【劇場漫才師の流儀】(09) 女遊びは本当に“芸の肥やし”になる?

ここ1~2年は本当に不倫のニュース多いですねぇ。吉本の芸人も数人、登場しましたなぁ(笑)。彼らと舞台が一緒になった時に、「色々大変やなぁ~」と言うと、「ご迷惑おかけしました…」って申し訳なさそうに頭を下げるんです。別に迷惑はかかっていないんですけどね(笑)。で、僕と阪神君はいつもこう言うんです。「浮気くらいするよな(笑)」って。すると皆、ホッとした顔して帰っていきますね。こんな言い方したら怒られるかもしれんけど、芸人だったら浮気くらいしますよ。結婚してから一生、男も女も好きな異性ができないほうが不思議かもしれません。この前話題になった某コンビのM君なんて、前に浮気がバレた時、嫁さんに散々怒られたのに、またしている(笑)。女性と一緒にホテルに入って、何もせんで帰ったこと、僕は何回かあったなぁ。いや、そんなに無かったかな(笑)。ホテルに入った瞬間、冷めてしまうというか、面倒臭くなってしまうんです。まぁ、M君はやっているでしょう(笑)。昔は“女遊びは芸の肥やし”なんて言われてましたが、あれ、僕は全然そうは思いません。抑々、昔の芸人さんは自分の浮気をネタになんてしていませんでしたからね。寧ろ今は、芸人だったらバレたら触れない訳にはいかん時代やから、大変だと思います。勿論、「それが笑いになるならえぇ」という打算的なところもありますけど。

昔、吉本のある先輩が、自分の彼女を奥さんに紹介しているのを見たことがあるんです。そしたら奥さん、「宜しくお願いします」って挨拶していて。「大したもんやなー」って思いました。だから僕も、そういう嫁さんを貰ったつもりやったんですが。うちの嫁さんは年下やけど、吉本の3年先輩でね。彼女、結婚当時は「浮気はOK」って言っていたんです。だから僕も、「昨晩は飲み屋で知り合った女のところ泊まってしもうたー」とか正直に言っていました。そしたら、嫁は笑いながら、「付き合うならべっぴんさんにしてや」って。大した嫁でしょ(笑)。だからって、正直に何でも言うてたのがあかんかった(苦笑)。結婚20年目くらいだったかなぁ、嫁さんが急に「浮気はあかん!」って言い始めたんです。僕も沢山浮気してきた訳じゃないけど、浮気しても嫁さんは大事にしていましたし、家にきちんとお金も入れていました。浮気で家庭を乱すようなことはしたくなかったですからね。でも、ある時から女の影がちらっとでも見えたら、めっちゃ機嫌わるうなってね。これ、公約違反やろと(笑)。「浮気が嫌なら離婚してくれ」って言うたんですけど、「離婚はせん」と。「じゃあ、僕どうしたらえぇの?」って(苦笑)。こうなったら、不倫している芸人は皆で一斉に名乗り出たらえぇんちゃいます? そうしたら、マスコミも世間も「もうえぇか」ってなるでしょう。ならんか(笑)。


オール巨人(おーる・きょじん) 漫才コンビ『オール阪神・巨人』のボケ担当。1951年、大阪府生まれ。大阪商業高校卒業後、1974年7月に『吉本新喜劇』の岡八朗に弟子入り。翌1975年4月に素人演芸番組の常連だったオール阪神とコンビを結成。正統派漫才師として不動の地位を保つ。著書に『師弟 吉本新喜劇・岡八朗師匠と歩んだ31年』・『さいなら!C型肝炎 漫才師として舞台に立ちながら、治療に挑んだ500日の記録』(共にワニブックス)。


キャプチャ  2017年10月23日号掲載

テーマ : お笑い芸人
ジャンル : お笑い

【Test drive impression】(40) 『トヨタ自動車 アクア クロスオーバー』――6月に改良を受けたアクアに待望のクロスオーバーが登場

トヨタってやっぱし面白い。時折、ビックリするほど画期的でスゴいクルマを出したりする半面、時に「アレレ?」ってなるほど拍子抜けなヤツを出してきたりするんだよね。最近でも、「こんなのトヨタが出してもいいの?」と言いたくなるほど硬派で走りもいい“GRブランド”を全国展開する一方で、相変わらず子会社系コンパクトカーのリネーム版が販売店対策で出回ったりする訳。で、今回紹介するモデルがどちらかというと、まさしく後者に違いない(笑)。その名は、アクアクロスオーバー! 正直、小沢はこのクルマが6月19日のアクアのマイナーチェンジで追加されると聞いた時、「こりゃとんでもない人気モデルの登場じゃないか?」と思った。だって、アクアは2011年末に登場してから、それまで絶対王者として君臨してきた『プリウス』をあっさり抜き、国内販売ナンバーワンに! しかも、それを3年間も続けた上、トヨタ最速で累計販売台数100万台を記録。まさに最強のコンパクトハイブリッドである。そいつをベースに、今や『C-HR』や『ホンダ』の『ヴェゼル』、『日産自動車』の『ジューク』等、個性派が犇めくコンパクトSUV市場に打って出ようってんだから、期待しないほうが無理。謂わば、人気芸能人のDNAを持つ新人アーティストみたいなもんでしょうか?

で、実車を見たら、外板はノーマルと変わらないどころか、中身も足回りも基本共通…。変わったのは、最低地上高が3㎝上がる大径タイヤと、フロントグリル、前後バンパースポイラーぐらいのもの。実は、嘗てアクアには『Xアーバン』なるSUVチックなグレードがあって、それに新たにワイルドな樹脂製フェンダーモールやルーフレールを追加したのが、今回登場した新型クロスオーバーの正体。小沢の地元ディーラーで「クロスオーバーって売れてます?」と聞いても、「そこそこです」という気の無い返事ばかり。事実、カタログを見ればわかるけど、新型アクアには下からL・S・Gの3グレードがあって、クロスオーバーはGのデザイン違いみたいなポジショニング。実際価格は全く同じ206万円強で、両者選べる本革風のホワイトソフトレザー内装は全く一緒。細かく言うと、ノーマル内装がGはオールレザー風シート装備なのに対して、クロスオーバーはシート中央がメッシュになっているって違いだ。「販売店でどっちを選ぶか決めて下さい!」ってお客に判断させる算段か? とはいえ、目新しさもある。外観で目立つフロントマスクは、今回のマイチェンでボンネット&フェンダーの鉄板デザインを変えてまでアイライン入り風のヘッドライトを装着。セクシー度が増しているし、更にクロスオーバーに限っては、フロントバンパー左右に睫毛風デザインのランプが入って、これまた今までと違ったイメージに。

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テーマ : 新車・ニューモデル
ジャンル : 車・バイク

【Deep Insight】(49) 労働移動がつくる好循環

支持率回復を期す安倍晋三内閣のキーマンは、働き方改革を引き続き担う厚生労働省の加藤勝信大臣と、新たに“人づくり革命”の担当となった茂木敏充経済財政再生担当大臣の2人だ。茂木氏は『人生100年時代構想会議』と称する会議を設け、アベノミクスの新たな柱にしようと意気盛んな様子だ。そこで真っ先に議題になりそうなのが、幼児教育や高等教育の無償化といった分配色の強い政策だ。働き方改革も、社会的に注目を浴びた長時間労働の是正や、『同一労働同一賃金』といった響きの良いテーマが先行する。より効率の高い働き方を実現し、人材の質を向上するという方向性を否定する人はいない。だが、働き方改革を突破口に生産性を上げ、日本経済の潜在力を高めるという好循環には、より踏み込んだ発想がいる。カギを握るのが、働く人々が成長力や付加価値のより高い産業や企業にもっと柔軟に転職や再就職ができるようにして、労働市場の流動性を高めることだ。完全失業率が2.8%、有効求人倍率が1.5倍という“完全雇用”の状況は、随所に人手不足を引き起こしている。それにも拘わらず、賃金は中々伸びず、消費拡大の足枷となっている。多くの企業で始まった残業抑制も、経済には逆風になりかねない。『大和総研』は、“労使合意で可能な月60時間”の上限に合わせて残業を減らし、浮いた分を他の労働者に分配しなかった場合、雇用者報酬の3%分、年8.5兆円の所定外給与が減ると試算する。より短い労働時間で同じ仕事を熟し、対価の賃金を得る。もっと成長ができる分野に人材を振り向ける――。そういった形で生産性を高めない限り、働き方改革の果実は広がらない。ところが、日本では多くの正社員が同じ企業で働き続け、年功賃金を受け取るパターンが根強く定着する。「高度成長期は、職場を“固定”することが長期的な成長を支えた。だが、これだけ変化が激しく、新興国が伸びる時代になると、固定は却って不安の種になる。1人ひとりが変化に対応できるよう、転業や転職で不利にならない条件を整えることが重要になる」。政府の規制改革推進会議の議長を務める政策研究大学院大学の大田弘子教授は、こう話す。供給過剰の流通・飲食といったサービス業も、労働移動がもっと柔軟になれば、より生産性の高い企業が雇用を吸収する。産業の中で新陳代謝が生まれ、日本経済全体で資源をよりよく配分できる。労働移動を促す1つの方策が、不当な解雇と裁判で認められた場合に、企業が従業員にお金を払って紛争を解決する“解雇の金銭解決”。

だが、労働組合は「解雇を助長する」、企業側の一部にも「負担が増す」と反対論があり、堂々巡りの議論が続く。大田氏は、「規制改革だけでなく、社会保障や税制面も含めたパッケージで対処すべきだ」と指摘する。職を移る際の職業訓練の機会を増やし、訓練期間中の収入を支える公的保障も設ける。民間の雇用仲介の業者もサポートできるよう、門戸を広げるといった策だ。包括的な対策で転職に対する不安を和らげ、日本の労働市場を解きほぐせば、イノベーションも加速する。勿論、経済界や労働組合の意識改革が不可欠だ。グローバルな人材受け入れにも対応し易くなる。「研究者にとって、アメリカやイギリスが居心地の悪い国になってきた。2018年は、世界の高度人材が大きく流動化する年になる」と、『A・T・カーニー』日本法人の梅沢高明会長は話す。アメリカのドナルド・トランプ政権が予算教書で提案した医学や地球温暖化に関連する研究費の大幅なカットで、研究者が余剰になる可能性がある。イギリスも『ヨーロッパ連合(EU)』からの離脱が近付き、研究者の地位やヨーロッパ大陸との関係が微妙になってきた。フランスのエマニュエル・マクロン大統領は、「どうぞフランスへ」とそうした人々を手招きする。海外からの人材受け入れも好機が訪れている。日本経済は、雇用市場の改革を進めるのに適した環境にある。4~6月期の国内総生産(GDP)速報値は、前期比年率換算で実質4.0%増。アメリカの2.6%、ヨーロッパのユーロ圏19ヵ国2.3%を大きく上回る。『SMBC日興証券』が試算した世界経済の成長率は、実質3.9%だ。勢いの勝る新興国を含めても、日本の伸びは遜色ない。4%の伸びは、確かに出来過ぎの面がある。前期比0.9%増の個人消費も、野菜価格高騰の一巡やエコポイント等の過去の需要促進策の買い替え、好天によるレジャー支出な等、天候要因が支えた。住宅投資や設備投資の増勢、昨年決めた経済対策の押し上げも効いた。7~9月期は、高成長の反動と東日本の天候不順が気がかりだ。それでも、日本経済の地力はついてきたと見ることはできる。日本のGDPは、2016年1~3月期から6四半期連続でプラス成長を続ける。『BNPパリバ証券』は、日本経済の潜在成長率を0.7%程度と試算している。1年半に亘り、潜在力を上回る伸びが続いている。消費心理は、緩やかながら好転の兆しがある。供給側のデータを基に日銀が算出した消費活動指数は、4~6月期に前期に比べ1.1%上昇し、2014年の消費増税の直前以来の伸びになった。可処分所得の内、消費に回す割合を示す消費性向も、年初から上昇している。息の長い経済成長の下、完全雇用の中で人手不足に悩む日本。今の環境を追い風に、攻めの改革に踏み出す好機だ。 (本社コメンテーター 菅野幹雄)


⦿日本経済新聞 2017年8月23日付掲載⦿

テーマ : 労働問題
ジャンル : 政治・経済

【崩壊する教育現場】(02) 教員のジレンマ解消! 杉並区はプロが部活を指導する

20171016 11
部活改革を積極的に行っているのが東京都杉並区だ。同区は、顧問の補助をする地域ボランティアによる“外部指導員制度”を2001年に導入。2013年には、更に踏み込んだ“部活動活性化事業”を始めた。民間企業等からの専門コーチが生徒に技術指導を行う。これによって、競技経験が無く、指導できないのに顧問をする先生のジレンマを解消。生徒もプロから指導を受け、競技の基礎を身に付けられる。なお、部活指導をやりたい教員は従来通り行える。予算は、両制度・事業で年間約5000万円だ。杉並区教育委員会の小林淳氏は、活性化事業導入の目的について「先生の負担軽減と楽しい部活の復活を目指す」と言う。現在は野球やサッカー等10種目の運動部に対応。区内23校150ある部活動の内、19校42の部活動で導入されている。効果の検証はしていないが、教員へのアンケートでは「他の仕事や家庭に時間を充てられるようになった」という回答があった。導入する部活数を今後も増やす計画だ。 (取材・文/本誌 富田頌子)


キャプチャ  2017年9月16日号掲載

テーマ : 教育問題
ジャンル : ニュース

【Global Economy】(58) 経済成長と働き方改革、両立へ…生産性改善、適正価格から

世界経済共通の課題として、経済成長の為の“生産性向上”が注目されている。とりわけ日本の生産性は国際的に見ても低く、改善の余地が大きい。原因を探ると、日本が抱える構造的な問題が浮かび上がる。 (本紙編集委員 佐々木達也)

20171016 08
「最先端のイノべーション(技術革新)を起こし、“生産性革命”を実現します」――。今回の衆院選で自民党が掲げる公約の一文だ。希望の党も、政策集で「生活改革を進め、労働生産性を高める」と唱える。主要政党の公約に盛り込まれるほど、生産性が脚光を浴びるのは何故か? 生産性とは、働いている人がどれだけ効率的に付加価値を生み出したかを示す。労働生産性という指標で測ることが多い。上昇すれば企業の利益が増え、アベノミクスが積み残す課題、賃上げへの効果が期待できる。人口が減少しても、生産性を上げれば経済成長が可能だ。働き方改革で目指す長時間労働の是正とも両立できる。アベノミクスを加速させる“切り札”となり得る。現状では、日本の労働生産性は低い。『日本生産性本部』によると、2015年は1時間当たり42.1ドル(※約4700円)と先進7ヵ国で最下位。『経済協力開発機構(OECD)』加盟35ヵ国でも20位だ(※グラフ①)。1位のルクセンブルクは、法人税率を低くして世界的な企業を誘致し、生産性が他業種より高い金融や不動産業等の比率が高い。2位のアイルランドも、低い法人税率で多くの多国籍企業を呼び込んだ。日本と両国を単純比較するのは難しいが、アメリカと業種別で比べると実態が見えてくる。アメリカを100とした指数(※2010~2012年の平均)で、製造業の“化学”は日本が大きく上回るが、サービス業の“情報通信業”や“金融”等は軒並みアメリカより低い(※グラフ②)。サービス業全体はアメリカの約5割だ。

20171016 09
日本では製造業が注目されがちだが、国内総生産(GDP)のシェア(占有率)ではサービス業が7割を占める(※グラフ③)。サービス業の生産性改善が、経済全体を底上げするカギを握っている。情報通信は、『Google』や『Facebook』等企業が急成長する一方、日本では革新的なサービスや世界的な企業が少ない。金融では、支店網と従業員を抱える商業銀行が多い日本に対し、アメリカは投資銀行やファンドが中心で、少人数で利益を出し易い構造だ。他方、「日本ではサービスの品質が生産性に反映されていない」との指摘もある。日本生産性本部は今春、日米に滞在経験のある人に両国のサービスを比べ、「どの程度価格を多く払ってもいいか?」と聞き、品質差として数値化した。すると、宅配便・タクシー・理容・美容等、多くの分野で日本のほうが高品質と評価された。日本のサービス業は丁寧な接客等の“おもてなし”で知られるが、その分、人手や手間がかかる。調査結果は、日本ではサービスの品質に見合う対価が得られていないことを示す。要因は、長引いたデフレだろう。利益を増やすことより競争に勝つことを優先し、企業は身を削る低価格戦略を続けた。その歪みが一気に表面化したのが宅配便だ。時間指定や冷蔵・冷凍での配送等、便利なサービスを次と生み、通販では当日配送も手がけたが、適正な対価が得られず、人手不足も加わってサービスの雑持が難しくなった。最大手の『ヤマト運輸』は、今月1日から個人向け宅配の基本運賃を27年ぶりに140~180円値上げした。『アマゾンジャパン』等大口顧客とも交渉を行っており、これを機にサービス価格の適正化が進めば、生産性の改善に繋がる。日本では“サービスはタダ”との意識も根強いが、高度なサービスへの適正な対価の在り方について、社会全体で考えるべき時期に来ている。技術革新も欠かせない。日本を代表する老舗旅館、石川県和倉温泉の『加賀屋』は、1980年代から料理のロボット搬送システムを導入。運ぶ労力を減らして、客室係がおもてなしに集中できるようにし、サービスへの質で高い評価を得る。

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テーマ : 経済
ジャンル : 政治・経済

【労基署ショックが日本を襲う】第2部(13) ホワイト企業だけ参加可能! 官公庁入札の要件が厳格化

20171016 06
『電通』事件の余波は、官公庁入札にまで広がっている。仮に、電通が労働基準法違反で起訴された場合、複数の官公庁が入札参加停止処分を下す予定であるし、特殊法人の『日本中央競馬会(JRA)』は既に処分に踏み切った。民間企業同士の取引以上に公正さが求められる官公庁入札。労働環境が劣悪な所謂“ブラック企業”にその参加資格などないという、至極真っ当な理由で入札からの締め出しを食らっているのだ。厚生労働省が始めたブラック企業の実名公開制度もまた、「入札から締め出すのに一役買うことになる」(ある霞が関官僚)という。地方公共団体の入札では、要件を満たしているかどうかが自己申告だけで済まされることも少なくない。だが、全国に悪事が暴かれたことで、自動的に入札への参加資格が消失する効果がある」(同)という。そして、俄かに産業界で囁かれ始めているのが、「ホワイト企業の証しとも言える“くるみん”認定基準が、官公庁入札の参加資格の下地になるのではないか?」という説である。くるみん認定とは、次世代育成支援対策推進法に基づく企業認定制度。一定の要件を満たすと子育てサポート企業として認定され、税制優遇措置が受けられる等のメリットがある。実は、その認定要件には労働時間基準が含まれている。フルタイム社員の残業時間が月平均45時間未満、且つ残業時間が月平均60時間以上の社員がゼロという極めて厳しいルールだ。このくるみん基準が官公庁入札の要件として採用されたならば、打撃を受ける企業は少なくない。


キャプチャ  2017年5月27日号掲載

テーマ : 働き方
ジャンル : 就職・お仕事

【働き方改革の表と裏】(07) 霞が関は日本一のブラックだ! 若手官僚覆面座談会

「残業規制法案を作成する為、残業が増える」――。ある官僚が自嘲する。“不夜城”霞が関の勤務実態を、若手官僚(※A…総務省・B…厚生労働省・C…内閣府)が語る。 (聞き手/本誌 一井純・森川郁子)

20171016 05
――残業時間はどの程度ですか?
A「月100時間を下回らない月は先ず無い。国会会期中は更に増える。兎に角、業務量に対して人手が足りない。けれど、採用人数は規定で決まっているから、自治体からの出向で何とか間に合わせているのが実情。自治体とは業務量が桁違いなので、体を壊して辞めてしまった人もいる。都道府県庁勤務は本当に楽だ。残業も月20時間程度で、雰囲気ものんびりしている」
B「私は法改正時が最も激務だった。国会提出の半年ほど前から、所謂“タコ部屋”に缶詰めになるのだが、一番忙しい月で200時間を突破した月もあった。厚労省では、残業が月100時間を超えると産業医との面談があるのだが、『また来たね』と言われるのが恒例だ(笑)」
C「残業時間が多い理由には、仕事の質の高さを求め過ぎてしまうこともあると思う。95%までは直ぐできるが、残り5%に拘ってしまう。使命感も強い」

――残業代は付くのですか?
B「月30~40時間分しか受け取っていない。全額出ることは先ず無いのでは。部署毎に残業代の予算が割り当てられ、それを各人の残業時間で按分するから。単純に時間で割るので、残業が多い部署は1人当たりの残業代も減ってしまうのが納得いかない。『異動したら半分しか出なくなった』なんて話もあるくらいだ」

――残業の元凶と言われる“国会対応”とは?
C「議員から質問を聞いて、答弁を作成する業務だ。翌日に大臣の答弁がある日は、議員から関連する省庁に『質問をする』という連絡(※通告)が飛んでくる。その議員の元に出向いて質問を聞き取るのだが、深夜になってから通告が来る議員もいる」
B「自分の部署に通告が来ないとわかるまで全員省内に待機するから、その分、残業時間が増える。通告が来たら来たで、その部署は深夜まで帰れない。だから、質問を誰が担当するかを巡って、部署間で押し付け合うこともある」
A「答弁書は係長を中心に作成するので、中間管理職が最も忙しく、帰宅するのはいつも朝方。翌朝一番に、担当大臣へ答弁内容のレクチャー“朝レク”をする。やる気のある大臣は答弁書の修正を求めるので、更に仕事が増える。ただ、いい答弁をしようと頑張っている証拠なので、悪い気はしない。寧ろ、質問すらしない議員を見ると、きちんと職務を果たしているのか疑ってしまう」
C「最近は配慮してくれる議員もいて、午前中や前々日に通告が来ることもある。勿論、全員がそうだという訳ではないが」
B「答弁の他に、書面でやり取りする質問趣意書がある。これも答弁作成と同様の負担がかかる。しかも、答弁は政党毎に持ち時間が決まっているのに対し、趣意書は何通でも提出できるので、1人で10通以上出してくる議員もいる。趣意書は1週間以内に閣議決定をしなければならない為、棚上げする訳にもいかない」

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【ここがヘンだよ日本の歯科医】(02) 詰め物・かぶせ物の相場価格を見極めよう

20171016 04
虫歯の治療を受ける時というのは、ただ歯科医に言われるがまま詰めたり被せたりという処置をされ、やはり言われるがまま伝えられた金額を払う人が大半だろう。だが、待ってほしい。治療にかかる技術料であるなら兎も角、被せ物や詰め物というのは物品であるから、相応の価格というのがある筈だ。時には金にするか銀にするか、或いはセラミックにするか、医師から複数の選択肢を提示されることもあるだろう。そこで具体的な金額を明示するようなら、その医師は良心的な部類。中には、あからさまに高い素材を選ばせようとする医師もいると聞く。歯の健康の為にそれがベストと言われれば、素人である患者に抗う術は無いのが実情だ。果たして、今、自分の歯を覆っている素材は、治療の見地からベストなものだったのか? そうした疑問を解消する為には、やはり被せ物・詰め物の価格の目安を知っておきたい。今回取材を受けてくれたのは、40代の男性歯科医師。歯学部学生時代には複数のクリニックでアルバイトを経験し、卒業後は勤務医としてキャリアを積んだ後、昨春からは東京都内にある実家のクリニックで父親と共に診察にあたっている経験豊富な歯科医師だ。「被せ物や詰め物を使った治療の価格は、クリニックやそこに勤める歯科医師がある程度自由に設定しています。ただ、使用する素材やその原産地、納品形態な等によって原価にも幅があり、更にどのくらいの技術料や利益、その他を上乗せするかによって、請求額にかなりの価格差を生んでしまいます」。

治療において被せ物や詰め物をした時に請求される費用は、大きく分けて2つの要素で構成されているということらしい。ここでは仮に、一方を“原価”、もう一方を“治療費”とする。原価と呼ばれる費用は、治療にあたるクリニックが事前に(※或いは事後に)業者に支払う金額だ。歯科技工所と呼ばれることが多いそうで、大小様々な業者が存在しているという。クリニックによって1つの業者と懇意にしていることもあれば、ケースバイケースで複数の業者と付き合っているクリニックもあるらしい。「私の体感としては、それなりの素材を使って、仕上がりのいい製品を求めると、やはり相応の原価がかかります。また、金属類については、その物質毎の相場が常に変動している為、医師が絶対価格を把握することは難しいのです。製品の良し悪しは、治療の質や経年変化として違いが出てきます。私たちとしても、できるだけ良いものを使いたいのですが、そこは患者さんの立場に合わせたコスパ的な審美眼も持ち合わせなくてはなりません」。何でもかんでも最高級品を選ぶべきというのではなく、その時に必要なレベルの製品を見極める技術もまた、歯科医の腕前という訳だ。「逆に、原価を最少限まで抑えようと思えば、かなり安価な製品を入手することも可能です。同じ製品でも中国産の粗悪なものを使ったり、必要な分より小さいものを用意したり…等といったやり口で儲けを増やそうとする医師も、少なからず存在します」。また、治療費にあたる費用としては、一般診療と同様、保険治療・自費治療の違いや、治療にあたる医師の技術科、クリニックの立地に応じた土地代や人件費等が加算されているという。「被せ物や詰め物を含む治療について、私たち歯科医師は特別な利益を得ようとは思わないものです。これも個人的な感覚ですが、多くのクリニックで6~7割の原価代がかかっていると思います。そして、その原価には業者の利益も含まれている。クリニックばかりが多くの利益を得ているかというと、それは通常考え難いものなのです」。一般的な物流と同様、下請け業者が介入することで末端価格が大きくなってしまうという側面があるようだ。「ただ、やはりどんな業界にも相場よりかなり多い請求をする、所謂ぼったくり営業をしているところはあります。そういうクリニックに過度な高額請求をされない為にも、概算でいいので見積もりを貰うようにすることが大切です。一般的な相場よりも高額だった場合は、どういう理由で上乗せされているのか、具体的な説明を求めましょう」。医師曰く、過度に立地の良いクリニックや、患者数を取り過ぎない為に治療費を高額設定にしているセレブクリニックな等、ぼったくり以外の理由で平均より高値を付ける場合もあるそうだ。何事にも絶対は無い。治療後に高額請求をされてトラブルになる前に、自分の身を守る為には、あらゆる選択肢を持つことが重要なのだ。 (取材・文/フリーライター兼編集者 宇佐美彩乃)


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【ニッポン未解決事件ファイル】(31) 東電OL殺人事件(1997年)――東電OLを殺害逃亡、真犯人は巣鴨に?

1997年3月8日深夜から9日未明、『東京電力』の女性社員が渋谷区円山町にあるアパートで殺害された。彼女は売春婦として体を売っていたことで、報道は過熱。ネパール人男性が逮捕・収監されたが、後に冤罪として釈放された。 (取材・文・写真/ノンフィクションライター 八木澤高明)

20171015 02
1997年3月19日、渋谷区円山町の古ぼけたアパートの一室で、1人の女性の遺体が発見された。その女性は東京電力のOLで、夜は売春婦という2つの顔を持っていた。大手企業のエリート会社員が売春婦として体を売っていたという事実は、世間に衝撃を与えた。この事件の容疑者として逮捕されたのは、ネパール人のゴビンダ・プラサド・マイナリーさんだった。3月8日から9日の事件発生当時、ゴビンダさんは被害女性が殺害された部屋の隣りにあるアパートで暮らしていた。事件発生の20日前には、現場となった部屋で被害女性と関係を持っていた。また、以前にその部屋を借りる為に鍵を持っていたことから、警察は彼を容疑者として逮捕したのだった。因みに、その部屋は当時、常に鍵がかけられておらず、被害女性が度々客の男を連れ込んでいた。裁判は1審無罪、控訴審無期懲役、最高裁では上告が棄却され、有罪が確定したが、一貫して無実を主張してきたゴビンダさんの再審請求が認められ、無罪判決が下されたことは記憶に新しい。この裁判では、被害女性の膣内から発見された体液がゴビンダさんのものではなく、第三者のものであるとDNA鑑定によって明らかになったことが、無罪を言い渡された理由となった。部屋に残されていた陰毛や被害女性の爪からも、膣内に残されていた体液と同じDNAの皮膚片が発見され、真犯人は被害女性の体内に体液を残した男ということが明白となった。果たして、被害女性を殺した真犯人はどこに潜んでいるのか?

犯人と同じDNAを持つ者を見つけることができれば簡単な話であるが、警視庁のデータベースに同じ型のものは存在しないという。そうなると、現時点で明らかとなっている犯人の足取りから推測していくしか方法はない。この事件で犯人と結び付くのは、巣鴨で見つかった被害女性の定期券である。巣鴨は被害女性の自宅とも通勤経路からも外れていて、恐らく土地勘の無い場所だ。彼女の定期券が発見されたのは、殺害されてから4日後の3月12日の午前中のことで、とある民家の庭先に落ちていた。定期券が発見された巣鴨にある民家は、都電荒川線の新庚申塚駅から、白山通りを渡り、お岩通りに沿って歩いて1本目の路地を入ったところにある。土地勘のある人物でなければ、恐らく来ることはない場所である。家主の主婦が言う。「朝、花に水やりをしていたら、壁際に黒い定期入れが落ちていたんだよ。名前を見たら“ワタナベ”と書いてあったから、近所にもワタナべなんて名前の人はいないから、娘に頼んで警察に届けてもらったんだよ」。水やりは毎日の日課で、前日には定期券は無かったという。そう考えると、定期券は夜中に捨てられたことはほぼ間違いない。被害女性を殺害してから4日後に定期券を庭先に捨てる人物とは、如何なる者だろうか? この界隈に当時住んでいた人物か、若しくは友人・知人が住んでいた人物が捨てたということが考えられないか? 地元の住民に話を聞いてみると、警察は事件後から一度たりともこの界隈で聞き込みをしていないという。警察にしてみれば、最初からゴビンダさんが犯人であり、定期券を持った人物の存在は、ゴビンダ犯人説を崩す障害でしかなかった。当時、この付近を徹底的に聞き込みをすれば、定期券について知る人物を見つけることも可能だったのではないか? 因みに、定期券が発見された場所の周辺では、1997年当時、イラン人やバングラデシュ人等が多く暮らしていた。特にイラン人は、違法テレフォンカードを販売したり、新大久保界隈で体を売っていたコロンビア人娼婦たちの“ヒモ”等をしながら暮らしている者も少なくなかった。「当時は、ちょっと夜になると物騒なところはあったね。イラン人が、店を閉めた後の夜中に『酒を売ってくれ』って来たんだけど、売らなかったら自動販売機を壊されたなんてこともあったな」。定期券が発見された現場周辺で酒屋を経営する男性が言う。そうした話が直接この事件と結び付く訳ではないが、事件の温床となり売る空気が、当時、この町の周辺には漂っていたのである。警察は現在も犯人逮捕の為に捜索を続けている訳だが、日本に暮らして数十年になるネパール人男性が呆れた表情で話してくれた。

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【New Theories of NINJA】(02) 忍者は手裏剣を使っていなかった!?

忍者の代名詞として世界中で知られる手裏剣。ところが、実は忍者がこれを武器として使っていた根拠は無いという。一体、どういうことなのか? (取材・文/フリーライター 友清哲)

20171015 01
忍者といえば手裏剣――。誰しもそんなイメージを強く持っている筈だが、実は現存する記録の中に、手裏剣の存在を匂わす記述は殆ど無いという。実際、忍者の役割を鑑みれば、大量の手裏剣を携帯することには重量面で不都合があるし、当時の製鉄技術を想像すれば、こうした“使い捨て”の武器というのはどうにも効率が悪いように思う。忍者が武器を使うのは、主には逃走や撹乱の為であり、戦国時代のように殺傷目的で敵を攻撃する必要があった場合には、寧ろ鉄砲を得意としていた。戦国時代の初期、1543年にポルトガル船が種子島に漂着したことから、鉄砲が伝来。これをきっかけに火薬の扱いを研究・発展させた伊賀や甲賀の忍者たちは、閃光弾・懐中鉄砲・百雷銃といった高効率の武器を編み出す一方、射撃訓練を重ねて鉄砲の名手を多数輩出したのだ。但し、手裏剣が実在したのは紛れもない事実。といっても、これは忍者の為の武器ではなく、武士が弓や槍等と同列に修練したものだった。忍者はこれを“繋急避難用”に1~2枚ほど携帯し、穴を掘ったり石垣を登る際の取っ掛かりとしたり、或いは時に刃先に毒を塗って使ったというのが、今のところの通説となっている。なお、「手裏剣の起源は仏教の法具にある」との説もあり、この点では忍者のルーツを修験者に求める説と合致する。忍者にとっての手裏剣とは、量産型の武器ではなく、御守りのようなものだったのかもしれない。

■“忍者=手裏剣”のイメージは浮世絵から?
緊急避難や逃走の必要がある場面で、忍者が身の周りの物を敵に投げ付け、撹乱を試みたのは事実です。しかし、古文書の類いを紐解いても、忍者が手裏剣を使っていたという証拠はありません。江戸時代に武術の1つとして手裏剣術が存在したのは事実ですが、忍術とは無関係のもの。但し、江戸時代には既に忍者が手裏剣を持つ姿が浮世絵で描かれており、当時からこうした“誤解”が生まれていたことがわかります。忍者が手裏剣を投げていたというイメージが現代にこれほど浸透しているのも、100年以上も前から定着していたからなのかもしれませんね。 (三重大学人文学部教授 山田雄司)


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