業が秘匿特権があるアメリカの弁護士事務所への依頼を増やし、海外当局への巨額の罰金と共に、リーガルサービスまで国外に流出してしまった――というのが法曹界の主張だ。独禁法はクロかシロかの判断が難しい法律で、専門の弁護士への相談は不可欠。そうした“準備段階”のやり取りまで押収されて証拠になると、企業が腹を割って相談できず、公取委にも協力できなくなるという訳だ。法制化を何とか避けたい公取委は、1年以上前から国会議員や『日本経団連』等への説明を続け、調査の運用改善で何とか乗り切ろうとしていた。複数の関係者によると、経団連との間では、課徴金減免を受ける為、自主申告する前のやり取りなら証拠にしない方向で決着していた。

読み誤ったのは議員の反応だ。公取委は各議員に対し、「今ある民事訴訟法の規定を使えば、弁護士と企業の間のやり取りを証拠にしないで済む。実際にアメリカで判例がある」と説明してきた。ところが、そこで引用したのは古い判例で、その後に異なる判断が出ていた。アメリカの弁護士資格を持つ自民党の阿達雅志議員らがそれに気付き、「都合の良い判例を引用して議論を誘導しようとしている」と激怒。秘匿特権を巡る議論に関わる日弁連関係者は、「公取委の国会担当者は『どうせ議員は詳しいことはわからない』と高を括っていた節がある」と話す。当初は法曹界と公取委の落としどころを探っていた競争政策調査会長の原田義昭議員も、「やはり秘匿特権は課徴金制度の見直しとセットで法制化すべきだ。公取委がやらないなら議員立法でもいい」と態度を硬化させ、与党独自の制度検討会を立ち上げるに至った。公取委は「秘匿特権を法制化すれば日本初で、公取委で議論できる範囲を超える」(山田昭典事務総長)と、他省庁への波及を懸念した。現場職員の本音は、「都合の悪い情報が“弁護士とのやり取り”の中に包み隠されて、調査ができなくなるのではないか?」(中堅幹部)というものだ。対する日弁連からは、「弁護士とのやり取りを押収しなければ摘発できないなんて、調査能力が低い証しだ」(幹部)との声も。公取委と東京地検特捜部が連携して捜査に当たるリニア中央新幹線工事を巡る談合事件でも、「社内外の弁護士のパソコンが強制捜査で押収された」として、『大成建設』側の弁護士が特捜部に抗議する事態に発展している。経営陣等が独禁法違反を認識していたことを示す内部文書を血眼になって探すのは、どこの国の当局も同じだ。その一方で、アメリカや『ヨーロッパ連合(EU)』等の当局は、計量経済学を応用した高度な分析を通じ、客観的なデータを積み上げて独禁法違反を立証する手法にシフトしている。阿達議員は、「公取委の調査能力を上げる為にも、弁護士とのやり取りや自白に頼る今の手法は改めるべきだ」と訴える。公取委は、自沈させた改正案を再浮上させる覚悟があるのか? 独禁法の専門家らが対応を注視している。 (八十島綾平)


⦿日本経済新聞電子版 2018年2月20日付掲載⦿

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【日本の聖域】(09) 原発交付金――電源三法で手に入れた“打ち出の小槌”、原発が原発を呼ぶ補助金中毒のカラクリ

20180221 08
東日本大震災による『東京電力』福島第1原発の事故により、俄かに注目されるようになったのが原発交付金である。原発交付金のルーツは、1974年に制定された電源三法にある。前年に発生したオイルショックにより、それまで火力発電に頼っていた電力政策を見直し、原子力発電にシフトしていく為、言葉は悪いが、“撒き餌”として電源三法は作られ、交付金が支給されるようになった。その名目は、電源立地地域対策交付金、核燃料サイクル交付金、原子力発電施設等立地地域特別交付金等、多種多様に亘っており、当然ながら原発を多く抱える県には多額の交付金が支給されている。給付金を高い順に挙げると、1位は福井県の306億円、2位は青森県、3位は新潟県と続いていく。高速増殖炉の『もんじゅ』等15基の原発を抱える福井県、更には5基の原発に核燃料リサイクル施設のある六ヶ所村がある青森県が続いていることから、“電源三法交付金=原発交付金”という見方をしてもいいだろう。

因みに福島県は、原発事故以前の2010年には140億円の交付金が支給されていたが、事故により原発が停止した為、約100億円に減額されている。福島第1原発を始め、原発や原発関連施設が建てられる場所には共通点があり、主要な産業が無く、経済的に貧しい土地が殆どである。日本が高度経済成長で沸く中、原発が建てられていった町は、その光が当たらない忘れられた土地ばかりなのだ。原発交付金は条件付きの“打ち出の小槌”となり、豪華な箱物や道路といった公共事業の原資となった。条件付きというのは、原発という危険物を受け入れるという意味と共に、更には交付金自体が原発を運転して10年経つと、4割ほどに減額されるからである。一度、原発が齎す現金の旨味を知った自治体は、1基だけの原発で満足することができず、次々と原発を作ることになる。それが原発銀座の生まれる要因である。核燃料の再処理工場を誘致した青森県六ヶ所村は、原発マネーによって潤う村として知られている。村民の平均年収は約1500万円。2016年の村の予算は160億円、その内訳は原発関連施設の固定資産税が殆どを占める。村税が約70億円、電源立地対策交付金による国支出金が約35億円。村の予算の歳入の6割以上が原子力関連によるものだ。村の文化施設には、落語家の三遊亭円楽から演歌歌手の天童よしみまで、一流の芸能人が原発マネーによってやって来る。原発マネーの旨味を知ってしまうと、もう手放すことはできなくなってしまうのだ。 (ノンフィクションライター 八木澤高明)


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姿消えた共和党茶会派…大盤振る舞いが生む3つの危険

20180221 07
大きな政府に反対するアメリカ共和党の茶会(※ティーパーティー)派は、ドナルド・トランプ大統領が最近葬り去ったようだ。彼らの影響力は10年も続かなかった。バラク・オバマ前政権時代、アメリカを何度もデフォルト(※債務不履行)の危機に追い込んだ保守強硬派の彼らは、いつの間にか“財政赤字不問”学派に宗旨変えした。公共投資等の増額を求める民主党も、トランプ大統領の気前のいい財政政策にNOと言えない。対照的に、トランプ大統領の赤字支持は揺らがない。トランプ大統領が2016年、オバマ政権から引き継いだ5870億ドル(※約62兆円)の財政赤字は、2019年には1兆2000億ドル程度に倍増し、国内総生産(GDP)の5%相当額以上になる見通し。昨年末に成立した大型減税が恒久化されれば、財政赤字は10年以内に2兆ドルを突破するだろう。公的債務もGDP比2倍超と、第2次世界大戦以来最高の水準に達すると予想される。オバマ政権は金融危機後の2009年、前政権の肥大化した財政赤字を受け継いだが、景気回復を優先させ、8350億ドル規模の財政出動をした。その結果、アメリカは西側諸国で最速と言える速さで景気が回復した。財政政策はこのように反景気循環的であるべきだ。

2009年に台頭した草の根の茶会運動に連なる茶会派は逆の考えだった。オバマ政権の景気刺激策等に反発し、財政政策を骨抜きにした。年度予算はこの8年、一度も可決されていない。先日成立した2018~2019年の2会計年度予算は、2010年以降では初の通年予算だ。茶会派は、債務上限の引き上げと引き換えに政府に何度も歳出削減を呑ませ、アメリカ国債の格下げを招いた。今回、引き上げられたものの、財政再建の為、歳出に上限を設ける措置も導入させた。アメリカは、景気拡大局面に入って既に8年が経つ。この好況もいつかは終わりを迎える。今こそ次の景気後退に備えるべき時だ。ところが、茶会派は肝心な時に自分たちの主張を捨ててしまった。議会は昨年12月、アメリカの公的債務を1兆5000億ドル増やす減税案を可決した。法案には評価すべき点も幾つかあったが、減税自体はアメリカの深刻な所得格差を更に広げるものなので、方向性が違う。共和党は3つの危険を冒している。1つ目は『連邦準備制度理事会(FRB)』の利上げペースを煽ることだ。市場は既に今年3回の利上げを織り込んでいる。トランプ大統領の減税と歳出拡大で景気に過熱感が出てくれば、3回では済まなくなるだろう。2つ目は、今回の大盤振る舞いが次の景気後退時に政府の対応余力を奪うことだ。前回とは異なり、FRBにできることは限られている。仮に現行1.5%の政策金利を今後1%上げたとしても、引き下げ幅は知れている。FRBはバランスシートも既に5兆ドル近くまで膨らんでいる。金融危機が再来しても、金融市場を大混乱から救う余裕は殆ど無い。3つ目の危険性は、世界の準備通貨としてのドルの地位に対してだ。フランスのヴァレリー・ジスカール・デスタン元大統領は、財務大臣時代、ドルがアメリカに齎す恩恵を“法外な特権”と呼んだ。だが、ドルの優位性は永続的に規定されているのではなく、各国の信認に基づいているだけだ。トランプ大統領はその信認を低下させようとしている。今こそ茶会派に活躍してほしいのに、姿が見えないのは実に残念だ。 (Edward Luce)


⦿フィナンシャルタイムズ 2018年2月15日付掲載⦿

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